コンパクトエフェクターとマルチエフェクターどっちがいいの?それぞれの違いを徹底比較!
エレキギターを購入したら、次は"エフェクター"と呼ばれる音を変化させる機材の導入を検討することが多いかと思います。
エフェクターというと、大きくわけると「コンパクトエフェクター」と「マルチエフェクター」の2つのタイプがあり、どちらが良いのか?ということは度々ネット上でも議論されることがあります。
もちろんジャンルやギタリストのプレイスタイル、環境など、様々な要因を考慮して選ぶことが必要ですが、今回は、コンパクトエフェクターとマルチエフェクターの違いを解説し、プレイヤーのニーズに合った最適な選択について考察します。
コンパクトエフェクターの特徴
コンパクトエフェクターは、その名の通り非常に小型で持ち運びやすいサイズ感が特徴で、ギターとアンプの間に接続することで、サウンドを変化させるために使用します。
コンパクトエフェクターは基本的には1つのエフェクト効果に特化しており、特定の音響効果、例えばディストーションやディレイ、リバーブ等、さまざまな音響効果を付与することができます。
一つの音響効果でも、メーカーや製品ごとにキャラクターが違うこともあり、色々なコンパクトエフェクターを組み合わせることで、より繊細なサウンドメイクが可能になります。
マルチエフェクターの特徴
マルチエフェクターは、様々なアンプ、キャビネット、エフェクター、マイクなどがデジタルデータとして収録されているオールインワンのデバイスです。内蔵されているエフェクト、アンプ等の数は何百種類にも及びます。
マルチエフェクターと呼ばれていますが、現在はアンプシミュレート機能など、複数のツールが一つのデバイスに集約された「プロセッサー」として機能し、演奏スタイルや曲に合わせたエフェクトを素早く切り替えることができます。
コンパクトエフェクターに比べると価格が高くなりますが、単一のコンパクトエフェクターよりも多彩な音響効果を求める方に最適です。
コンパクトエフェクターとマルチエフェクター比較
特徴 | コンパクトエフェクター | マルチエフェクター |
---|---|---|
サイズとポータビリティ | 小型で持ち運びもラク | 大型でポータビリティが制限される |
エフェクト数 | 通常、1つのエフェクトに特化 | 複数のエフェクトを統合 |
操作性とシンプルさ | 操作がシンプルで直感的 | 複雑だが、多彩なエフェクトの操作が可能 |
エフェクトの切り替え | 個別ON/OFFか、繋ぎ変えが必要 | プリセットによる切り替えが便利 |
拡張性とアップグレード | 追加のエフェクトを購入 | アップデートでWebからダウンロード可能 |
コスト | 個別のエフェクトは安価 | 比較的高価な製品が多い |
音質の品質 | エフェクトごとに特化した音質 | デジタル特有のサウンド |
録音に向いているか | 基本マイクでの収音が必要 | DAWを使ったライン録音が得意 |
それぞれを実際に使用した感じ
実際に、筆者自身がコンパクトエフェクターとマルチエフェクターの両方を使用して感じたメリットやデメリットをお伝えします。
ギタリストとしての活動期の前半はコンパクトエフェクター主体に使っていましたが、その後Line 6 Helixに乗り換えてからはずっとマルチを使用しています。
それぞれの使ってみた感想としては以下の通りです。
コンパクトエフェクターのメリット
特定のエフェクトだけが欲しい場合には、比較的安価で入手できるのでコンパクトエフェクターがおすすめです。単一のエフェクトに焦点を当てて音作りしたい場合や、たくさんのエフェクトを必要としない場合にはコンパクトタイプが最適です。
それほど幅広いサウンドを求めていない場合には、荷物が少なくて済むという部分も大きなメリットの一つです。例えば歪みとリバーブはアンプのものを使って、追加でディレイだけが欲しいという場合は、ディレイエフェクトだけをケースに入れて持ち運ぶことができます。
とはいえ、サウンドバリエーションが増えて、5~6台のエフェクターが必要になった場合は、逆にマルチエフェクターよりも大規模なシステムになることもあります。
マルチエフェクターのメリット
マルチエフェクターのメリットはなんといってもサウンドの種類の多さと、自由度の高いカスタマイズ性だと思います。筆者はYouTube発信で色んな音色を使用するので、この点は非常に嬉しいかぎりです。
さらに、様々な出力方法に対応していることと、アンプシミュレーター機能が内蔵されていることで、どの現場に行っても「自分のサウンド」を持ち運ぶことが可能です。ギタリストとして現場の機材に左右されることなくいつでも最高の音質を鳴らすことができるのは大きなメリットの一つです。
ただ、実際にライブシーンでは1つのリードトーンしか使わないこともあり、ライブに関してだけいうと宝の持ち腐れ感は否めません…。あまり多くのサウンドを必要としない方にとってはオーバースペックかもしれません。
で、どっちがおすすめなの?
