
無料のフリー作曲ソフト(DAW)おすすめ17選【DTM】
「これから作曲を始めようと思っているんだけれども、いきなり有料版は・・・まずは無料版を試してみたい!」と思っている方に向けて、今回は無料の人気作曲ソフト(DAW)をご紹介します。
無料といえど、ほんの数年前の有料版と変わらない性能だったりと、有料版を購入したユーザーをモヤモヤさせる程、次々と新しい製品が発売されています。→作曲ソフトの有料版と無料版の違いはなに?【DTM】
作曲ソフトごとにも特徴があり、自分はどんな音楽を作りたいか?どんな作り方をするのか?を考えてから選ぶと、制作をよりスムーズに進めることができます。
作曲ソフトの選び方

現代の音楽制作の要はデジタルオーディオワークステーション(DAW)と呼ばれるソフトウェアです。最近はAIによる自動作曲サービスなるものも登場してきましたが、まだまだ人の手による作曲には及ばないといった印象を受けます。
主要な音楽メーカーのDAWであれば、たとえフリーソフトであったとしても基本的な制作に必要なオーディオファイルの録音、編集、ミキシング、およびマスタリングが行える便利なソフトウェアです。
また、最近だとフリープラグインソフトウェアも充実していることもあり、コストをかけずにバーチャル楽器や、制作に足りないエフェクト機能を追加することも簡単になりました。
各音楽メーカーから色んな種類のDAWがリリースされており、色んな音楽ジャンルや制作スタイル、ワークフローに対応する機能を備えています。→DTM用作曲ソフト(DAW)の特徴をわかりやすく解説
自分のスタイルに合わせよう

DAWをダウンロードする前に、自分の音楽制作スタイルに合わせて選択する必要があります。
シンガーソングライターのようなスタイルやEDMのような打ち込みスタイル等、様々な作曲方法があります。これから作曲を始めようと考えている方で、制作ワークフローや音楽の作成スタイルがよくわからない場合は、次の項目を確認してみてください。
- 作りたい音楽ジャンル。
- マイクを使った収録や楽器レコーディングが多いかどうか。
- デジタル楽器(シンセサイザー等)や音源サンプルを使って、打ち込みメインで作りたい。
- オーディオファイルやMIDIトラックをコントロールするかどうか。
- DAWの内部ソフトを使うか、外部ソフトを追加で購入するか。
この辺りを考慮しながらDAWを選択することで、より自分の制作スタイルに合った機能を備えたソフトウェアが入手できるので、ぜひ参考にしてみてください。
それではここから無料のおすすめDAWソフトをご紹介します。※インストール無しで、ブラウザ上で作曲できる音楽が作れる無料ウェブサイト7選(ダウンロード不要)も合わせてご覧ください。
Cakewalk by BandLab
- 約6万円のソフトが無料化
- エフェクト、トラック無制限
- 有名アーティストも使用
Windows無料DAWで1番人気ではないでしょうか。
当時Sonar Platinum(¥59,800)という有料のソフトがいきなり無料になり、世間をざわつかせました。Sonarといえば米津玄師さんも使用していたことで有名です。
特徴としてはMIDI機能がわかりやすく、ピアノロールを使った打ち込みが非常にやりやすいので楽器が使えない方も安心です。無料なのに外部VSTプラグインの追加もできるので非常に便利です。
無料版でよくあるエフェクトやトラック数の制限もなく、自由に使えるというのは素晴らしいの一言です。
Cakewalk by BandLab
Waveform 12 Free
- 新しい無料DAW
- 制限無しで利用可能
- 初心者の為のチュートリアルパネル
Tracktion Corporationは2022年8月末に、Windows、Mac、Linux用DAWのアップデートバージョンであるWaveform Free 12をリリースしました。
Waveform Freeはこの最新のアップデートにより、Bandlab「Cakewalk」と並んで、現時点で最高の無料DAWの1つとして、海外では高い評価を得ています。
一般的なデモ版のような制限はなく、トラックをゼロから制作したり、ミックス&マスタリングをするために必要なすべての機能を提供してくれます。
