ラジオ配信の音声クオリティを上げる5つのヒント
誰でも自分のラジオ局を持てるようになり、各種ラジオ配信プラットフォームを利用して個人で配信する人も多くなりました。
スマホ一台でも声を収音することは可能ですが、ラジオDJのような心地よい高品質な話声を手に入れる為には音声編集による加工は必須です。
最近の音声編集ソフトの進化もあり、高価なマイクや機材を使用しなくても高品質のオーディオを取得することが可能になり、コストをかけずにトップクリエイターのような音声を入手できるようになりました。
今回はラジオ配信の音声クオリティを上げる5つのヒントについてご紹介します。
1. 録音環境を整える
音声配信をスタートする前に録音の環境を見直してみましょう。
細かく言えばマイクとの距離や部屋の構造等、気を付ける部分は多くありますが、簡単に見直せるポイントとしては「環境音」があります。
息、外の音、PCのファン、エアコン、扇風機等、不要なノイズ音声が混じってしまうと後述する音声編集の段階で非常に不利になってしまいます。
まずは声以外の不要な音がマイクに入り込まないように工夫することが、音声品質向上においては重要になってきます。
2. マイクセット
言葉を話すときの破裂音や歯擦音(ぱぴぷぺぽ、さしすせそ)はノイズや部分的に入力信号が上がってしまう原因になります。
このようなトーク上のノイズを排除する為の最良のツールとしてマイクヘッドに被せるスポンジやポップガードがありますが、こもった感じの声質になったり解像度が下がる場合があります。
もう一つの解決方法としてマイクに向かって斜めに話すことで、口からの空気が直接マイクが拾うことは無くなります。
角度をずらす方法もマイクの持つ指向性によっては音質が極端に低下することもあるので、どちらかの方法、または両方を組み合わせてみて最適なサウンドを探してみてください。
3. 入力レベルを調節する
音声収録するときはDAW、オーディオインターフェイス、レコーダー、またはUSBマイクを使用して、それぞれでマイクの入力レベルを設定できます。
デジタル環境が登場してからは入力レベルを出来る限り大きく設定することのメリットは少なくなりましたが、小さすぎると音声を大きくする段階でノイズも一緒に持ち上がるので望ましくありません。
※詳しくは【音声配信者向け】コンテンツの音質向上テクニックをご覧ください。
通常の話声と大きな笑い声の時のレベルをテストしてみて、なるべく-6dBぐらいで収まるようにして最大音量時でも0dBのピークを超えないように設定するのがベストです。
4. ハイレゾで録音する
ラジオ配信であっても最低限24bit/48kHzのWAVまたはAIFFファイルで録音することをおすすめします。
サンプリングレートは実際には44.1 kHzであっても大きな問題はありませんが、様々な理由で48kHzが放送規格として使用されています。
MP3のような圧縮音声だと高周波の帯域が制限され、自然なエアー感を遮断することになり、エンコーディングによる圧縮の際の不自然さが際立ち、音声編集の際で不利になります。
ビットレートに関しては32ビット対応のインターフェイスの場合は、32ビット形式で録音しておくことでクリップノイズに対する保護を得ることができます。
5. ボーカル処理
話し声の場合であっても音楽編集で行う一般的なボーカル処理編集が有効です。
少し専門的な作業になりますが、EQ(イコライザー)、コンプレッション、ディエッサー、ノイズリダクションといったボーカルトラックに対して行う加工を施すことで、よりクリアで聴き取りやすい音声トラックが入手できます。
→詳しいやり方は音声編集のやり方【YouTube動画のクオリティアップ】をご覧ください。
簡単なところでいうとEQによるローカットフィルターで100Hz以下をカットするのと、ディエッサーでさしすせその歯擦音を除去するだけでも大きな効果を得られるので、是非試してみてください。
まとめ
ラジオ配信の音声クオリティを上げる5つのヒントについて解説しました。
- 録音環境を整える
- マイクセット
- 入力レベルを調節する
- ハイレゾで録音する
- ボーカル処理
今回は基本的な音声編集のことについての内容となっていますが、マイクや編集技術がどんなに優れていても、発声方法や自信を持って読むこと、コンテンツ内容を良くすることに勝るものではありません。
ボソボソと小声で話したり、ノイズが多くのった音声データはどれだけ編集を施しても限界があるので、まずはそもそもの「声」自体を良くすることも、ラジオ配信の音声クオリティを上げる為にも重要です。
以上、「ラジオ配信の音声クオリティを上げる5つのヒント」でした。