
DAWが重い場合にチェックするべき5つの項目【FL Studio】
作曲中にトラックが増えてくるとだんだん動作が重くなってきたり、最悪の場合フリーズしてシャットダウンしてしまうということも。。。
DTMerにとって最悪の自体をまぬがれる為にもDAWが重い場合にチェックするべき5つの項目についてお話します。
1. バッファサイズとマルチスレッド処理
まずはDAWのオーディオ設定を見直します。
左上のメインメニューからオーディオ設定を開きます。

バッファーの値とCPUのマルチスレッド処理を可能にする項目があります。

バッファーの数値は大きくするほど動作は軽くなりますが、レイテンシーと呼ばれる「音のズレ」が発生します。
楽器を録音するときはバッファ数値を小さくして、普段の作業中は大きめにするようにして使い分けると、より効率的に作業を進めることができます。
マルチスレッド処理を許可すると、PCのCPUコアが連携して動作するようになるので、DAWの動作が快適になります。
2. 必要のないプラグインの動作を停止する
「Smart disable」という機能を使うことで、動作させる必要がないプラグインをFL Studioが自動的に判断し、動作を止めることでCPU負荷を軽減する仕組みです。
使い方は簡単で、左上メニューの「TOOLS」から設定可能。

ここ以外にも先ほどのオーディオ設定画面からも設定できるので、動作が重い場合にはここにもチェックを入れておきましょう。

3. 未使用のオーディオファイルを整理する
サンプル音源を使用したり、レコーディングをしていると気付かないうちに、どんどん必要の無いオーディオデータが溜まっていってしまいます。
不要なオーディオデータはPCのスペースとRAMを占領します。古いボーカルトラックや、トラックで使用していないサンプルなど、使用していないオーディオクリップやエフェクトを消去することで動作が軽くなります。
FL Studioの場合は左上メニューの「TOOLS」→「Purge unused audio clips」から簡単にトラックに使用していない不要なオーディオデータを削除できます。

これでトラックに使用していないオーディオデータはすべて削除されます。
FL Studio上からは消えますが、PC内にデータとして残っているので、もし間違えて必要なオーディオデータを削除してしまった場合でも引っ張り出すことは可能です。
4. MIDIをバウンスする
シンセサイザー等の多くのプラグインとMIDIトラックを使用している場合はCPUの処理がすぐに不足してしまう可能性があります。
MIDIトラックを使用してシンセサイザートラックを再生するときはコンピューターはリアルタイムでMIDIデータの変換、シーケンス処理、オーディオへの再生などを処理する必要があります。
一番負荷がかかる動作でもあるので、作業しながら可能な限りMIDIトラックをオーディオにバウンスすることをお勧めします。
やり方は、まずMIDIデータのクリップパターンを右クリック、その中から「Quick render as audio clip」を選択します。

これでオーディオトラックが生成されます。MIDIトラックを削除して置き換える場合はMIDIの修正ができなくなるので注意してください。
もしまだ修正する可能性がある場合はMIDIトラックをミュートした状態にしておいたり、楽器プラグインのみを削除するなどしてデータを残しておきましょう。
5. エフェクトを共有する
個々のトラックにエフェクトを挿している場合、同じプラグインを各楽器に適用することになるので、重くなる原因でもあります。
例えば、個々のトラックごとにリバーブエフェクトを挿入するのではなく、リバーブ専用のミクサートラックを作成し、それぞれのトラックからリバーブトラックに送るようにすることで、1つのエフェクトを使用するだけで各トラックにリバーブを適用できます。

エフェクト側でドライ音を「0」にしないと原音が2回鳴っている状態になるので注意しましょう。

まとめ
DAWが重い場合にチェックするべき5つの項目についてお話しました。
- バッファサイズとマルチスレッド処理
- 必要のないプラグインの動作を停止する
- 未使用のオーディオファイルを整理する
- MIDIをバウンスする
- エフェクトを共有する
FL Studio上だけで解消されない場合はインターネット回線をオフにしてみたり、PC側の設定を変更することで、さらに動作を軽くすることもできるので、是非試してみてください。
以上、「DAWが重い場合にチェックするべき5つの項目【FL Studio】」でした。
※今回の内容はYouTubeでも解説しています。