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ギターのレコーディング時に注意すべき6つのこと

ギター レコーディング

ギターのレコーディング時に注意すべき6つのこと

ギターは、音楽制作において非常に使用率の高い楽器の1つです。レコーディングにおいてギターサウンドを最適化することの重要性は高く、エンジニアにとってはギターを高品質で録音できることは強みになります。

しかし、実際にギターレコーディングを行うときには、様々な要素に気を配る必要があります。ギターのチューニングを確実に行い、エフェクトや音量、トーンなどを調整して、曲のサウンドに適したギターのサウンドを作り出す必要があります。

今回は、ギターのレコーディング時に注意すべき5つのことについてお話していきます。

ギターレコーディングで一番大切なこと

ギターレコーディングで一番重要なことは、曲のサウンドに合わせた適切なギターサウンドを作り出すことです。曲のジャンルや雰囲気に応じて、エフェクトやトーン、音量感を調整することが必要です。

ただし、いくらサウンドが良くてもギタープレイ自体が不適切であれば、良いギターサウンドを得ることは難しくなります。どんなに高度なミキシングテクニックを使っても、優れたテクニックを持ったプレイヤーの音質には届きません。

そのため、レコーディングの環境を整えることにも十分注意を払う必要があります。ギタリストがしっかりと練習をすることはもちろんですが、例えば、音声入力やオーディオインターフェイスの設定、ノイズやエコーの除去など、レコーディングにおける様々な要素にも注意が必要です。

1. 精度の高いチューニング

レコーディングを行う前にギターのチューニングをしっかりと行いましょう。調子が合わないと、曲の全体的なサウンドが崩れてしまったり、テイクの録り直しになることもあります。

チューニングは基本中の基本ですが、レコーディング時には精度の高いチューニングが必要とされています。一部のスマホアプリや安価なチューナーは精度が低いことがあるので注意しましょう。

精度の高いストロボチューナーや、高音弦で音程の狂いが出ないようにオクターブチューニングもしっかり行うようにして、録音中は普段よりもこまめにチューニングすることをおすすめします。

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2. プレイ環境を整える

プレイ環境を整えることで、良質なギターサウンドを録音することができ、曲の全体的な音質向上につながります。ここでのプレイ環境とは、ギターを演奏する部屋やスタジオの環境を指します。

この環境が良くないと、ノイズやエコー、共鳴などが発生し、ギターサウンドが不自然になってしまいます。具体的には、以下のような内容です。

  1. 音の反射を抑える
    部屋にカーペットや布を敷くなど、音の反射を抑えることで、ノイズやエコーを軽減することができます。
  2. ギターアンプの位置を調整する
    ギターアンプを部屋の壁に寄せたり、角に置くなど、アンプの位置を調整することで、部屋の共鳴を避けることができます。
  3. 環境音に注意する
    周辺の騒音やエアコンの空調の音、PCの動作音など、余計な音がマイクに入らないように環境音に注意しましょう。

以上のようなことに注意して、プレイ環境を整えましょう。

ギタリストが演奏しやすい環境作り

ギタリストが最高の演奏をする為の環境を整えることも重要です。

例えば、椅子を弾きやすい高さに合わせ、可能ならば肘置きが上下するタイプや、取り外しできるものを選び、ギターのスペースを確保します。

マイクスタンドを使う場合は、なるべくブーム型の製品を使用し、マイクが垂れ落ちないようにしっかりと固定します。


演奏前には袖のボタンやネックレス、指輪等のアクセサリー関係もしっかりと取り外し、録音に関係のない音を拾わないように注意します。

3. マイク録音orライン録音

ギターの収音方法として、ギターアンプにマイクを立てて収音する方法と、ギター音を直接PCに取り込むライン録音の方法の2パターンがあります。

ギターレコーディングにおいて、マイク録音とライン録音はそれぞれメリットとデメリットがあります。以下にそれぞれの特徴を説明します。

マイク録音

メリット

  • ギターアンプの特性や周囲の空間音を録音することができるため、生々しい音が得られる。
  • ギターアンプの音色が反映されるため、より独特な音を録音することができる。
  • マイクの位置や角度を変えることで、様々な音質を試せる。

デメリット

  • 周囲の音を拾ってしまうことがあるため、録音前に周囲の音を抑える必要がある。
  • マイクの位置や角度によっては、ギターアンプの音とマッチしない音が録音されてしまうことがある。
  • 音質の調整がライン録音よりも難しい。
ライン録音

メリット

  • ギターアンプを使わずに録音ができるため、周囲の音を気にする必要がない。
  • ギターアンプの特性による歪みを取り除くことができるため、録音後の編集がしやすくなる。
  • 音がクリアで、エフェクトを後から加えたり調整しやすくなる。

