
スマホだけでOK!初心者でも簡単「歌ってみた」動画の作り方【5ステップ】
「歌ってみた」動画を作ってみたいけれど、パソコンや専門機材がない、難しい編集は苦手…そんな風に思っていませんか?
少し前まで、音楽制作やミックス作業には専門的な知識が必要でしたが、今はスマートフォンのアプリが進化してくたこともあり、誰でも手軽に音楽制作を楽しめるようになりました。
この記事では、「まずは気軽に挑戦してみたい」「複雑な作業はせず、サクッと動画を作りたい」という初心者の方に向けて、お手持ちのスマホだけで「歌ってみた」動画を簡単に作るための5つのステップを、わかりやすく解説します。
ステップ1: カラオケ音源(伴奏)を用意する

自分の歌声を乗せるためには、歌が入っていない「カラオケ音源(伴奏やオフボーカル音源とも呼ばれます)」が必要です。入手方法はいくつかあります。
- 公式に配布されている音源を利用する:
アーティストや楽曲制作者が、YouTubeチャンネルや公式サイト、ニコニコモンズなどで「歌ってみた」用にカラオケ音源を配布している場合があります。利用規約を確認の上、使いましょう。これが最も権利的に安全で、音質も良いことが多いです。 - AIボーカルリムーバーを使う:
既存の楽曲からボーカルだけをAI技術で除去する「ボーカルリムーバー」というサービスやアプリがあります。手軽に伴奏音源を作成できますが、完全にボーカルを消せない、音質が劣化する場合がある、などのデメリットも。また、元の楽曲の権利者から許諾されていない音源をアップロードすることは著作権侵害にあたる可能性があるので注意が必要です。
【重要】著作権について
「歌ってみた」動画を公開する際は、楽曲の著作権と原盤権(音源そのものの権利)に配慮が必要です。JASRAC等の管理団体に使用料を支払う必要があるか、利用するプラットフォーム(YouTubeなど)のルールを確認しましょう。公式配布の音源以外を使用する場合は特に注意が必要です。
ステップ2: スマホ用の音楽制作アプリ(DAWアプリ)を準備する

パソコンでの本格的な音楽制作にはDAW(Digital Audio Workstation)ソフトが必要ですが、スマホアプリでも「歌ってみた」に必要な録音や簡単なミックスは十分可能です。
- iPhone/iPadユーザーの場合:
最初から「GarageBand」という高機能な無料アプリが入っていることが多いです。この記事でもGarageBandを例に解説します。 - Androidユーザーや他の選択肢:
「BandLab」は無料で使え、iOS/Android両対応で人気があります。他にも無料・有料含め様々なアプリがあります。こちらの記事なども参考に、自分に合ったものを探してみてください。
基本的な操作の流れはどのアプリも似ていますので、まずは無料アプリから試してみるのがおすすめです。
ステップ3: アプリで歌を録音する
ここでは「GarageBand」を例に、録音手順を解説します。
1. 新規プロジェクト作成と音源の準備
GarageBandを開き、新規プロジェクトを作成。「AUDIO RECORDER」のマイクアイコンを選択します。

2. カラオケ音源のインポート
次に、用意したカラオケ音源をアプリに取り込みます。画面右上のループアイコン(またはトラック表示アイコン→ループアイコン)をタップ。

「ファイル」タブを選び、「“ファイル”Appから項目をブラウズ」を選択して、ダウンロードしたカラオケ音源ファイルを選びます。

ファイルを長押し(またはドラッグ&ドロップ)して、トラックリストに配置します。

3. 録音の開始
これで歌を入れる準備が整いました。イヤホン(またはヘッドホン)をスマホに接続し、自分の声が入るマイクのトラックが選択されていることを確認します。画面上部の赤い録音ボタン (●) を押すとカウント後に録音が始まるので、カラオケ音源に合わせて歌いましょう。

【録音のコツ】
- 静かな環境で録音する: 生活音や反響音が少ない部屋を選びましょう。クローゼットの中なども意外と効果的です。
- イヤホンを使う: スマホ本体のスピーカーから音を出すと、その音がマイクに入ってしまいます(ハウリング)。必ずイヤホンやヘッドホンを使用しましょう。
- マイクの位置: スマホ内蔵マイクを使う場合、口に近づけすぎると音が割れたり、息のノイズ(吹かれ)が入りやすくなります。少し離して、適切な音量で録れる位置を探しましょう。マイク付きイヤホンを使うのも手軽でおすすめです。
- 何度か録り直す: 一回で完璧に歌うのは難しいもの。納得いくまで何度か録り直しましょう。
もちろん、より高音質を目指すならコンデンサーマイクやオーディオインターフェースを使うのが理想ですが、まずはスマホだけでも十分に楽しめます。
ステップ4: 簡単ミックス!音量バランスを調整する
歌の録音が終わったら、録音した自分の声(ボーカルトラック)とカラオケ音源(オケトラック)の音量バランスを調整します。これが簡単な「ミックス」作業です。

