作曲ソフト(DAW)の有料版と無料版の違いはなに?【DTM】
音楽制作の世界では、DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)が不可欠なツールとなっています。
初めて音楽制作に挑戦する際、無料版と有料版のDAWの違いやどちらを選ぶべきかについての悩んでいる方も多いかと思います。
「初めは無料の製品から試してみたいけど、機能面で不足していないだろうか…」
「いきなり有料の製品を購入して、すぐ挫折したらどうしよう…」
この辺りの悩みを抱える人が多いとは思いますが、やはり気になるのが「無料版のDAW」と「有料版のDAW」の具体的な違いではないでしょうか。
そこで今回は、作曲ソフトの有料版と無料版の違いについてを詳しく解説します。
自分に必要な機能を知る
無料版、有料版、両方に言えることですが、まずはDAWを選ぶ際にもっとも重要なのが自分のやりたいスタイルや音楽ジャンルを考えて、それに合った作曲ソフトをチョイスすることが大切です。
以前紹介しましたが、最近だともともと有料だった製品を無料で販売されていたりと、機能面でいうと無料版と有料版の差はどんどん無くなってきているように感じています。
コードに対してメロディーを付けたり、ドラムを打ち込んでギターの録音をして・・・といったような基本的な作曲に必要なことは無料版でもほぼすべて出来ます。
無料版DAWの特徴
無料版からDTMをスタートするメリットはたくさんあります。無料版DAWの特徴は以下の通りです。
- コストを抑えれる
- 基本的な機能は搭載されている
- 一部の機能に制限がかかる
音楽制作が初めての場合や趣味で楽しむ際に、無料版DAWは最適です。高度な機能に頼る前に、基本スキルを磨くことができます。
それでは、それぞれの項目について具体的に解説していきます。
コストを抑えれる
なんといっても無料版DAWの一番のメリットは、作曲にかかるコストを抑えれることです。
作曲を始めるにはDAWソフト以外にも、オーディオインターフェイスやキーボード、マイク、スピーカー等、様々な周辺機器が必要となる場合もあります。
→低予算で作曲を始めたい人が揃えるべき6つの機材とソフトウェア
自分の作曲スタイルを考慮して、DAWソフト以外にも周辺機器が必要な場合はトータルの予算を考慮する必要があるので、DAWソフトのコストを抑えることも重要になります。
基本的な機能は搭載されている
無料DAWだとどれくらい機能制限されるのか?ということが気になる方も多いかと思います。
基本的には無料版DAWであっても、録音、編集、ミキシング、エフェクトの追加など、音楽制作に必要な基本的な機能は提供されていると思って頂いて大丈夫です。
中には、もともと有料製品だったものが無償化した製品だったり、保存データの読み込みができないこと以外は有料版と一緒の機能を提供しているメーカーもあります。
無料版でも音源ソフトウェアや音楽素材(サンプル、ループ素材)が含まれていることもあるので。基本的な楽曲制作には十分です。
一部の機能に制限がかかる
無料版のDAWは、有料版と比べて機能が制限されていることがあります。以下にいくつかの一般的な無料版の機能制限の例を挙げてみます。
- トラック数の制限
無料版では同時に使用できるトラック数が限られることがあります。有料版ではより多くのトラックを使って複雑なプロジェクトを作成できます。 - 各種プラグインの制限
無料版では豊富なエフェクトや外部プラグインの使用が制限されていることがあります。 - エクスポートの品質制限
音楽データを書き出しする際のファイル品質や形式が制限されることがあります。 - MIDI編集の制限
無料版ではMIDIデータの編集機能が限られていることがあります。 - プロジェクトファイルの互換性
無料版と有料版のプロジェクトファイルの互換性が制限されている場合があります。有料版のプロジェクトを無料版で開く際に一部の機能が失われることがあります。
いくつかの制限がありますが、制作スタイルによっては制限内で十分機能することもあるのでチェックしてみましょう。
例えば、歌ってみたのミックスや、シンガーソングライターのようなボーカルと伴奏のみのスタイルなら、それほど多くの機能を必要としない場合もあります。
有料版のメリットは?
