アコースティックギターをリアルに打ち込む方法【DTM】
無料のアコースティック音源「Ample Guitar M Ⅱ Lite」を使って、人が弾いているようなリアルな質感の打ち込み方法について解説していきます。
→アコースティックギターを上手にミックスする為の5つのヒント
1. ピアノロールの打ち込み
ピアノロールの打ち込みは実際のギターのオープンコードのようなボイシングにしてノートを打っていきます。
人の演奏感に近づけるのにはベロシティとストラミングの設定が重要なので、そちらの方を詳しく解説していきます。
ベロシティの設定
ベロシティは基本的には「Randomize」機能を使って設定します。
FL Studioの場合ピアノロール左上のスパナマークをクリックすると「Randomize」があるので、Ctrl+Aでノートを全選択した後にクリック。
するとピアノロール下部のベロシティエリアがある程度ランダムに設定されます。
この状態で小節頭を強くしたり、裏拍はやや弱くしたりと微調整を加えることで、打ち込み特有の機械っぽさが無くなります。
ストラミングの設定
続いてストラミングの設定を行います。
ストラミングとは直訳すると「かき鳴らす」という意味で、ギターの右手のストロークにあたります。
この機能を使うことでピックで弾いたような「ジャラーン」とした質感が加わります。
まず、先ほどと同じように左上のスパナマークをクリック。
その中にある「Strum」を選択。
表示されるパラメーターのTimeの「Strength」と「Tension」をほんの少しだけ右に回します。
これでグリッドに対してジャストだったのが、ほんの少しだけ後ろにずれてくれます。
拡大するとこんな感じ。
これでギターのストロークっぽい生の質感が手に入ります。
2. 楽器の配置
続いて楽器の配置についてです。
今回はボーカル無しのアコースティックギターだけなので
- メインアコースティック : L90
- メインアコースティック : R90
- サブアコースティック : L35
- サブアコースティック : R35
- メロディーライン : センター
- サブベース : センター
という風に配置しています。
バッキングギターを左右に2本振るというテクニックは一般的で、よく使われています。
注意する点として何もせずにそのまま左右に振ると、音が相殺し合ってセンターになってしまうので、必ず
・2テイク録音する
・片方を少しずらす
・ショートディレイで左右に振る
という処理が必要です。
今回は片方を少しずらすというやり方を使っています。
こうすることで左右に大きく広がったステレオ音像の広いサウンドになります。
パンニングの注意点として、LR100には振らないほうがいいです。
ヘッドホンやイヤホンで聴いた時に片耳モノラルサウンドになってしまうことで、違和感や長時間聴いていると疲れる原因にもなるので、パンニングはLR80~90ぐらいに設定するのをオススメします。
→ヘッドホンだけでミックスする場合の注意点【DTM】
続いて、メインと同じようにLR35の少し内側に低音をごっそりカットしたアコースティックギターをもう1本追加しています。
500Hz辺りからハイパスフィルターでバッサリカットしています。
そしてセンターにメロディと低音補強としてうっすら単音ギターとサブベースを追加します。
両方とも味付け程度に、聴こえるか聴こえないかぐらいで鳴らしているので、必要無ければ追加しなくても問題ないです。
もしサブベースをセンターに配置しない場合は、低音をカットしたサブギターを外側に、低音が含まれているメインのギターを内側に配置したほうが全体が綺麗に聴こえると思います。
3. エフェクト類
最後にインサートしたエフェクトを紹介します。
- EQ
- マルチコンプ
- サチュレーション
- リーバブ
この4つを使用しています。
EQを使って不要な低音をカットしたり、今回はボーカルがいないのでおいしい周波数帯域をブーストしています。
その後にコンプレッサーを使って音量のダイナミクスを整えるというよりかは、全体を"ならす"ように質感を整える為に使用しています。
エフェクトの詳しい使い方に関しては、YouTubeのほうで詳しく解説しているので、そちらをあわせてご覧ください。
まとめ
アコースティックギターの打ち込み方法について3つご紹介しました。
- ピアノロールの打ち込み
- 楽器の配置
- エフェクト類
無料のプラグインでもヒューマナイズ(人間っぽさ)を使った加工をすると、リアルな質感が手に入るので是非試してください。
以上、アコースティックギターをリアルに打ち込む方法【DTM】でした。