
ラップソングを作る為の5つのステップ
ラップソングの制作は音程感が薄いので簡単なイメージがありますが、実際にはリリック制作や歌いまわし等に多くの時間と労力を必要とする大変な作業です。
一般的な歌メロよりも韻とリズムに気を配る必要があり、キャッチーでありながらも日常を反映したリアリティ溢れる歌詞が共感を呼びます。
もちろんラップ以外にもビートの選択やボーカルミックスといった技術的なことも含まれるので、個人ですべてをクリアするのはある程度の音楽的知識も必要となります。
今回はそんなラップソングの作り方についてお話します。
1. 歌詞を書く

歌詞を書くことはラップソング制作において最も重要なパートです。
ビートを繰り返し聴きながら、自由に口ずさんでみたり、スタジオを借りてフリースタイルで大声で出したりしてみて、なるべくクリエイティブなやり方を模索しましょう。
ドンと腰を据えてノートとペンを用意して書き溜めるよりも、よりストレートで人の感情を揺さぶる歌詞が生まれやすいです。
少しずつ形になってきたところで、頭に浮かんだイメージをメモしたりスマホで録音しておいて、自宅に帰ってから、さらに洗礼された歌詞を作成します。
→【ラップ用語】海外で使われているスラングワード
フックから書き始める
人によって作り方は様々ですが、なるべく曲のメインテーマとなるキャッチーでユニークなフックを先に決めてしまったほうが作りやすいです。
あまり長くならないように、パンチラインとなる単語や印象的なメロディーフレーズを決めて、何回か繰り返すことでリスナーの頭に残ります。
→【HIPHOP】フックパートの作り方。印象に残る楽曲に仕上げる
2. ビートを選ぶ

歌詞やメロディーを書き込む前に、トラックを用意して完成イメージを膨らませます。
すでに完成されたビートを先に決めておくことで、ビートの雰囲気に合わせて楽曲のテーマが絞られるので、ゼロからボーカルパートを作るのが難しい場合にもおすすめです。
→ヒップホップトラックの入手方法について【ラップ向け】
韻を踏む為にビートのリズムと、音楽と言葉数が完璧に一致するように楽曲を仕上げましょう。
ビートの入手方法としてはネット上からフリートラックを見つけてきたり、本格的に活動する場合はビートリースを利用したり、プロデューサーに直接連絡して作成依頼しましょう。
※当サイトでもビート制作を受け付けておりますので、詳しくは制作依頼をご覧ください。
3. 構成を決める

完成したビートが手に入ったら、構成を考えます。
イントロ、ヴァース、フック、コーラス、ブリッジ、アウトロといったセクションに小節ごとに分けて、メロディーや歌詞に統一感を持たせます。
大体ワンセクション8~16小節ほどの長さで構成されていることが多く、特に海外ヒップホップだとシンプルにイントロ→ヴァース→フックをループさせるパターンが多くみられます。
4. 実際に歌ってみる

曲が形になったところで、実際に歌詞を暗記してビートに合わせてラップしてみてください。
実際に歌ってみると語呂が悪かったり、息継ぎポイントが少なすぎた、といったような制作の段階では気付けなかったことが見えてきます。
ラップが上手い人ほど何回も歌い込んで修正を重ねています。
実際にラップを確認するときには、スマホやDAWを使って録音して客観的に自分のラップを聴く習慣をつけると良いです。
5. ミックスする

最後はビートトラックとボーカルトラックを上手く馴染ませる為のミックス作業です。
少し専門的な知識も必要になってくるので難しい部分でもありますが、ミックスされた音源とそのままラップを乗せただけの音源ではクオリティにかなりの差が生まれます。
YouTubeで活動されているラッパーの方を見ているとフリートラックにそのままラップを乗せただけの音源も多いので、ボーカルミックスを施すだけでもワンランク上のラップトラックが入手できます。
→ラップボーカルのミキシングに関する3つヒント【DTM】
まとめ
ラップソングを作る為の5つのステップについてお話しました。
- 歌詞を書く
- ビートを選ぶ
- 構成を決める
- 実際に歌ってみる
- ミックスする
もちろんアーティストによって制作方法は異なりますが、早い段階で自分のやりやすい作り方を見つけて、制作にかかる時間と労力を削減することもアーティスト活動においては重要です。
完璧を求めるのもいいですが、納得いかなかったとしても音源が出来上がったらYouTubeやSoundCloudにどんどんアップしていきましょう。
以上、「ラップソングを作る為の5つのステップ」でした。