結論をいうと、エフェクトーの選択は個人の好みやニーズに依存する部分が大きいと思います。自分の演奏スタイルや使用環境を考慮することが重要です。このことを踏まえて、もしどちらかに絞るなら個人的には予算に余裕があるのならマルチエフェクターをおすすめします。
一昔前まではマルチ特有の「デジタル臭さ」みたいなのがありましたが、最近のモデリング技術の向上やデジタル環境が整ってきたこともあり、「本物」より洗練されたサウンドが簡単に手に入ります。
実際にライブハウスのアンプ、現場ごとに違う音響設備、マイキング、PAさんによる音響調節、これらすべてが常に満たされているという状況を作るのは中々難しいので、最高な状態でシミュレートされたデジタル環境で出力した方が、安定したサウンドを鳴らすことができるということです。
出したい音が決まっているとき
「あのギタリストの音が出したい!」とか「〇〇の歪みエフェクターの音が好き!」といったように明確に出したい音が決まっているときはコンパクトでも十分かと思います。
例えば、YouTubeで見たBOSSのブルースドライバーの音が気に入ったのなら、ブルースドライバーだけを購入すれば済むので、予算的にもかなり抑えることができます。
このように、特定の音にフォーカスして音作りしたいときや、バッキングとリードの2つあれば十分!といったシンプルな音作りを求めている方はコンパクトエフェクターが最適です。
DTMによる制作が主体の場合
最近では、DTMによる制作を主体としてエレキギターを使用する方も多いと思います。そういった場合は、DAW内でVSTプラグインとして起動できるシミュレーションソフトウェアが便利です。
代表的な製品としてはGTR3、AmpliTube、Bias FX2等があり、コンパクトやマルチエフェクターのようなハードウェアタイプとは違い、コンピューターの中でリアルなアンプやエフェクトペダルのサウンドを再現することができます。
アンプ、エフェクトシミュレーションソフトウェアは、比較的安価で入手可能で、コンピューターやモバイルデバイスで動作するため、場所を気にせずどこでも制作作業を行うことができます。
ソフトウェアタイプは、ネット配信主体の活動や、自宅での制作のみというギタリストの方に最適です。
まとめ
エレキギターの音をより良くするには、エフェクターの導入を検討する必要があります。
エフェクター選びにおいては、コンパクトエフェクターとマルチエフェクターの違いを理解することが重要で、コンパクトエフェクターは単一のエフェクトに特化し、シンプルな操作とポータビリティが魅力。一方、マルチエフェクターは多彩な音響効果と高度なカスタマイズ性を提供し、幅広い音楽スタイルに適しています。
個人の好みやプレイスタイル、予算によるところもありますが、デジタル性の高いマルチエフェクターはギタリストにとって幅広い柔軟性とトーンメイクを可能にします。最終的には、ギタリストごとのサウンドの追求に合わせて最適なエフェクターを選びことが大切です。
以上、「コンパクトエフェクターとマルチエフェクターどっちがいいの?それぞれの違いを徹底比較!」でした。
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