
DTM初心者が一曲完成させる為の5つの作曲手順
巣ごもりの中、パソコン一台で作曲から配信までできるということでDTM(デスクトップミュージック)が改めて注目を集めています。
プロのクリエイターの利用にとどまらず、趣味で曲を作る人やアマチュアバンドにも、作曲においてDTMは無くてはならないツールとして利用されています。
そこで今回は、これからDTMを始める方に向けて、とりあえず一曲完成させる為の作曲手順についてお話します。
音楽を作るために必要なこと
一昔前までは作曲をするには音階やコードを覚えたりする必要がありましたが、DTMを利用するのであればそこまで重要ではありません。
最近のDAW(作曲ソフト)にはコード打ち込みやスケール表示機能のような優れた作曲サポート機能が付いているので、実際は音楽理論を学ぶよりもDAWやシンセサイザー等のソフトウェアの使い方をマスターしたほうが有利だったりもします。

とはいえ、頭に音楽理論が入っていれば作曲効率が上がったり、ひらめきやアイディアの引き出しが増えることは間違いないので覚えておいても損はないです。
1. 参考にする楽曲を見つける

ここから実際に作曲をする流れを解説していきます。
これからDTMを始めるという初心者の方は、まずは人気の楽曲や自分の好きな曲を参考にして、まねをしながら作ることをオススメします。
「え?それってパクりじゃないの?」と思われるかもしれませんが、プロの作曲家の方達も「リファレンスをとる」といって、完成系のイメージに近い既存の楽曲を参考にしながら作曲することはよくあります。
正直、作曲初心者の方が感覚だけで音楽を一曲作り上げるというのは非常にハードルが高い作業です。
いきなりオリジナル楽曲を作り始めたものはいいものの、上手く作ることができなくて「自分には音楽のセンスがないのかな・・・」と落ち込む方がいますが、当然のことなので安心してください。
2. コードを進行を調べる
参考にする楽曲が決まったら、その曲のコード進行を調べます。
邦楽ならU-FRETで調べればほとんどの曲は出てくるのでオススメです。過去にコード進行の王道パターン5選【派生コードも紹介】という記事も書いたので、こちらも参考にしてみてください。
もちろん進行にアレンジを加えてもいいですが、分からない方はもろパクりしてしまっても特に問題はありません。
※コード進行自体には著作権はありません。

コードの構成音が分からない場合は「〇〇コード 音階」とかでググれば出てくるので、それを見ながら打ち込んでいくか、DAWごとのコードスタンプ機能を使えば簡単に打ち込むことが可能です。
打ち込みに使用する楽器ですが、どのDAWにもピアノ音源はもとから付属しているので、はじめはピアノを使って打ち込んでいってみましょう。
→ピアノ打ち込みをよりリアルに近づける方法【DTM】
もちろん楽器が弾ける方は伴奏楽器をライン入力で録音する形でもOKです。
3. メロディーを作る

コードを作ったら次にメロディーを作ります。
メロディーまでもろパクりすると著作権にひっかかるので、必ずオリジナルで作りましょう。
メロディーの作り方【音を外さない方法】でも説明しましたが、はじめはコードに含まれている音を使ってメロディーを打ち込んでいけば、かなり安定したメロディーになります。
理論的に作るのもいいですが、出来ればコードを流しながら鼻歌で感覚的に作っていく方法がおすすめです。
マイクを持っている場合はオーディオインターフェイスを経由して直接DAWに歌声を取り込んでしまえば、それだけでも立派な作曲です。
メロディーの打ち込みに使う楽器は幅広いですが、はじめはシンセサイザー、ピアノ辺りがおすすめです。
4. ベースを加える
コードとメロディーで楽曲のイメージが出来上がったら、コードの下にベースを加えることで低音部分を強化します。
ベースを加えるだけで楽曲全体の安定感がかなり向上するので、必ずベーストラックは作るようにしましょう。
作り方は簡単で、コードを打ち込んだときの一番下の音をコピーしてそのまま使います。

ベースに使用する楽器はエレキベースかシンセサイザーがおすすめです。
→打ち込みで使えるベースアレンジのコツ
5. リズムを作る
ドラム音源を使ってリズムトラックを作っていきましょう。
リズム作成に使用する音源は、一般的には音源サンプルや、ドラムマシンを利用することが多いです。
リズムパターンにも一定のセオリーみたいなものがありますが、これもはじめは参考音源を聴きながら同じように打ち込んでいくと良いです。
→【DTM】ドラムの打ち込みテクニック(初心者向けガイド)

ジャンルによって異なりますが、大体キック(バスドラム)、スネア、タム、ハット、シンバルで構成されており、キックとスネア、ハットの3点で基本的なビートは作られます。
なかなか始めのうちは、ドラムを耳で聴いて打ち込んでいくのは難しいかと思うので、音源サンプルのループ素材を使うのもアリです。
「Loopmasters」のようなループ素材に特化したサンプル販売サイトもあるので、打ち込む作業が大変だと思ったら利用してみましょう。
まとめ
DTMを使って一曲完成させる為の作曲手順についてお話しました。
- 参考にする楽曲を見つける
- コード進行を調べる
- メロディーを作る
- ベースを加える
- リズムを作る
プロデューサーによってはリズムから作ったりする方もいるので、順番に特に決まりはないのですが、初心者の方はコードとメロディーから取り掛かったほうが楽曲全体をイメージしやすくなります。
初心者の方が作曲する上で気を付けることとしては、いきなりオリジナリティを出そうとしないということです。
作りたいジャンルの楽曲を参考にしながら何曲か作っていくうちに、自然と作曲に必要なセオリーのようなものが身についていくので、それからオリジナリティを出していくほうが効率的かと思います。
以上、「DTM初心者が一曲完成させる為に必要な5つの作曲手順」でした。
※YouTubeでも実際にDTMを使いながら解説しています。