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ボーカルレコーディングに欠かせない!ディエッサー処理術

ディエッサー処理

ボーカルレコーディングに欠かせない!ディエッサー処理術

ボーカルレコーディングにおいて、よりクリアで自然な歌声を実現するためには「ディエッサー処理」が欠かせません。

ボーカルトラックにディエッサー処理を施すことで、高音域において発生しやすい耳障りなシャリシャリとした「歯擦音」を低減し、自然な音に整えることができます。

しかし、ディエッサーの設定が適切でないと、ボーカルの品質が劣化してしまうこともあります。そこで今回は、レコーディングエンジニアが使用しているディエッサー処理術を紹介します。

ディエッサーとは?

ディエッサーとは

ディエッサーエフェクトの役割は、声の「さしすせそ」音によって発生する「シュー」というノイズを除去することです。

普段の日常的な会話では気にはなりませんが、マイク録音された歌声の場合、特に高音域において耳障りなノイズとなることがあります。

この為、デジタルオーディオの世界では、このような過剰な「歯擦音」を処理し、ボーカルの音をより滑らかで心地よくするためにディエッサー処理が施されます。

ディエッサープラグインの仕組み

現在の音楽制作において、歯擦音を抑えるために最もよく使用されるツールは、専用のディエッサープラグインです。

ディエッサーの画像
Renaissance DeEsser

ディエッサープラグインは、設定したスレッショルドの値を超えると、選択した量だけ周波数の振幅を減らします。

厳しい歯擦音の場合、4〜10 kHzの範囲で問題が発生する場合が多く、スレッショルドを超えたときに3dBほど減らすことで、歯擦音をピンポイントで低減することが可能です。

EQコンプレッサーと違い、飛び出した特定の周波数に反応して自動的にカットしてくれる為、ノイズが発生していないときの余計な減衰を回避することができます。

ディエッサーを単体で導入するのもいいですが、Pro-Q3のような高品質なダイナミックEQ、またはマルチバンドコンプレッサーを使用することでディエッサーと同じ効果を得ることができます。

Fabfilter pro Q3の画像
Pro-Q3


ディエッサーの基本的な使い方

ここからは、実際にディエッサーエフェクトを使って基本的な設定方法を解説します。

まず、ディエッサープラグインをボーカルトラックのエフェクトチェーンに追加します。

ディエッサー

続いて、実際にボーカルトラックを流しながら、さ行の歯擦音が発生する周波数帯域を確認し、どの程度歯擦音を抑えるかを決定します。

パラメーターの設定はプラグインごとに異なりますが、一般的な機能は以下の通りです。

  • Freq : 低減する帯域
  • Range : 低減する量
  • Thresh : 低減が始まるレベル値

スレッショルドの値を超えた信号(Thresh)のどの帯域(Freq)をどれくらいカットするのか(Range)を決定します。設定が適切でないと、必要以上にカットしてしまい、ボーカルの品質が劣化する可能性があるので注意が必要です。

ディエッサーの適切な設定値は、ボーカリストの声色や他のトラックの環境によって異なります。例えば、ロックのような激しめのジャンルでS音を抑えすぎると、ボーカルが埋もれてしまう可能性があるので、適度なディエッシングに留める必要があります。

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ディエッサーを使用する際のヒント

ディエッサーの画像


実際に現場で使用されるディエッサー処理は「歯擦音」に対してだけではありません。

特定の周波数が大きすぎる場合に圧縮するということが本来の機能なので、どの周波数で使用するかは自由です。

ほとんどのディエッサープラグインは2~10kHzの間の特定の範囲で設定が可能なので、ボーカルの場合、最も不快なノイズは通常4~7kHzですが、それよりも低い音で使用することもあります。

例えば歯擦音ではなく、2kHzの人の耳が最も敏感に反応する周波数帯の、飛び出した不快な音に作用させることで、より自然でバック演奏に馴染んだ声にするといったことも可能です。

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ボーカルキャラクターの制御

先述したように、ラップボーカルやロック系の勢いのあるキャラクターのボーカルトラックが必要な場合は、高音域に余裕を持たせることが重要なのですが、歯擦音が多く含まれていることがあります。

こういった場合には、EQを使って6~12kHz周辺の高音域をブーストし、その部分をディエッサーで処理することで、ボーカルに明瞭さを与えつつも、不要なノイズのみを減衰させることが可能になります。

まとめ

ディエッサーを使うことで、ボーカルに含まれるさ行の歯擦音を制御し、聴覚的に不快な音を軽減することができます。

これにより、ボーカルのサウンドをクリアでバランスの取れたものに仕上げることができます。ディエッサーは、ボーカルトラックに加えられるエフェクトの前に使用されることが多く、エフェクトの効果をより効果的に引き出すことができます。

ディエッサー処理を正しく行って、ボーカルトラックの音質を改善し、よりプロフェッショナルなサウンドを作成してみてください。

以上、「ボーカルレコーディングに欠かせない!ディエッサー処理術」でした。


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