グルーヴ感を劇的に向上させる!8つのベースライン打ち込みテクニック【DTM作曲】
DTMで作曲する上で、ベースラインは楽曲を支える重要な要素です。グルーヴィーなベースラインは、楽曲に躍動感と深みを与え、聴く人の心を掴みます。しかし、初心者にとっては、ベースラインの打ち込みは難しく感じるかもしれません。
特に、ドラムキックとベースラインの組み合わせは、楽曲を支える重要な要素の一つです。基礎的なベースラインを魅力的なグルーヴに変えるには、いくつかテクニックを考慮する必要があります。
そこで今回は、DTM初心者から中級者に向けて、ベースライン打ち込みの基礎知識から応用テクニックまでを詳しく解説します。
1. コードのルート音を探す
コード進行がすでに決まっている場合は、各コードのルート音を探して、コード進行に合わせてベースでその音を鳴らすようにしましょう。
この例では、4小節のEmコード、2小節のCmコード、2小節のAmコードを使用していますが、転回形コードが使用されていることがあるので注意が必要です。今回使用しているコードは第一転回形のマイナーコードなので、各コードのトップノートがコードのルート音になります。
2. キックに合わせる
ベースとキックドラムの関係は非常に重要です。ここでは、典型的な4つ打ちハウススタイルのパターンを例に説明します。
まず、キックドラムが踏まれるタイミングに合わせて各コードのルート音でベースを配置します。ダンスミュージックやエレクトロミュージックでの基礎となる4つ打ち(1小節に4発鳴らす)パターンで、様々な楽曲で使用されるベーススタイルです。
3. オフビートで鳴らす
キックとキックの間のオフビート時でベースが鳴るように全体を右にシフトすることで、古典的なトランス調のベースラインが得られます。
このようなリズムでは、上物としてFMシンセやPCMシンセのオルガンの音色が使われることが多いですが、わかりやすいようにベースラインだけを右に半拍シフトした形にしています。
4. ダウンビートで打ち込む
小節の頭で鳴るビートは「ダウンビート」と呼ばれ、ベースラインを打ち込む際は、まずダウンビートにベース音を置いて楽曲の土台を固めるのが基本です。
4分音符で刻む基本的な4つ打ちパターンに戻して、各小節の4拍目の音を休符にすることでスペースを作ります。最初の3つのキックドラムと同じタイミングでベースを鳴らし、4拍目を消すことでダウンビートがより強調され、グルーヴ感が生まれます。
5. さらにグルーヴ感を出す
4拍目を休符にしただけではグルーヴィーさに欠けるので、リズムに「シンコペーション」を加えてさらにグルーヴ感を強めてみましょう。※シンコペーションとは、強拍と弱拍の位置を元のビートからずらすことで、より躍動感のあるリズムを生み出すテクニックです。
今回は、2小節ごとに最初の2つの音符を少しだけ後ろにずらしてみます。1拍目と2拍目の頭ではなく、少し遅れて鳴らすようにします。3拍目の音符はそのままの位置に残します。
6. 音価を変える
音価とは、音の長さのことを表しています。音符の長さを変えることで、ベースラインの印象は大きく変化するので、さらにグルーヴ感を向上させるには、音符そのものだけでなく、音符と音符の間の演奏しない「空白」部分も重要となります。
今回は、全体的に音価を短くなるように変更して、2小節ごとの2拍目の音を伸ばすようにアレンジしています。こうすることで「点」でリズムを感じることができるようになり、グルーヴ感が向上します。
7. デッドノートを加える
サンプリングされたベース音源を使っている場合は、ベースギター特有の奏法として「デッドノート」があります。ミュートしながら弦を軽く叩きつけるように弾くことで、短いパーカッシブな音を出すテクニックです。
ゴーストノートと同じように、上手く取り入れることでベースラインに独特のリズミカルなニュアンスを加えることができます。もし使用している音源にデッドノート奏法が搭載されていない場合は、通常のノートを非常に短く、ベロシティを少なくして打ち込むことで、デッドノートの効果を再現できます。
8. フィルインフレーズを付ける
フィルインは「埋める」という意味合いがあり、一定のパターンを演奏した後に、パターンの最後や繋ぎ目に即興的な演奏を入れて変化をつける演奏技法です。曲のキーが分かっている場合は、そのスケールを参考にすることで、フィルインに最適な音を見つけることができます。
今回は、Eマイナースケールの音を使ってそれぞれのコード上でフィルインを作成しています。ほとんどの場合、Aメロの最初のコード、もしくは曲の一番最後のコードがその楽曲のキーを表していることが多いので、キーが分からない場合は参考にしてみてください。
まとめ
今回は、DTMでのベースライン打ち込みについて、グルーヴ感を向上させるための様々なテクニックを紹介しました。コードのルート音を探す、キックに合わせる、オフビートやダウンビートで打ち込む、シンコペーションや音価の変化を加える、デッドノートやフィルインフレーズを組み込むなど、これらのテクニックを組み合わせることで、基本的なベースラインがより魅力的でグルーヴィーなものへと進化します。
もちろん、ここで紹介したテクニックはほんの一部であり、色んなアレンジ方法を加えてグルーヴ感を向上させることができます。これらのテクニックを参考に、自分だけのオリジナルなベースラインを追求し、楽曲にさらなる深みと魅力を与えてみましょう。
以上、「グルーヴ感を劇的に向上させる!8つのベースライン打ち込みテクニック【DTM作曲】」でした。
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