Waveform 12 Free
GarageBand
- Appleユーザーにオススメ
- 初心者にもわかりやすい
- 豊富な音源ソフト
Mac用DAWの中でフリーソフトの定番がGarageBandです。iphoneにも入っているので使ったことある人も多いと思います。Apple社製品ということで初心者の方にも非常に扱いやすく、インターフェイスも分かりやすいので直感的に作曲できます。
音源ソフトやエフェクトも付属しており、ループ素材と呼ばれる出来上がった音パーツを組み合わせて作れたりもできるので、音楽理論が全く分からないという方でも作曲が楽しめます。
スマホやタブレットで手軽に使えるメリットは大きく、出先で思いついたアイデアをとりあえずios版に打ち込んで、家に帰ってからMac版で仕上げる。という使い方もおすすめです。
GarageBand
Cubase LE
- 国内シェアNo.1DAW
- 幅広い音源ライブラリ
- 優れたアシスタント機能
Cubase LEは国内シェアNo.1作曲ソフトのSteinberg「Cubase」のライトバージョンにあたる製品です。
いくかの制限はありますが、最大16オーディオトラック、24MIDIトラック、8インストゥルメントトラックを搭載。最大8オーディオチャンネルの同時録音にも対応し、マルチマイクでのバンド録音も行えます。
マルチ音源のHALion Sonic SE、ドラム音源のGroove Agent SEといった、楽器サンプル、シンセサイザーまでの優れたVSTプラグインとサウンドライブラリが付属しています。
Cubase LE
Studio One 4 Prime
- トラック数無制限
- 豊富な音源、楽器、エフェクト類
- プロのデモ音源が見れる
Windows,Mac両方に対応したDAWです。世界のプロアーティストも多く使用しており、MIDI、オーディオレコーディングからミックスまで基本的な作曲に必要とされる機能は整っています。
こちらもトラック数が無制限となっており、トラック数を気にすることなく自由に制作できるのが強みです。プロが制作したデモトラックが無償で提供されていて、プロのミックステクニックを勉強できるので初心者には非常に嬉しいサービスです。
→【DTM】初心者の為の音楽制作に関する7つのヒント
Presenceという音源が付属しており、多くの楽器や基本的なエフェクト類は一通り収録されていますが、やはり有料版と比べると少し劣るので、慣れてきたら有料版の購入を検討してみましょう。
Studio One 4 Prime
Serato Studio
- DJ向けのソフトウェア
- ビートメイキング特化
- 独自のワークフロー
Serato Studioは、DJ向けの音楽制作ソフトウェアです。Serato DJ Proと連携し、DJが持つ音楽ライブラリーから曲を選択して、簡単にビートメイキングやリミックス、リミットなどの楽曲制作を行うことができます。
Serato Studioには、直感的なユーザーインターフェースと多数のループ、サンプル、サウンドエフェクト、シンセサイザー、ドラムマシン、エフェクトなどの機能が備わっています。これらを使用して、簡単にビートメイキングやリミックス、サンプリングなどを行うことができます。
サンプル音源とループ素材を使用するビートメーカーにおすすめの無料DAWです。
Serato Studio
REAPER
- 外部音源の追加機能
- 自由度の高さ
- 慣れるまで少し操作が難しい
筆者自身も初めて使ったDAWがこちらのREAPERでした。無料版で使えるのは古めのバージョンとなってはいるのですが、日本よりも海外のDTMマニア達に人気があります。
こちらのDAWは動作が非常に軽くなっていて、PCの性能が低くても問題なく動作するので、スペックに自身のない方におすすめのDAWです。
しかしマニアが好むというだけあって、正直インターフェイスも地味でプリセット等もなく初心者の方には少し敷居が高い気もしますが、そこをクリアすれば一通りはこなせる優秀なDAWではあります。
REAPER
Pro Tools | First
- プロスタジオ標準のDAW
- レコーディングにオススメ
- 豊富な音源ループやサンプル
