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MUSIC TOPIC

Hiphop,Trapブームとオーディオ機器の進化

2019年10月27日

Hiphop,Trapブームとオーディオ機器の進化について

2019年現在も海外トップチャートはHiphopやTrap、いわゆるベースミュージック一色です。


何故ここまで世界では低音がフィーチャーされ始めたのか?
それにはオーディオ機器の進化が大きく関わっています。

海外のHiphop,Trapミュージックの特徴


まず初めに、Hiphop,Trapの特徴なのですが、
参考までに現在海外トップチャート1位のこちら。(2019年10月現在)

ここ最近チャートで見ない日はない「Travis Scott」


楽曲の特徴として

・BPM70~80のゆったりしたテンポ。
・メロディーのキャッチーさはほぼ皆無。
・基本的に2コードで進行で、濁ったハーモニー。



808と呼ばれるテールの長いキックに
ハイハットの刻みと乾いたスネアで永遠に踊れるビート。


いいですね。お酒を片手に永遠にノれるやつです。


こっち系の音楽は基本的には「踊る」ということに焦点を合わせて作られています。

日本に住んでいて日常的に「踊る」ということはなかなかないとは思うので、どういった音楽が踊れるか?というのは感覚的にわかりづらいかもしれません。

これはクラブやパーティが多い海外との文化の違いです。


先ほどの音源なのですが、スマホで聴いていて


「スカスカだし、なんかしょぼくね?」
「こんなんで踊れんの?」


って思った方もいるかもしれませんがそれは仕方ありません。



この楽曲の思わず体が動きだすような「ノリ」はスマホのスピーカーでは再生しきれない



超低音」に隠されているからです。


この「超低音」が再生できるリスニング環境が
今回のHiPhop,Trapブームに大きく関わってくるのです。


Apple EarPodsの発売



スマートスピーカー、 車のスピーカー 、Bluetooth、サラウンド技術等、
たくさんのオーディオ機器が進化してきました。

中でも大きなオーディオ機器の進化といえば、iphoneを購入すると付いてくる


EarPods


今でこそこの音質に驚くことはないとは思いますが、6〜7年前にiphone5sを入手して、おまけ程度に同封されていたこのイヤホンで音楽を聴いた時に、衝撃を受けたのを今でも覚えています。


「え?付属のイヤホンめっちゃ音良くない?」


低音に弱いイメージのあったインナーイヤー型のイヤホンですが、迫力ある低音に驚きました。
感覚ですが1〜2万円代のイヤホンに匹敵するほどのサウンドだったと思います。


更に、音質的な技術面の進化も素晴らしいですが、現在モバイル端末の普及率は人口の85%に及び、
日本ではそのうちの70%の人達がiphoneを所有しています。


つまり、これだけの人達が、この高品質なイヤホンを所持しているというのは、音楽業界やクリエイターにとっても喜ばしいことだと思います。


低音再生能力の向上

ここで少し音楽的な話になりますが「低音」というのは、人の耳にとっては少し特殊で、音量が同じでも音域が低くなるにつれてだんだんと聴こえにくくなってきます。

この現象は「等ラウドネス曲線」というグラフで表され



上の図は、人の耳で聴いて「同じ音量感」になるのに必要な音量をグラフ化したものです。

特に500Hz以下で、周波数または物理的音量が低くなるほど人の耳には聴こえにくくなるというのが分かるかと思います。


分かりやすい例でいうと、ライブハウスやクラブ、コンサート会場等の音量が大きい会場では、低音がズンズン体に響いてかなり迫力がありますよね?
あれは音響さんが低音を意図的に大きくしてる訳ではなく、「音量が大きいから低音がよく聴こえている」という状態です。


つまり、低音を綺麗に再生するにはある程度の物理的な音量が必要だということです。


通勤時のイヤホンや家庭で聴くレベルのボリューム感で、迫力のある低音を再現するにはそれなりの低音再生能力が必要とされます。


以前は2〜3万円ぐらい出さないと手に入らなかったオーディオ機器の低音再生能力も現在はかなり安価で入手することができます。


ベースの更に下、サブベース

おそらくミュージシャンの人達以外にはあまり馴染みのないと思われるこの「サブベース」。

低音再生能力の向上により、実は現代の音楽はこのサブベースというものが使われています。
冒頭で聴いた「Travis Scott」の楽曲にも使われています。

サブベースとはベースの更に下の音域のことで、耳で聴くというよりは「感じる」という方が正しいのかもしれません。


サブベースとは?現在のサブベースの使い方


周波数でいうと40Hz〜60Hzぐらいを担当するのですが、さすがにこの辺の音域になると、一昔前は再生するのが困難でしたが、現在はEarPodsをはじめとする、一般的なオーディオ機器の低音再生能力もかなり向上しているので、割と小さめのリスニング環境でも聴けるようになりました。



これはスペクトラムアナライザーと言って周波数を目で見れる機械なのですが、最近のTrap系の曲を見てみると、サブベースの音域が1番出ていることがわかります。


この一番「おいしい帯域」を聴けていないリスナーが多いことも事実だと思います。


みなさんも一度ベースの更に下を意識して聴いてみてください。ヴゥーーンと蠢く巨大な存在に気付けるはずです。


まとめ


作り手は常にリスナーのリスニング環境を考えて、ベストな状態で音楽を世に送り出す努力をしています。


以前は「聴こえない無駄な帯域」としてローエンドはカットされていましたが、現在はオーディオ機器の進化と、その普及によって一般化されてきました。

その結果、世界ではベースミュージックというものが主流になり、低音至上主義なる音楽がここまで浸透してきたのだと考えられます。


以上、Hiphop,Trapブームとオーディオ機器の進化についてでした。


【HipHop】ヒップホップアーティストおすすめ10選【2020年最新】

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