エレキギターの音作りに迷ったらコレ!ジャンルごとの最適なアンプつまみ設定
スタジオやライブハウスに設置されているアンプには「イコライザー」と呼ばれる音質調整の為の「つまみ」が備わっており、正しく設定することで自分好みの音質にできる便利な機能です。
ジャンルやスタイルに合わせて、より良い音質を求めて自分でカスタマイズしたいという方も多いとは思いますが、環境に合わせて正しくセッティングするには、ある程度の経験と知識が必要になってきます。
そこで今回は、簡単なギターアンプのつまみの使い方の説明と、ジャンルごとの最適なつまみ設定についてご紹介します。
アンプつまみの役割
ほとんどのアンプに標準的に搭載されているメインコントロールの役割は以下の通りです。※メーカーや機種によっては呼び名が異なったり、独自のつまみが搭載されていることもあります。
- Volume : 音量
- Gain : 歪み
- Bass : 低音
- Middle : 中音
- Treble : 高音
- Tone : 音質
- Resonance : 超低音
- Presence : 超高音
これらのパラメーターを調節しながら、自分の演奏スタイルにあった最適な音質に近づけていきましょう。※アンプの使い方について詳しく知りたい方はギターアンプの音作りと正しい使い方を合わせてご覧ください。
ここから、アンプのつまみに関してはスタジオやライブハウスで常設されていることが多いマーシャルアンプの音作りを基準にご紹介していきます。
音作りの基礎
クリーントーンの作り方
ギターアンプでクリアなクリーンなトーンを出したい場合は、次の手順を参考にしてみてください。
- アンプをクリーンチャンネルに設定します。
- ゲインコントロールを完全に下げます。一部のアンプは、ゲインが0の場合、ボリュームが完全に消えるように設計されているため、その場合は少しだけつまみをひねります。
- 次に、中音域、高音域、低音域(またはトーン)を12時の方向に調整します。もっと奥行きが必要な場合は低音を上げて、より鮮明でコードの分離感が欲しいと感じた場合は、高音域を増やしてください。他の楽器に埋もれていると感じる場合はボリュームよりもまずは中音域をブーストします。
- 軽くリバーブを追加します。
- 必要に応じて、ディレイやコーラスなどの他のエフェクトを試してみてください。
オーバドライブトーンの作り方
クランチ~オーバードライブくらいの程よい歪みのトーンは多くのロックバンドに最適な音作りです。素晴らしいオーバードライブトーンを得る為に次の方法を試してみてください。
- オーバードライブチャンネルを使用するか、もしくはクリーンチャンネルのゲインゲインブーストで十分な場合はそちらも試してみます。チャンネルの違いでトーンが大きく変わる為、両方を試してみて最適な方を選択します。
- ゲインコントロールで歪み量を調整します。オーバードライブチャンネルを使用している場合は、大体3前後のゲイン量から始めて、必要に応じてさらに追加していきます。
- 高音域、中音域、低音域を中程度に設定します。基本的にはクリーントーンを得るのと同じ手順で行いますが、より倍音が追加されているので、高音域の扱いには注意します。
- 軽くリバーブを追加します。
【迷ったらコレ!】オールフラット設定
BASS、MIDDLE、TREBLEをすべてフラットに設定することでアンプ本来のサウンドが出力されます。(右に最大回した状態がスタンダードな機種もあります。)
この状態からスタートして、環境に合わせてカット/ブーストして音質を整えていくと、音の間隔がつかみやすいのでおすすめです。
【迷ったらコレ!】ローカット設定
バンドのようなアンサンブルの中で演奏する場合は、低音の領域にはキックやベースといった楽器がいるのでローカットするだけでもスッキリとした印象のサウンドになります。
200Hz前後は色んな楽器がひしめき合う帯域なので、ギター単体で演奏するとき以外は注意が必要です。
【迷ったらコレ!】ドンシャリ設定
低音(ドン)と高音(シャリ)を強調した「ドンシャリ」設定はロックミュージックとの相性抜群です。
中音をカットすることで自然とボーカルとの音被りを防ぐ効果もあるので、バンドアンサンブルの中での伴奏パートを弾く場合はドンシャリが最適です。
【迷ったらコレ!】かまぼこ設定
ドンシャリとは反対に、低音と高音を削って中音をブーストした形がかまぼこに似ていることから、そのまま「かまぼこ」設定と呼ばれています。
この設定はリードやソロのようなギターパートを強調したい場合に最適です。
ジャンルごとの最適なセッティング
ここからはジャンルに合わせた、おすすめのつまみセッティングをいくつかご紹介します。
ポップのつまみ設定
ポップス系によく合うセッティングで、カッティング奏法との相性も良いです。
低音はベースにまかせてしまって、ボーカルに合わせて中音をややカット気味に、ギターのおいしい高音帯域を強調します。
ロックのつまみ設定
ロック系であれば、先ほども紹介した「ドンシャリ」サウンドがマッチします。
歪ませたギターとの相性も良く、ズンズンとしたブリッジミュート奏法とエッジの効いたリフにも合います。
メタルのつまみ設定
メタル系の場合はドンシャリ設定をさらに極端にしたものがよく合います。
ゲインを上げると中高音が一緒にブーストされるので、ゲイン量に合わせて高音をコントロールするのがポイントです。
ジャズのつまみ設定
ジャズの場合は高音を抑えたメロウなトーンが好まれています。
ボーカルの有無によって中音の量をコントロールして、ソロギターの場合は中~高音にかけてブーストすることでおいしい帯域を使うことができます。
まとめ
音作りに迷ったときに役立つ簡単セッティングと、ジャンルごとの最適なアンプつまみ設定についてご紹介しました。
イコライザーを設定するときにはアンプのつまみ以外にも、ギター本体、エフェクター、シールド、スピーカー等さまざまな要素を考慮してセッティングする必要があります。
アンプ以外のいくつかの要素を考慮したうえで、自分の演奏スタイル、ジャンル、好みといった要素を付け加えると、より良いサウンドに近づけることができます。
以上、「エレキギターの音作りに迷ったらコレ!ジャンルごとの最適なアンプつまみ設定」でした。