業界御用達のPro Toolsのフリーバージョンです。エンジニアやプロの業界でやっていくことを視野に入れているのならこちらのDAWをオススメします。
3GB以上の音源ループやサンプル、エフェクトや音源ソフトも充実しており、さすがPro Toolsといった印象です。しかし機能の制限が多く、使用できるトラック数が最大16トラックまで、保存できるプロジェクトも3つまでだったりと自由度は低いです。
Pro Toolsの有料版の使用を考えている人のお試し用としておすすめです。
Pro Tools | First
FL Studio Trial
- 海外で人気のDAW
- Hiphop、EDM系に強い
- ほぼすべての機能を試せる
海外のビートメイカー達に大人気のDAW「FL Studio」のフリーデモバージョンです。
デモバージョンではありますが、有料版と同じ機能を体験することが可能で、制限されているのは保存したファイルを開けないということです。
プロデューサーの中には、保存せずに一気に作り上げて書き出しまで行うという猛者もいるようなので、環境によっては最強のフリーDAWとも言えます。
FL Studio Trial
Ardour
- オープンソースDAW
- 主要なプラグイン形式をサポート
- 多機能
オーディオレコーディングとミキシングのための本格的なオープンソースDAWです。Windows、macOSではソフトウェアを自分で構築することが出来れば、無料でフル機能DAWとして機能します。
すべての主要なプラグイン形式をサポートし、幅広いオーディオ編集機能とミキシングツールを備えた機能満載のDAWです。
無制限のトラックとバス。任意のビット深度、サンプルレートで数十種類のファイル形式に対応。業界最高の MIDIタイムコードとLTCへの同期。MIDIマシンコントロールも可能です。
Ardour
MPC Beats
- ビートメイクに特化
- シンプルなインターフェイス
- 拡張性の広さ
MPC Beatsは、Akai Professionalが提供する無料のDAWソフトです。MPCは、「MIDI Production Center」の略で、音楽制作やビートメイキングに特化したハードウェアとソフトウェアの総称です。
MPC Beatsは、シーケンサー、サンプラー、ドラムマシン、エフェクト、ミキサーなどの機能を備えており、ビートメイキングに必要な機能を簡単に使うことができます。また、MPC BeatsはVST/AUプラグインにも対応しており、他のDAWとも連携して使用することができます。
AKAIのハードウェア製品に見られるMPCワークフローを備えており、AKAI製品やその他のサードパーティ製の製品を含む、さまざまなMIDIコントローラーと互換性があります。
MPC Beats
SoundBridge
- フル機能
- シンプルな操作性
- 有料の動画教材
SoundBridgeは、音楽制作に必要なほぼすべてのツールを備えた、フル機能の無料DAWです。
有料DAW並みの作曲に必要な重要な機能が多数含まれていますが、可能な限りシンプルで使いやすいデザイン&操作性になっているので、初心者の方にも最適です。
SoundBridge Academyと呼ばれる、音楽制作を学べる有料のオンライン動画教材もあるので、これからDTMについて学びたい方にもおすすめのDAWです。
SoundBridge
LMMS
- 高機能
- オープンソース
- ループ音楽が得意
LMMS (旧名: Linux Multi Media Studio) は非常に高機能なオープンソースソフトウェアのDAWです。2020年6月にアップデートが施され、2004年のリリース以降、修正や新機能が追加され続けています。
海外の人気DAW「FL Studio」と非常に似た作りとなっており、ソフトウェア・シンセサイザーを含め基本的な機能を持ったサンプラーが付属しているほか、外部VST、VSTiプラグインを利用した音楽制作をすることができます。
→EDMの作り方【DAWを使った打ち込み方法】
同じフレーズを繰り返し使用する、ハウスやテクノのようなミニマルミュージックの制作に最適です。
LMMS
Audacity
- 音声編集に最適
