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ドラム打ち込みでリアルな演奏感を出す6つのテクニック

ドラム打ち込み

ドラム打ち込みでリアルな演奏感を出す6つのテクニック

現代の音楽制作では、DTM(デスクトップミュージック)のようなデジタル環境で作業を行うことが一般的となっています。特にドラムは、録音環境のセットアップが大掛かりになることもあり「打ち込み」で制作されることがほとんどです。

とはいえ、ただリズムを打ち込んだ状態だと抑揚のない「機械的」なリズムトラックになってしまうので、音の質感や表現力、グルーブ感など、リスナーに本物の演奏感を提供するためには工夫が必要です。

そこで今回は、ドラム打ち込みでリアルな演奏感を出すためのいくつかの方法をご紹介します。

"打ち込みドラム"と"生ドラム"の違い

ドラム

まず、打ち込みのドラムと生ドラムの大きな違いは以下の通りです。

  • 打ち込みドラム
    正確性や緻密な制御に長けており、様々な音色や編集が可能ですが、演奏の表現力や生のエネルギーにはやや欠ける場合があります。
  • 生ドラム
    リアルな演奏感やグルーブを持ち、演奏者の表現力や即興性を生かすことができますが、音色や編集の自由度は限られます。

打ち込み制作を行う場合であっても、基本的なリズムの要素については実際に演奏される生ドラムと同じです。

4/4のバックビートであれば、キックドラムが1拍目と3拍目のビートを強調し、2拍目と4拍目のスネア、そしてグレイスノートやフィルで装飾されています。

【DTM】ドラムの打ち込みテクニック(初心者向けガイド)

もちろんこの他にも様々なリズムパターンがありますが、現代音楽の大部分はこのシンプルな構造で出来上がっており、違うビートであっても基本構造は似ているので、ドラムトラックのヒューマナイズをしようとしている人にとっては重要となる要素です。

いくつかのテクニックを使って、生ドラムの表現力を打ち込みで再現することができれば、楽曲に迫力やダイナミズムを与えることができます。

1. 実際のドラムキットをイメージする

実際にMIDIで打ち込む時には自分がドラマーになったつもりで打ち込んでみましょう。打ち込みならハイハットとシンバルとスネアを同時に打つことも可能ですが、リアルな演奏感を再現する場合、人間に不可能な演奏はしないようにすることが大切です

人間の手足は合わせて4本です。足は基本的にはキックを担当しているので、同時発声数は「キック+他2つ」に留めるようにして、手が3本以上ないとできないようなフレーズは避けるようにしましょう。

パンニングする場合も、実際にスローン(椅子)に座った状態をイメージして配置します。

ドラムパンニング

ハットを左、スネアをやや左、キックはセンター、タムとシンバルも画像のように配置してみましょう。こうすることでよりリアルなドラム音像を入手することができます。

もしくは、すべてを反転させたオーディエンス視点からの配置でもOKです。

2. ダイナミクスの再現

ドラム打ち込みにおいて、ダイナミクスの表現は非常に重要な要素です。ダイナミクスとは"音の強弱による抑揚"のことですが、リアルな演奏感を生み出すために欠かせません。

通常は、ベロシティと呼ばれるDAWパラメーターを使って、各音に対しての音の強弱を表現することで、生演奏のようなダイナミクスを演出することができます。

ベロシティ

人間による演奏の場合、同じような強さで叩いているつもりでも、必ず音の強弱が発生しています。それをデジタル上で再現することで、よりリアルな演奏に近づけることができます。

単一のサンプル音源を使っている場合、単純に音量感しか変化しないですが、プラグインソフトのバーチャルドラムキットを使えば、叩き方の強弱によって、サウンドの質感も変化するのでおすすめです。

3. グルーブの追加

リアルなドラム演奏のドラマーごとの個性やグルーブ感を再現するために、微妙なタイミングのズレやアクセントを追加してみましょう。

グリッドに揃った完璧なタイミングではなく、わずかなズレを意図的に加えることで、より人の演奏に近い自然なリズムトラックに仕上げることができます。編集は、ノートを手作業で微調整するか、タイミング編集機能を使用します。

また、リアルなドラム演奏には、アクセントや強調する部分が欠かせません。特にスネアドラムやハイハットなど、リズムの中で重要な役割を果たす楽器にアクセントを加えることで、グルーブ感を強調することができます。ベロシティで変化をつけたり、コンプレッサーやトランジェントシェイパーのようなダイナミクス系のプラグインを使って簡単に強調することができます。

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4. オーバーラップ編集

オーバーラップ

音と音が重なる部分のことを"オーバーラップ"といい、打ち込みドラムにおいて重要な要素であり、特にリアルな演奏感を作り出す上で、オーバーラップの繊細な調整は欠かせません。

連続して打楽器音が重なる部分。例えば、キックの連打、スネアドラムの連打、シンバルの連打などが典型的なオーバーラップの例ですが、現実では2発目を打ったときに1発目の音は残響音のみになりますが、デジタルだと実音が鳴ったまま残ってしまいます。

オーバーラップの設定は、ドラムパターンや楽曲の雰囲気に合わせて調整する必要があります。リズムの細かな変化や表現力を重視しながら、自然でリアルなオーバーラップを追求してみてください。

5. 空間系エフェクトの追加

リバーブのような空間エフェクトは、現実味を再現する為に欠かせないエフェクトの一つです。

リバーブやルームサウンドエフェクトを使って、特定空間の反響音を付与することで、ドラムが実際にその空間に存在しているかのような、生々しい演奏感を演出することができます。

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実際にはアコースティックドラムでドラマーが叩いてレコーディングする場合、一つの空間でマイクを使って収音していることが多い為、音の反響もほぼ同じになります。

キックはドライでパンチを効かせて、スネアはホールリバーブで壮大さを演出。といったことも効果的ではありますが、よりリアルを追求したい方はリバーブ専用トラックを作ってすべてのキットをルーティングさせるのが理想的です。


1つのリバーブを共有する方法は、一つ一つにリバーブを挿すよりもCPUの大幅な節約にもなるので、ドラムトラックに限らずよく行われるテクニックです。

まとめ

ドラム打ち込みでリアルな演奏感を出すためには、ダイナミクスの再現、グルーブの追加、ヒューマナイズ効果の活用、オーバーラップの調整、リバーブとルームサウンドの使用が重要です。

これらの要素を組み合わせることで、打ち込みドラムであっても、生ドラム演奏に匹敵するリアリティを実現することができるでしょう。

以上、「ドラム打ち込みでリアルな演奏感を出す6つの方法」でした。


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