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DTM

ミックス&マスタリングでやりがちな6つの間違い

2020年1月22日

ミックスマスタリング


ミックス&マスタリングでやりがちな6つの間違い


DTMで作業するにあたって、音楽ジャンルごとに色々とミキシングセオリーやトレンドが存在していたり、様々な音質向上の為のテクニックがネット上で紹介されています。

とはいえ自分のトラックにはどれが適していて、どれが間違っているのかを把握するのはなかなか難しいです。


DTM界隈では「トライ&エラー」という言葉がよく使われ、思いついたアイデアはとりあえずやってみて、ダメだったらまたやり直すということが繰り返されてきました。

その中から今回はDTM初心者の方に向けて、基本的なミックス&マスタリング作業中にやってしまいがちな6つの間違いについて紹介します。


エフェクトに頼る

エフェクトに頼る


エフェクトを使って音を良くしようとしないことです。

これはミックスにおける基礎で、元の音が良くないと、いくらエフェクトプラグインを使って加工したところで「根本的な音質向上」は見込めません。

例えばシンセサイザーの音がいまいち納得いかず、エフェクトプラグインを追加して修正しようとしているのなら、シンセサイザーの音作りからやり直すべきです。


基本的にミックスは音を良くする作業ではなく音を整える作業です。


元の音が十分良ければ、必ずしも各トラックすべてにEQ、コンプ等をかける必要はないのです。


低音が飽和状態


各楽器の不必要な低音をカットすることは非常に重要で、この作業を怠るとミックス全体を濁らせ「泥ミックス」の原因にもなります。

音がこもっているとか、音の抜けが悪いと思ったら高音をブーストするのではなく低音をカットすることで理想のミックスに近づけることができます。


あと、ディレイやリバーブ等の空間系の低音もしっかりカットしないとモコモコの原因となります。

ほとんどの空間系にはローカットが付いています。



音圧を上げ過ぎている


ラウドネス戦争は終わりました。

ラウドネス・ウォー(ラウドネス戦争、音圧戦争や音圧競争とも)とは、録音音楽における近年の音量レベルの増加に伴って、音質やリスナーの楽しみを損なうと批判されている傾向を指す。音量を上げることは、1940年代初めに7インチシングルのマスタリングの実践で最初に報告された[1]。これらのアナログ録音の最大ピークレベルは、音源から聴取者までの間において(コンパクトディスク(CD)やコンパクトカセットなど)電子機器のさまざまな仕様に制限されていた。1990年代にはさらに大きな音量を生み出すことができるデジタル信号処理が導入され、注目を集めた。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


人は大きい音ほど「良い音」と認識します。
実際はリミッティングのかけ過ぎでミックスが破綻していても、音圧を上げることで簡単に迫力のあるカッコいいサウンドと思わせることができます。


その為、市販音源の音量を限界ギリギリまで上げるためにダイナミクスを犠牲にしてリミッターやマキシマイザーを使用し、パツパツになるまでブーストされた「海苔波形音源」が出回っていました。

海苔波形と呼ばれています。

※現在はラウドネス冷戦ともいえる状態で、表向きは音圧上げ合戦が終わったようにみえますが、ジャンルによってはまだまだ音圧の高い音源は出回っています。


勘違いしてはいけないのが、音量を限界まで上げることでダイナミクスのない平坦な音源になり、クリップノイズやミックスのバランスは崩れ、実際は良い音ではないのに音量が大きいだけで良い音だと勘違いしてしまっていることです。


YouTubeやSpotify等のストリーム配信では「ラウドネスノーマライゼーション」が働くので、どんなに音量を上げても一定の音量まで下がるように自動的に最適化されます。

ある程度のリミッティングは効果的ですが、現在のトレンド的にもしっかりとダイナミクスを残した抑揚のある音源が人気です。


すべての楽器をワイドに広げている


ステレオ幅を広く使うことは良いことなのですが、すべての楽器をワイドに広げてしまっているパターンです。

原則として低音は中央に、高音に向かうにつれ左右に広げる逆三角の形が一番良いミックスとされています。

例えばキックとサブベースをセンターに置き、ミッドベース、シンセサイザーの高域部分や金物を大きく広げるといった具合です。


周波数帯域の「上下」の動きだけでなく、パンニングを利用した「左右」の動きでもマスキングを避けることで、より空間を立体的に使用することができます。


耳だけで長時間作業する


ミックスの確認で耳を使って判断することは重要なのですが、人間の耳は長時間同じ音を聴き続けているとリミッターがかかり、音の感知力が平均化される性質があります。


いわゆる「慣れ」です。


クラブやライブハウスに行ったことある方なら経験したことがあると思いますが、会場に入場した直後は高音が耳に刺さり、低音による圧迫感を感じ、かなりの爆音に聴こえますが、10分もその空間にいると耳が慣れてしまいます。

これと同じことがミキシング作業中にも起こるので、耳だけを使ってバランスをとるとだんだんと偏りが出てきてしまうので、作業が長時間に及ぶと思ったら「スペクトラムアナライザー」を使って目でもしっかり確認しながら作業を行いましょう。

スペクトラムアナライザー


※とあるプロデューサーは、人間の耳をあまり信用しておらず、ほぼすべての作業をスペクトラムアナライザーを使用して行っているという猛者も存在します。



モニター環境が1つだけ


スピーカー、ヘッドホン等ミキシング作業中のモニターに使用している機器は様々だと思いますが、高価な製品を使用していたとしても、基本的に1つのモニター機材だけで判断することは良くないとされています。


スピーカー、ヘッドホン、安価なイヤホン、スマホスピーカー等色々なデバイスでサウンドチェックをすることでより良いミックスが可能になります。



とはいえ、すべてのデバイスに合わせて最適なミックスは不可能なので、最近だとリスナーのリスニング環境に合わせて、Air Podsやスマホスピーカーでサウンドチェックするエンジニアもいます。


時代のニーズやリスニング環境に合わせて、どのような状態でリスナーに聴いてもらいたかを明確にしてミキシング作業を行うことが重要です。



以上、ミックス&マスタリングでやりがちな6つの間違いでした。


バッキングギター 5つのミキシングテクニック

ステレオ音像を大きく広げる為のミキシングテクニック。

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