- マルチトラックオーディオエディター
- オープンソース
Audacityはさまざまなオペレーティングシステムで動作するオープンソースのマルチトラックオーディオエディター・レコーダーです。
音楽制作よりも音声編集等のオーディオトラックのみを扱う場合に最適で、非常にシンプルな音声編集用ソフトとして機能します。
欠点としてはMIDIシーケンサーが機能しなかったり、一般的なプロ用DAWのようなVSTプラグインとの適合性が低いということです。
Audacity
Tracktion Waveform Free
- トラック無制限
- VST・AUプラグイン対応
- PC・MAC対応
フリーとは思えないほど高性能なフリーウェアDAWです。トラック数や同時録音に制限は無く、VSTおよびAUプラグインを使用することも可能で、PCまたはMacで動作するという優れもの。
DAW初心者の方でも使いやすいように設計されており、他の無料のDAWとは少し異なるデザインコンセプトを備えています。
→DTM初心者の方必見!簡単にできるミックスのテクニックとコツ
上級ユーザー向けにWaveform Proの有料アップグレードを提供していますが、フリーウェアverでも音楽制作に必要な機能はほとんど兼ね備えています。
Tracktion Waveform Free
Ohm Studio
- コラボレーション機能
- 高性能
- プラグイン対応
Tracktionに続いてもう一つの無料ダウンロードできるフル機能搭載DAWです。
人気のプラグインメーカーOhmforceからリリースされているDAWプロジェクトで、有料DAWに備わっている基本的な音楽制作に必要な機能をすべて提供してくれます。
大きな特徴として、コラボレーション機能が充実しており、他のクリエイターとあなたの音楽を共有するための便利な機能が多く備わっています。
Ohm Studio
Podium Free
- 高品質オーディオエンジン
- トラック無制限
- 外部プラグイン使用可能
Zynewave Podium Freeは、Windows用のデジタルオーディオワークステーション(DAW)の無料版です。高品質なオーディオエンジンを搭載しており、多数の音源、エフェクト、MIDIツールなどを備えています。
Podium Freeには、オーディオトラックとMIDIトラックを無制限に作成することができます。また、Podium FreeはVSTプラグインに完全に対応しているため、サードパーティのプラグインをインストールして使用することも可能です。
EDMプロデューサーの方におすすめの無料DAWです。
Podium Free
まとめ
無料の人気作曲ソフトを13製品ご紹介しました。
- Cakewalk by BandLab
- Waveform 12 Free
- GarageBand
- Cubase LE
- Studio One 4 Prime
- Serato Studio
- REAPER
- Pro Tools|First
- FL Studio Trial
- Ardor
- MPC Beats
- SoundBridge
- LMMS
- Audacity
- Tracktion Waveform Free
- Ohm Studio
- Podium Free
どのソフトも作曲に必要な最低限の機能は備わっているので安心してください。もし機能面に満足いかない場合は無料のVSTプラグインを追加してみましょう。
今回紹介した内容は基本的にはすべて無料なので、色々ダウンロードして実際に触ってみて、ある程度慣れたら有料版に移行するという流れがベターです。
筆者の経験と知り合いのクリエイターの方達を見ていると、初めに使った作曲ソフトを使い続けるという傾向が強いように感じます。扱いや操作感に慣れてくるとなかなか違うソフトに移行できないので、最初のソフトは自分に合うものをよく調べて慎重に選ぶことをおすすめします。
作曲ソフトが決まったら、低予算で作曲を始めたい人が揃えるべき6つの機材とソフトウェアを参考に周辺機器の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
以上、無料のフリー作曲ソフト(DAW)おすすめ 17選【DTM】でした。