ビートルズから学ぶ7つのコードアレンジ術
ビートルズは1960年代から1970年にかけて活動したイギリスのロックバンドで、20世紀を代表する音楽グループとして愛され続けています。
ビートルズが生み出したコード進行やアレンジテクニックは、現在のポップミュージックにも大きな影響を与えており、 70年代のクラシックな印象を象徴するサウンドとして現在でも使われることがあります。
今回はジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンが使用したコードテクニックをいくつかご紹介します。
1. ボイスリーディングコード
最初のビートルズがよく使うコードテクニックは、コードの変化に応じてメロディーを連想させる「ボイスリーディング」と呼ばれるトリックが特徴的です。
最初のAコードから始まり、コードチェンジのたびに半音ずつ下降し、A7コードに到達するまでにA→G#→Gと変化します。そこからDmaj7のF#とDmのFノートに続きます。
2. 不協和音コード
このコードは理論的には不協和音の音構成になっていますが、最終的にまろやかなサウンドのAm9コードに向かうための緊張感のある流れを表現します。
I Want You(She's So Heavy)といった楽曲で聴くことができ、このE7b9シェイプのバリエーションを含む、いくつかのパターンをチェックすることができます。
3. クローズドボイシング
小指をルート音に配置するコードの押さえ方は、FabFourのリズムバッキングなどさまざまなところで聴くことができます。
クローズドボイシングを使うことで、一般的なバレーコードの押さえ方よりも音域の幅が狭くなるので、いつもとは少し違ったコードトーンになります。
4. ジミヘンコード
ジミ・ヘンドリックスコードとしても有名な「7#9コード」はビートルズの"Taxman"や"Step Inside Love"といったクラシックな楽曲でも使用されています。
A7とG7コードの一番下のルート音は親指を使って演奏すると簡単です。
5. マイナーボイスリーディング
1つ目のボイスリーディングテクニックのマイナーコードバージョンです。
このテクニックはビートルズ以外にも様々なアーティストによって使用されており、連続するマイナーコードに変化をつけたい場合に最適です。
6. モーダルインターチェンジ
モーダルインターチェンジ(借用和音)は文字通り違うキーからコードを借りてくるテクニックです。
DメジャーコードがDマイナーに変化していることで、驚きと緊張感のある流れを表現することができます。ほかにもAm→Dm→Em→Aのようなメジャーコードで終了するマイナーコード進行パターンもよく使われます。
7. クロマチックコード
クロマチックとは隣り合う音の音程関係がすべて半音で構成されるような音階のことで、斬新で緊張感の高いサウンドにすることができます。
上の例ではC#mの後に突然キーに含まれていないCメジャーコードが登場しています。
まとめ
ビートルズが使用するコードテクニックをいくつかご紹介しました。
ビートルズの音使いから学べることは非常に多くあり、不協和音であったりと本来は避けるべきサウンドも積極的に取り入れている印象を受けます。
当時はおそらく意外性と斬新さがあったはずですが、今ではそれが「ビートルズらしさ」のあるサウンドとなり、クラシックな心地よい雰囲気さえ感じます。
コードやおしゃれなコード進行に悩んでいる方は、是非参考にしてみてください。
以上「ビートルズから学ぶ7つのコードアレンジ術」でした。