デメリット

  • ギターアンプの音色を反映させることができないため、生々しい音が欲しい場合はマイク録音が向いている。
  • ギターアンプの特性による歪みを録音することができないため、生の音として録音することができない。

以上が、ライン録音とマイク録音のそれぞれのメリットとデメリットです。どちらが優れているかは、その場合によって異なるため、環境や録音したい音質に合わせて選択する必要があります。

必要であれば両方をミックスするという選択肢もあります。

アコースティックギターの4つの録音方法 | マイク&ピックアップの設置

4. マイクの種類

マイク

アコースティックギターをマイク録音する場合には、スモールダイヤフラム型のコンデンサーマイクがオススメです。コンデンサーマイクをおすすめする理由は主に2つです。

まず1つ目は、コンデンサーマイクが広い周波数帯域をカバーすることができる点です。アコースティックギターは、低音から高音まで幅広い周波数帯域で音が出ているので、コンデンサーマイクを使うことで、アコースティックギターの豊かな音色を捉えることができます。

マイクの種類とその効果について

2つ目の理由としては、コンデンサーマイクが繊細な音を捉えることができる点です。コンデンサーマイクは、ダイナミックマイクに比べて繊細な音を捉えることができます。アコースティックギターの音色には、細かい指の動きや弦の振動などの微妙なニュアンスが含まれているので、より繊細な音を捉えることができるコンデンサーマイクが適しています。

また、コンデンサーマイクは、指向性が設定できるものが多くあります。そのため、アコースティックギターの収音にあわせて、収音場所やマイクの向きを調整することで、より理想的な収音が可能です。


ダイナミックマイクでの収音もアリ

コンデンサーほど繊細な音ではないですが、ダイナミックマイクを使って収音することも多くあります。そもそもダイナミックの音が好きな場合や、スタジオやライブハウス等でShure「SM57」がよく使用されていることもあり「スタンダードな音」として好まれています。

アコースティックの収音以外にも使用用途が広く、マイクの耐久性やコスト面で優れているので、初心者の方の1台目としてもオススメです。

5. マイクポジション

ギターレコーディングにおけるマイクポジションは、音の質や立体感に大きな影響を与えます。マイクの特性を考慮しつつ最適なマイキングポジションを探しましょう。

シングルマイクの場合、最も一般的なのがネックとボディのつなぎ目周辺にマイクを置き、ピッキングポイントに向かってマイクを向けるポジションです。

ピッキングニュアンスを拾い、明るめのサウンドキャラクターが特徴です。


もう一つはプレイヤーの右手に近いブリッジ側に配置するポジションです。
煌びやかさを抑えて、ネック側よりも丸く甘いサウンドが特徴です。

マイクを2本配置する場合はこの2つのポジションをミックスするのがオススメです。

複数のマイクを使用することで、立体感や音の広がりを表現することもできます。例えば、ブリッジ付近にダイレクトマイクを配置し、サウンドホール付近にコンデンサーマイクを配置することで、低音と高音の両方を捉えた自然な音を表現することができます。

アコースティックギターの録音時に注意すべき5つのこと

6. カーディオイドの近接効果


カーディオイドとはマイクの種類とその効果についてで説明したように、マイクの持つ収音の指向性パターンのことです。

この心臓の形をしたカーディオイドパターンには「近接効果」と呼ばれるマイクが音源に近づくにつれて低音を増強させる特性を持っています。

カーディオイドタイプのコンデンサーマイクや「SM57」を使用する場合はマイクの距離にも十分注意を払う必要があります。

ピッキングニュアンスを含めたより繊細なサウンドを収音したい場合は、一般的にエアーマイクとして使用する「無指向性」のマイクをアコースティックギターに使用することで、近接効果を気にせずにギリギリまでマイクを近づけることができ、ギター本体とエアー感をすべて録音することができます。

もしも部屋鳴りが大きすぎて気になる場合は、マイクの後ろのスペースに吸音材を置くなどして対策をしましょう。

まとめ

ギターのレコーディング時に注意するべき6つのことについてお話しました。

  1. 精度の高いチューニング
  2. プレイ環境を整える
  3. マイク録音orライン録音
  4. マイクの種類
  5. マイクポジション
  6. カーディオイドの近接効果

最高の音質で録音された熟練のプレイヤーのアコースティックギター音源は、単体でもリスナーに感動を与えるほどのポテンシャルがあります。

まずはしっかりと最高の演奏テイクが録れるように練習を欠かさず、良いレコーディング環境作りに注力してみましょう。

以上、「ギターのレコーディング時に注意すべき6つのこと」でした。


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