Appleが「Dolby Atmos」形式で曲をミックスしたミュージシャンに奨励金を提供する予定
情報メディアのBloombergのによると、AppleはDolby Atmosテクノロジーを使用して楽曲をミックスするレコードレーベルやアーティストに奨励金を提供する予定だと報じられています。
立体音響のドルビーミキシングされた楽曲の配信を行ったクリエイターに対して、何かしらの優位性を付与する計画を立てているとされています。もし実際に実行されれば、今後レーベルやアーティストがDolby Atmosテクノロジーを採用した楽曲をリリースすることで、より多くのロイヤルティを得る可能性があります。
ドルビーアトモスミキシングとは?
ドルビーアトモスは、Dolby Laboratoriesが開発したサラウンドサウンド技術です。従来のサラウンドサウンドシステムにハイトチャンネルとオーバーヘッドチャンネルを追加することで、より没入感のあるリアルなオーディオ体験を実現するために設計されています。
最大64のスピーカーチャンネルを利用することで、左右以外の多方向からもサウンドを鳴らすことが可能で、対象を完全に音で包み込むことができます。音に動きや変化を加えることができるようになることで、音楽や映画の制作において新しい表現手法や没入感を追求することが可能となります。
空間オーディオの普及
空間オーディオは、2021年にApple Musicでデビューしました。この形式は、Dolby Atmosのテクノロジーによってサポートされており、ライブ会場にいるような臨場感あふれる音楽体験を提供し、高品質なサラウンドサウンドを再現することを目指しています。
現在、ドルビーアトモスはApple Music以外にも、Amazonのミュージックアプリでもサブスクリプションの一部としてサポートされていますが、Spotifyではこの形式のサポートは提供されていません。
実際のところ、一部の音楽プラットフォームはすでに立体音響に対応していますが、ドルビーアトモス形式で配信されている楽曲はまだまだ少ないように感じるので、今回の施策によってクリエイター側に立体音響を取り扱ってもらうような動きではないでしょうか。
ドルビーアトモス形式での配信
奨励金を得るにはストリーミングサービスにおいて、リスナー側が空間オーディオで楽曲を再生することが条件ではなく、楽曲がドルビーアトモス形式で利用可能であることが重要とのこと。
新しい方針が導入されれば、アーティストやレコードレーベルは、以前にリリースされた楽曲でもDolby Atmosでリミックスして提供されることが期待されています。また、Appleのオーディオ製品であるAirPodsやHomePodがすべてAtmos再生をサポートしていることを考えると、空間オーディオのトラックが増えることで、製品の販売促進にも繋がることでしょう。
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