【DTM】初心者の為の音楽制作に関する7つのヒント
これから作曲を始める初心者の方にとっては、音楽制作に必要なテクニックや知識を学ぶことは非常に重要です。
何も分からないままセンスと直感に頼ってDTMを始めるよりも、始めにいくつかのヒントを学んでから作業に移ることで、大幅な時間節約となり、最終的な音源のクオリティにも大きく影響します。
そこで今回は、音楽のクオリティを上げるためのミキシングテクニックや、プロサウンドを実現する為に必要なツールなどをご紹介します。
1. チュートリアル動画を活用する
ネットを探せば様々なジャンルのプロデューサーによって作られたチュートリアル動画や作業風景をライブ配信しているコンテンツが無数にあります。
まずは自分の作りたい音楽と近いジャンルの楽曲を制作しているプロデューサーを探して、どのように制作されているのかを見ることが、ミキシングスキル向上の最も近道となります。
ほとんどはYouTubeやTwitch上で配信されているので、どのような楽器を使っているのか、使用しているエフェクトなど、貴重な情報が手に入るので必ずチェックするようにしましょう。
2. 整理整頓する
すべてのプロジェクトファイル、サンプル音源、エフェクト、プロジェクトプリセットがどこにあるかを把握しておくことで、長期的にみると多くの時間を節約できます。
統一した方法でトラックやファイルに名前を付け、すべてのプロジェクトで同じように色分けし、よく使用するプロジェクトタイプはテンプレートを作成して、可能な限り時間と労力を節約します。
プロとして音楽を生業にするのなら、音源クオリティが良いのは当たり前に、一曲当たりの作業時間を減らすことを考える必要があります。
3. スペースを埋める
ミキシングに関していうと、基本は箱の中の限られたスペースにどのようにして綺麗に音を詰め込んでいくのかということをイメージしています。
音量、パンニング、周波数でぶつかり合わないように、使用するすべての楽器を収めるのには限られたスペースしかありません。
各楽器のミックス内の場所を見つけることに焦点を当ててミキシングに取り組み、すべての楽器が無理なく呼吸する為のスペースを持たせてあげることでクリアで迫力あるサウンドを実現できます。
- パンニング: ステレオ空間の中で楽器を左または右にパンして、全体的なミックス幅を広げ、特定の楽器が空間の中でぶつかり合わないようにします。
- 音量: 楽器の音量は前後の距離を表現します。音量を下げると音を遠ざけ、音量を上げると手前に飛び出します。
- 周波数:周波数帯域で楽器同士を住み分けしたり、耳が認知しやすい音域をブーストすることで、より存在感のあるサウンドになります。
4. 全体のダイナミクスをコントロール
ダイナミクスとは大きい音と小さい音の差のことをいい、トラック全体で緩急を付けることで表現力を高めることができます。
例えば
- サビで一番迫力を出したい場合には、その前のBメロセクションの音量を下げる必要があります。
- 迫力あるサブベースを鳴らしたい場合はその前のセクションの低音をカットしておきます。
このようにすべてのセクションで迫力を出すよりも、トラック全体を相対的に見て、音圧を上げる部分とその他のセクションでダイナミクスレンジをコントロールすることが重要です。
→音圧を上げて迫力あるトラックを入手する為の10のヒント【DTM】
5. サウンドを彫刻する
正方形の箱にいびつな形の物体を詰め込んでも、無駄な空間が生まれてしまいます。
限られた箱の中のスペースをなるべく綺麗に埋めるためには、サウンドを綺麗に彫刻する必要があります。
一般的にはEQ(イコライザー)を使用して特定のサウンドから不要な周波数の一部をカットしたり、ブーストしたりすることで、楽器同士の音被りを解消して楽器用のスペースを作成します。
例えば、キックにパンチが足りない場合は、キックが持つ周波数範囲に被っているベースのレベルを下げてみてください。こうすることで、ベースの全体的なサウンドを維持しながら、キックドラムが鳴るためのスペースができます。
6. 歪みの重要性
多くの楽器が入り乱れて混雑したミックスの中で特定の楽器を目立たせる為に、サチュレーションやディストーションのような「歪み」エフェクトが最適なツールとして機能します。
エキサイターやサチュレーションプラグインから追加された歪みは、元の音声信号に倍音を付加することで、トラックにパンチや太さを加えることができます。
キック、ベース、リード系、場合によってはボーカルにも歪みが加えられることもあり、特にシンセサイザーのようなデジタル楽器を扱う場合には「冷たさ」を解消するために、アナログ特有のチューブ系の歪みを使用して温もりを加えることが一般的です。
→歪み(オーバードライブ、ディストーション)が音楽に与える効果
7. 耳で判断する
音楽制作を始めた頃は、耳よりも視覚情報を重要視していた時期がありました。
始めの頃は正しい「音」が理解できていなかったので、ソフトウェアで表示されるすべてのグラフやメーターに集中したほうが結果的に良くなりやすかったからです。
リズムトラックの大きさ、ボーカルに適用するコンプレッションの量、リバーブの深さ等、ネットで調べたことを頼りにパラメーターをセットしていましたが、耳が慣れてくるにつれ違和感を覚えるようになります。
最終的に良い音に必要なものは、目ではなく耳ということは間違いありません。
DAW上に表示される情報はあくまでアシストとして使用し、ミックスに行き詰ったら必ず自分の耳で判断するということが大切です。
まとめ
音楽制作に関する7つのヒントについて解説しました。
- チュートリアル動画を活用する
- 整理整頓する
- スペースを埋める
- 全体のダイナミクスをコントロール
- サウンドを彫刻する
- 歪みの重要性
- 耳で判断する
いきなり自分のセンスを頼りに作業に入るのもいいですが、始めにいくつかのヒントを学んでから作業に移ることで、大幅な時間節約となり、最終的な音源のクオリティに影響します。
とりあえずググれば何でも答えが見つかるので、分からないことや気になることがあればすぐに調べてからミキシングに移ることをおすすめします。
以上、「【DTM】初心者の為の音楽制作に関する7つのヒント」でした。