では、具体的に「有料版を購入するメリット」はなに?ということなのですが、ざっくりと次の3つになります。
- 高度な機能とプラグインソフト
- ジャンル特化した便利機能
- 機能制限が無い
これらを自分のやりたい音楽スタイルと照らし合わせてみましょう。
EDMのような多くのプラグインやトラック数を消費するジャンルであれば、有料版の製品の購入が必要になる可能性もあります。
では先ほどの3つについて更に詳しく解説していきます。
高度な機能とプラグインソフト
プラグインソフトとはベースとなるソフトウェアに、新たな機能を加えるために後から追加できるソフトウェアモジュールの事を指します。わかりやすくいうとスマホ本体に必要なアプリを後から追加ダウンロードするといった感じです。
有料版のDAWだとプラグインソフトが非常に優秀で、追加で高品質なプラグインを別途購入する必要がなく、即戦力となります。
プロクオリティのシンセサイザーやEQ、コンプレッサー系のエフェクトまで多く揃っており、すぐに本格的な音楽制作をスタートすることができます。
ジャンルに特化した便利機能
無料でも有料でも基本的な作曲は可能だと言いましたが、有料版にはさらに特定のジャンルに特化した便利機能が搭載されています。
例えばレコーディングの際に、複数のテイクを保存しておき、一番良かったテイクを再び読み込ませるといった機能や、ビートメイクに便利な高度なループ機能が搭載されていたりと、その機能は様々です。
もし自分のやりたい音楽ジャンルが明確に決まっているのなら、それに合った有料版DAWを選択することが最も効率の良い選択となります。
→これから作曲を始める人の為の人気DAW 5選【DTM】
使い込まないと気付けないような便利機能もありますが、体感的にも無料版よりも有料版のほうがクリエイターへの細かい配慮が多くみられます。
機能制限が無い
有料版と無料版の分かりやすい違いといえばこの「機能制限」も含まれます。
無料版でも説明しましたが「トラック数に制限があったりする製品」や「保存できる数に限りがある」といったような制限を設けているDAWもあります。
こういった制限を気にすることなく使用することができるので、作曲のインスピレーションを妨げられる心配もありません。
どっちから始めればいいの?
個人的には、気になっているDAWの無料版からスタートして、機能が不十分だと感じたり、より高度な製作を行いたいと思ったときに有料版に移行するのがいいかと思います。
一度慣れてしまった操作感やインターフェイスを移行するのは中々大変なので、将来的にどのDAWを使いたいか?を考慮して選択することをおすすめします。
とはいえ、無料版と有料版のDAWのどちらを選ぶべきかは、個人の目標、予算、スキルレベルによって異なります。以下に詳しく解説します。
1. 将来の目標
- 無料版: 趣味や初心者として音楽制作を楽しむのであれば、無料版のDAWが適しています。基本的なスキルを学ぶのに最適です。
- 有料版: もしプロの作曲家やプロデューサーを目指すのであれば、有料版のDAWが必要です。高度な機能や音楽素材が本格的な制作を支援します。
2. 予算
- 無料版: 予算に制約がある場合、無料版のDAWは経済的な選択肢です。初めての投資を抑えつつ、基本的な音楽制作を体験できます。
- 有料版: 予算に余裕があり、本格的な音楽制作を追求したい場合は有料版のDAWを選ぶことを検討しましょう。高品質な機能と音楽素材が利用できます。
3. 作曲レベル
- 初心者: 音楽制作の初心者は、無料版のDAWで基本的なスキルを習得することが重要です。使い方を理解し、手軽に制作を始めることができます。
- 中級者以上: 既に基本的なスキルを持っている場合、有料版のDAWを選択することで、より高度な機能や制作の幅広い可能性を追求できます。
4. 機能性
- 無料版: 基本的な録音、編集、ループ配置の機能がありますが、制約があることが多いです。音楽素材も限られています。
- 有料版: 高度な機能、エフェクト、音楽素材が含まれており、本格的な楽曲制作に必要なツールを提供します。
5. サポート・保証
- 無料版: 一般的にサポートが制限されています。問題解決が難しい場合があります。
- 有料版: 有料版ユーザーは専門的なサポートを受けられ、トラブルシューティングや質問に対する迅速な回答が得られます。
DAWの選択は個人の目標、予算、スキルレベルによって異なります。初心者は無料版から始め、趣味を楽しむ一方で、本格的な音楽制作を目指す場合は有料版のDAWを検討してみましょう。
まとめ
無料版と有料版の主な違いをまとめると、
- プラグイン・エフェクトのクオリティ
- ジャンルに特化した便利機能
- 機能制限の有無
その他にも細かいところでいうと、無料の製品はマイナーなDAWが多いので、解説書やYouTube上に解説動画が無いので手探りで操作方法を学習していくしか無かったり、アップデートや保障関係が手薄だったりすることもありますね。
本格的に作曲活動をしていくのなら、個人的には有料版の製品をおすすめします。
以上、作曲ソフトの有料版と無料版の違いはなに?【DTM】でした。