GarageBandでは、ミキサーアイコン(スライダーが並んだようなアイコン)をタップすると、各トラックの音量フェーダーが表示されます。
元の楽曲を参考にしながら、ボーカルがオケに埋もれず、かといって浮きすぎないように、両方のフェーダーを上下に動かして調整しましょう。
【さらに一手間】
多くのDAWアプリには、音質を調整する機能が付いています。
- リバーブ(Reverb): カラオケのエコーのような効果で、歌声に残響を加えて馴染ませることができます。かけすぎると不自然になるので、控えめに試してみましょう。
- EQ(イコライザー): 特定の周波数帯域(高音・中音・低音など)を強調したり抑えたりして、音質を調整します。最初は難しいかもしれませんが、「ボーカル用」などのプリセットがあれば試してみるのも良いでしょう。
- コンプレッサー: 音量のばらつきを抑えて、聴きやすくするエフェクトです。これもプリセットから試すのが簡単です。
ただし、エフェクトの使いすぎは逆効果になることも。まずは音量バランスをしっかり取ることを目標にしましょう。
→【簡単MIX】歌ってみた動画を自分でミックスする方法の記事も参考にしてみてください。
ステップ5: 完成した音声を書き出す(エクスポート)
ミックスが終わったら、完成した音声を一つのファイルとして書き出します。
GarageBandの場合:
- 左上の下矢印(▼)をタップし、「My Songs」を選択してプロジェクト一覧画面に戻ります。
- 書き出したいプロジェクトのファイルを長押しします。
- メニューが表示されるので「共有」をタップします。

- 共有オプションが表示されたら、「曲」を選択します。
- 音質を選択します。通常は「非圧縮 (WAV)」や「最高音質」などがおすすめです。ファイルサイズが大きくなりますが、後で動画編集する際に音質劣化を抑えられます。容量を節約したい場合はMP3などの圧縮形式を選びます。
- 共有先(保存先)を選択します。「ファイルに保存」を選んでスマホ内に保存したり、他のアプリに直接送ったりできます。

これで、「歌ってみた」の音声部分が完成しました!
【次のステップ】動画を作成して公開しよう!
完成した音声を使って、いよいよ動画を作成します。これもスマホアプリで手軽に行えます。
- 動画編集アプリを使う:
「CapCut」や「VLLO」など、無料で高機能なスマホ用動画編集アプリがたくさんあります。これらのアプリで、先ほど書き出した音声ファイルと、好きな画像や動画(自分で撮影した風景、歌詞を表示させた静止画、レコーディング風景など)を組み合わせます。 - 簡単な編集:
音声に合わせて映像を配置し、必要であればテキスト(歌詞やタイトルなど)を追加します。カット編集やトランジション(場面切り替え効果)なども簡単に行えます。 - 公開:
完成した動画をYouTube、TikTok、Instagramなどのプラットフォームにアップロードします。公開前には、再度著作権に関するルール(特にカラオケ音源や原曲の利用について)を各プラットフォームのガイドラインで確認しましょう。
まとめ
今回は、スマホだけで「歌ってみた」動画を簡単に作るための5つのステップをご紹介しました。
- カラオケ音源を用意する(公式音源 or ボーカルリムーバー)
- スマホ用の音楽制作アプリを使う(GarageBand, BandLabなど)
- 歌を録音する(静かな場所でイヤホン使用)
- 音量バランスをとる(ボーカルとオケを調整)
- データを書き出す(高音質推奨)
これらのステップを踏めば、専門的な機材や知識がなくても、あなたの歌声を活かした動画コンテンツを手軽に作成できます。
もちろん、音質やクオリティを追求していくなら、パソコンやDAWソフト、マイクなどの機材を揃えていくのが理想です。しかし、まずは「やってみたい」という気持ちを大切に、スマホで気軽に「歌ってみた」の世界に飛び込んでみませんか?
以上、スマホだけでOK!初心者でも簡単「歌ってみた」動画の作り方【5ステップ】でした。
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