
ギターサウンドを強化する。ペダル型プリアンプを試してみよう!
プリアンプエフェクトは歪み系のエフェクトペダルと混同されやすいですが、実際にはまったく異なるサウンドを提供します。
プリアンプを使用することで伝説的なチューブアンプとそれに合った最適なスピーカーキャビネットに繋ぎ、音響の良い部屋でプレイした時のような質感を手に入れることができます。
プリアンプとは

プリアンプはギターアンプ等に搭載されている電気信号を扱う機器の前段(プリセクション)に置かれるアンプのことです。
通常ギターアンプは、プリアンプステージとパワーアンプステージで構成されています。プリアンプステージは、ギターケーブルからの低出力信号を受け取り、それを電圧増幅させた後にイコライザー(EQ)に流れます。
この時の電圧増幅効果は信号をラインレベルに上げるので、パワーアンプと連動することで、実際にアンプのスピーカーコイルを動かすことができます。これにより大音量で美しいサウンドを作ることができます。
つまり、プリアンプはギター本来のサウンドトーンとダイナミクスを損なうことなく、サウンド強化することに非常に優れています。
実際には多くのペダルタイプのプリアンプは出力をラインレベルまで上げないので、プリアンプとは違います。ペダル型のプリアンプのほとんどは、多くの場合、アンプの前で動作するように設計された、ダイナミックヘッドルーム、EQオプション、実際のアンプゲインの特性をエミュレートしたブースター、及びディストーションとして機能します。
プリアンプを一番最後に繋ぐ

通常はオーバードライブペダルのように、エフェクター配置(シグナルチェーン)の手前のほうにプリアンプペダルを配置するのが一般的です。しかし、多くのプリアンプペダルは、シグナルチェーンの最後に配置することでも上手く機能します。
特にゲインの少ないクリーンアンプで演奏する場合に最適で、プリアンプペダルのゲインを低く設定すると、シグナルチェーン全体にアンプのような適度な圧縮感とパンチを加えることができます。
ブースターのように常に「オン」のままにして使用したり、演奏中に少し異なるトーンが欲しいときに必要に応じてオンオフの切り替えをすることができます。
プリアンプペダルの豊富なヘッドルームと自然な圧縮により、クリーンギターに必要なダイナミクスを損なうこと無く、素晴らしいサウンドを鳴らしてくれます。
キャビネットシミュレーター搭載モデル

最近では多くの環境で大型のアンプを使わずにギタープレイすることがこれまで以上に需要があります。
アンプシミュレーターを使用することで非常に便利で、どんな環境でも一貫性のあるサウンドを持ち運ぶことができるので、マイク付きギターキャビネットとパワーアンプのサウンドレスポンスをシミュレートするペダルが急増しています。
プリアンプペダルにもキャビシミュが搭載されている製品も多く、複数のプリアンプペダルを使用することで、クリーンとダーティーなトーンを備えたマルチチャンネルセットアップを作成できます。
このタイプのセットアップでは、繋ぎ方によって他のエフェクトの効果も変化するので、色々と試してみることをおすすめします。
プリアンプペダルの前に配置すると、ペダルを直接アンプに接続するエフェクト効果が得られます。プリアンプとキャビシミュの間に配置すると、アンプのエフェクトループを使用したような効果。また、キャビシミュの後に配置すると、DAWでエフェクトプラグインを使用する場合と同じように、ポストエフェクトとしての効果が得られます。
エフェクトループのリターンに挿す

アンプのエフェクトループ(FX Loop)はアンプのプリアンプセクションとパワーアンプセクションの間に他のエフェクトを配置できるように設計されています。通常はアンプ搭載のディストーションを使用しながら、ディレイ、リバーブ、モジュレーション系のエフェクトをかけるときに使用します。
リターン端子はパワーアンプに直接接続されるので、選択したプリアンプペダルを使用して、ギターをペダルの入力に接続し、ペダルの出力をエフェクトループリターンに接続します。これでアンプの特性をパスしてペダルプリアンプの特性をパワーアンプで増幅、再生することができます。
これは一般的なアンプシミュレーターをアンプで鳴らしたいときにもよく使用されるテクニックです。
まとめ
プリアンプペダルを使用することでギターアンプのプリセクションの質感を手軽に持ち運ぶことができ、キャビネットシミュレーターを使用することでより柔軟に対応することができます。
プリアンプペダルのリターン挿しはレコーディングのような環境でもよく使用されるので、ペダル特性をそのまま増幅したい場合に使ってみましょう。
以上、「ギターサウンドを強化する。ペダル型プリアンプを試してみよう!」でした。