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DTM MUSIC TOPIC

サンプリングレートとは?正しい設定方法について【DTM】

2020年12月16日

サンプリングレートとは?正しい設定方法について

サンプルレートはDAWのようなデジタル環境を使って作曲をする場合に、必ず設定しなければいけない項目の一つです。

最終的なオーディオ品質に影響するので、サンプリングレートについて正しく理解し、適切な設定にしましょう。

サンプリングレートとは?

サンプリングレートとはアナログ信号からデジタル信号へ変換する際に、1秒間のサンプリング処理回数のことです。

サンプリングレートが高いほど、再生される音声の解像度が高くなります。ただし、サンプリングレートが高いと必要なデータ量も増えるため、ファイルサイズが大きくなる傾向があります。

例えば、標準的なサンプリングレートである「44.1kHz」の場合、毎秒44100回変換を行うということになります。

44.1kHzサンプリング


デジタルオーディオは、サウンドの録音、編集、ミキシング、マスターに使用するシステム全体のことを指し、DAW作業の為にマイク、オーディオインターフェイス、PC入力は、完全なデジタルに変換する必要があります。

その為、一般的なオーディオインターフェースのようなアナログ機器からDAW内に音声を取り込む為の機器には「ADコンバーター」が内蔵されており、周波数や振幅などの音声情報をコンピューターが保存、読み取ることができるデジタルデータへと変換します。

このときにアナログ情報はサンプルレートで決められた変換速度に従って、サンプリングと呼ばれる「スナップショット」作業によって定期的に変換されます。

アナログ波の複雑な音声データを耳で聴いて違和感のないレベルに正確にデジタル再現する為には、1秒あたり数千~数万のサンプルをキャプチャする必要があるということです。


サンプリングレートは高ければいいの?

テクノロジーの進化で現在は1秒あたり最大192,000サンプルまで到達して、人間の聴覚をはるかに超えた超音速周波数と詳細をキャプチャできます。

もちろんスナップショットの数が多くなるほど高品質ですが、ファイルサイズは大きくなるため、人間の可聴範囲や認識できる品質を大幅に上回る値は、実際にDAW制作する上ではそれほど重要ではありません。

非常に高いサンプルレートを使用することは、非常に精密なオーディオ操作を行う場合にのみ価値があります。

ただし、サンプリングレートが低すぎると、音声信号の特徴を捉えきれず、再生される音声に不自然な音が発生することがあります。そのため、サンプリングレートを適切に設定することで、音声信号を再生する際に必要な帯域幅を抑えつつ、自然で高品質な音声にすることができます。

サンプリングレートによる違い

  • 22.05kHz : 最小の値。データ容量は小さくなりますが、音のプロなら劣化がわかるレベル。
  • 44.1 kHz:CDに使用されるサンプリングレート品質で、今でも一般的に多く使用される値。数値的には小さいですが、それでもかなり高品質となります。ほとんどのオーディオ録音に十分対応できます。
  • 48 kHz:ビデオ用オーディオの標準値です。サンプルレートが増加すると、ファイルサイズも増加します。48 kHzでも、「通常の」オーディオとのトレードオフはそれだけの価値があります。
  • 88.2 kHz:CD品質のちょうど2倍のレートです。アナログ信号の忠実度を再現する場合に88.2を使用する価値があります。
  • 96 kHz:ハイレゾ。非常に大きなファイルサイズ、繊細なデジタル編集が可能になりますが、極端なタイムストレッチ編集と操作以外の目的で使用することはないです。
  • 192 kHz:  96 kHzのちょうど2倍で、最高の高さです。


サンプリングする周波数範囲にも影響

サンプリングレート


サンプリングレートは「kHz」の値で表されているように、デジタル変換する際の最高周波数(音の高さ)にも関係しています。

実際にサンプリングするときの1/2の周波数であるナイキスト周波数という定理が存在し、1/2よりも大きい数値で変換するとエイリアシングという現象が起きて、デジタル再生時の再現度が下がります。

例えば、サンプリング周波数が44.1kHzであれば、変換される最高周波数は約22kHzになり、人間の高音域の聴き取り能力は若い人でも18kHz辺りが限界なので44.1kHzでも十分であることが分かります。

最適なサンプリングレートはいくつ?

一般的なデジタル配信やYouTubeを使うのなら44.1kHz48kHzで十分といえます。

もしかしたら経験豊富なエンジニアであれば、サンプルレートの違いを聴き分けることができるかもしれませんが、一般的なリスナーや安価なリスニング機器では非常に困難であることは間違いありません。

とはいえ、デジタルオーディオ技術は年々良くなっており、音質の違いがどんどんわかりにくくなっている状態なので、可能な限り最高の品質レベルで録音したいのは間違いではありませんが、ハードドライブの容量を多く消費することになります。

仮に88.2 kHzのような高いレートで録音したとしても、最終的なマスターは44.1または48kHzにバウンスされる可能性もあるので、あまり現実的とはいえません。

最適なサンプリングレートを選択する方法

最適なサンプリングレートを選択する方法は以下の通りです。

何を録音するのかで決める

例えば、人間の声を録音する場合は、サンプリングレートが44.1kHz~48kHzの範囲内であれば十分です。一方、音楽を録音する場合は、より高いサンプリングレートが必要になることがあります。

録音デバイスの性能を考慮する

録音デバイスがサポートしているサンプリングレートの範囲内で、できるだけ高いサンプリングレートを選択するのが望ましいです。ただし、デバイスの性能を超えるサンプリングレートを選択しても、意味がないので注意が必要です。

保存するデータ量を考える

サンプリングレートが高いほど、保存するデータ量も大きくなります。ストレージ容量や通信帯域が限られている場合は、必要最低限のサンプリングレートを選択するのが良いでしょう。

    まとめ

    CDを制作することは少なくなってきましたが、デジタル配信主流の現在でも44.1kHzの設定値で問題ないといえるでしょう。

    最後に、現在のシステムとは異なるサンプルレートで録音されたオーディオファイルを再生すると、違和感がでる場合があります。

    たとえば、48のセッションで44.1オーディオを聴くと、音が速くなって高くなります。

    これは、システムが1秒間に44,100回よりも速くサンプルを読み取っているためで、ほんの少しだけ早送りされたテープレコーダーみたいになることがあるので注意してください。


    以上、「サンプリングレートとは?正しい設定方法について【DTM】」でした。


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