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DTM

ヘッドホンだけでミックスする場合の注意点【DTM】

2020年8月2日

モニターヘッドホン


ヘッドホンだけでミックスする場合の注意点【DTM】

↑ブログ内容の音声配信です。

モニター環境をひとつに絞ってミックスすることはあまり良くないと言われていますが、マンション住まいや深夜に作業を行っている場合には、どうしてもヘッドホンだけに頼ることになってしまいます。

熟練のエンジニアのように何曲もミックス作業をこなし、ヘッドホンだけでも最適な音のバランス感覚が身についているのならいいのですが、そうでない場合にヘッドホンだけでミックスを行うと意外な落とし穴があります。


そこで今回はヘッドホンだけでミックス作業を行う場合に気を付けるべきことについてお話していきます。


そもそも単一のモニター環境がダメな理由


ミックスの最終工程であるマスタリングと呼ばれる作業では色々なリスニング環境でもなるべく最善な音質を届けるために修正を施します。

あなたの音楽がスマホの小さいスピーカーや電車の中ではイヤホン、街中のラジオ、クラブ等、の様々な場所と環境で再生されるのでそれに合わせて調整するというわけです。

ヘッドホンのみでミックス作業を行うと、スマホで聴いたときに低音がスカスカだったり、大きなスピーカーで再生したときにステレオ感に違和感があったりと、不具合が生まれる可能性があります。



一番良いのはリスナーのリスニング環境を想定して、作曲家自身も様々なモニター環境で聴き比べるのがベストです。

モニター用ヘッドホン


ヘッドホンでミックス作業を行う際には、必ずモニター用のヘッドホンを使用しましょう。

一般的なリスニング用のヘッドホンよりも、低域から中域、高域に至るまでのフラットな周波数特性や高い解像度を持ち、原音に忠実な音を鳴らせることができるヘッドホンです。

エンジニアやプロデューサー向けのプロユースヘッドホンとなっており、細部の音まで鮮明に聴き分けることが可能となっています。



小さい音もはっきり聴こえる

ヘッドホンサウンド


モニター用のヘッドホンは通常のリスニング機材と比べると非常に音の解像度が高いです

重なったコード楽器やハイハットの刻みも拡大したかのようにハッキリと認識できるようになります。

もちろんこのことはミキシングにおいては有利なのですが、異なるリスニング環境の最終的な楽器の音量バランスに影響を与えます。


例えばミックスの奥のほうに配置しているPAD系やハモり声のような装飾系の音が、ヘッドホンだと丁度いいバランスなのに、スマホのスピーカーで聴くとまったく聴こえていないということが起こりえます。

スマホ


スマホに限らず、一般的な再生機器は音楽が聴きやすいようにある程度音が混ざり合って出力されるよう調整されているので、音の分離感がなくなることでマスキングが発生します。


このことを解消するもっとも簡単な方法のひとつはEQを使って周波数ごとに分離させるということです。

ボリュームで音の前後を調節していると、環境の違いでマスキングが発生します。
EQで必要な帯域と不要な帯域をしっかりと分けることで、どの再生機器でも均等に再生されされやすくなります。

EQ(イコライザー)を使って不要な音をカットしよう


パンニングの違い


スピーカーから出た音というのは扇形に広がっていくので、極端にハードパンニング(L or Rに100)されたサウンドでも、壁に反射されたりして左右の音が混ざり合って耳に入ってきます。

スピーカーの音


しかし、ヘッドホンでは左耳には左チャンネルのみ、右耳には右チャンネルのみがダイレクトに入ってくるので、ハードパンニングされたサウンドは片方の耳からしか聴こえないので非常に不自然に聴こえてしまいます。

ヘッドホンの指向性


片方にハードパンニングされた、いわゆる片耳モノラルサウンドは長時間聴き続けると耳と脳が疲労します。


片耳モノラルサウンドの回避方法


アナログのライン録音されたサウンドは、一般的には比較的離れた2つのマイクまたは間隔を空けたマイクアレイで常にキャプチャされるため、ほとんど問題になりません。

追加のクローズアップマイクがソロパフォーマーに使用される場合でも、主にソロと伴奏のバランスを変更するために使用されるので、極端にパンされることはほとんどありません。

問題はエレクトロニックミュージックのようなジャンルで、複数のパンされたモノおよびステレオソースを使用する場合です。


最も簡単な回避方法としてはLRに100パンニングするのではなく、85~90ぐらいにするということです。

パンニング


スピーカーだとこの違いはあまり感じられませんが、ヘッドホンやイヤホンリスニングする場合には大きな効果を発揮します。

逆にいうとスピーカーのみでミックス作業を行っていると、このことには気づけず、イヤホンやヘッドホンリスナーに不快感を与えてしまう可能性があるということです。

なるべくスピーカー+ヘッドホンのように2種類以上のモニター環境で確認することをオススメします。


このように左右の音が混ざらないというのも、ヘッドホンミキシングにおけるデメリットでもあるので、たまにマスタートラックをモノラルにすることで位相やマスキングの確認をしながら作業しましょう。


低音再生能力

音波


ヘッドホンは色々なリスニング機器の中でも低音再生能力が非常に高い機材のひとつです。

特に密閉型のヘッドホンを使用している場合には、通常よりも低音がよく聴こえているというのを把握しておく必要があります。


特に最近の808ベースのような、かなり低い周波数帯域を扱うジャンルではヘッドホンを基準にミックスしてしまうと、一般的なリスニング機材で聴いたときにまったく迫力のないサウンドになってしまいがちです。

音が聴こえない


こういった場合によく使われる解決法として、倍音をブーストするというやり方があります。


歪み(オーバードライブ、ディストーション)が音楽に与える効果


サチュレーションのようなドライブエフェクトをかけて倍音を増幅することで、どの機器でも出力できる周波数帯域を強調することができます。

低音


かなり低いサブベースに歪みを加えることで、

低音


迫力のあるローエンドをキープしたまま、安価なスピーカーやイヤホンでも再生可能な周波数帯域を持ち上げることが可能です。


これはキックにもよく使われるテクニックで、低音楽器にパンチが欲しい場合にオススメなやり方です。


まとめ


ヘッドホンミキシングの注意点をいくつか取り上げましたが、もちろんヘッドホンによるメリットも多いので、「ヘッドホンでミキシングすることはあまり良くないんだ・・・」と誤解しないように。

冒頭にも言いましたが、重要なのは色々なモニター環境で確認するということです。

エンジニアの中にはあえて1000円ぐらいの安いスピーカーでモニターする方もいますし、自分がリスナーに求めるリスニング環境(部屋で聴いてもらいたいのか、クラブで爆音で流したいのか)に合わせてなるべく作り手側もそれと同じような環境でチェックするということです。


以上、ヘッドホンだけでミックスする場合の注意点【DTM】でした。


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