イコライザーを使った重低音サウンド
「イコライザー」は聴いている楽曲をお好みの音質に変化させる便利なツールです。
キックドラムやベースを強調した低音寄りの音質が好きな方や、クラシックのような透明感のある音質が好きな方など様々です。
今回はその中でもロック、EDM、ヒップホップといったジャンルとの相性が良い、重低音にフォーカスしたサウンドを作る方法をご紹介します。
イコライザーの基礎知識
スマホの標準音楽プレイヤーや多くのミュージックアプリには、もともとイコライザーが付属していることがほとんどなので、設定からイコライザーを使って自分好みに音質を変化させましょう。
イコライザーの基本的な設定方法は簡単で、大体0~16kHzの間の周波数帯域をつまみやスライダーを使って調節するのですが、数字が小さいほど低い音、数字が大きいほど高い音を調節できるようになっています。
重低音にしたい場合は左側のスライダーを上に上げれば低音が強調されたサウンドになりますが、相対的に高音や中音が犠牲になるので、バランスのとれた気持ちの良い重低音サウンドにするには少しコツがいります。
イコライザーを使った音作り
イコライザーを使って音作りする場合の手順は以下の通りです。
- イコライザーをデフォルトの状態からスタートします。すべての音域をフラットに、つまりすべての周波数帯が同じレベルになるように設定します
- 音作りをしたい「プリセット」を選びます。ハイブースト、ベースブーストや、ジャンルごとに最適なプリセットがいくつか用意されています。
- さらに好みに合わせて周波数帯域を微調整します。例えば、低音を強調したサウンドにしたい場合は125Hz以下をブースト気味に、または高音域をカットします。
- 出来上がった音を聴いて、納得がいくまで帯域を微調整します。
- 最後に作成した設定を保存しておくことで、次回から簡単に使用できるようになります。
それでは実際に、いくつかの重低音サウンドの為の設定をご紹介します。
ロックとの相性が良い重低音サウンド
ロックとの相性バッチリなイコライザー設定です。
一般的なバンド形態のロックサウンドの場合、キックドラムが60Hz周辺、ベースが80~500Hzぐらいにかけて鳴っているのでブーストします。
30Hz以下はブーストするよりもカットしたほうが余計な低音が無くなるので、よりキックとベースが際立ちます。
低音だけブーストするとこもったようなサウンドになってしまうので、ギターやキーボードのおいしい帯域である2~6kHzをブーストすることで「ドンシャリ」と呼ばれるサウンドになり、ロックらしさがより強調されます。
ダンスミュージックとの相性が良い重低音サウンド
ダンスミュージックの場合もロックに近いイコライザー設定ですが、30Hz周辺まで低音が出ているのでしっかりとブーストします。
イヤホンやスマホのスピーカーだと変化が分かりずらいですが、クラブのような大きなスピーカーや高性能なヘッドホンを使ってリスニングしたときに大きな違いがでます。
EDM系はロックよりも多くのデジタル楽器を重ねるので200Hz周辺に音の塊ができやすく、適度にカットするとスッキリして聴きやすくなります。
EDMには欠かせない、シンセサイザーと呼ばれる電子楽器が1~16kHzの非常に広い範囲に存在するので、その辺りもブーストしてあげましょう。
ヒップホップとの相性が良い重低音サウンド
最近のヒップホップの重心はかなり低く、実は最も重低音が特徴的なジャンルです。
重低音の秘密として、808と呼ばれるベースがメインの楽器として扱われるのですが、40~60Hzと非常に低いところでなっているので、この辺りをブーストするだけでかなり迫力が増します。
ハイハットも特徴的なジャンルなので6~16kHzもブーストして、伴奏楽器が薄いのでラップボーカルがしっかりと前面に出るように2kHz周辺のスウィートスポットを上げると手前に張り付くように出てくれます。
「Perfect」設定はパーフェクトじゃなくなった?
少し余談ですが、完璧なイコライザー設定と言われている「Perfect」イコライジングをご存じですか?
2000年代にどんな楽曲でも簡単に高音質にしてくれるイコライザー設定として流行しました。
Perfectにさらにハイエンド部分にアレンジを加えた「Eargasm Explosion」も流行りました。
有名なので今も使っている方もいるかと思いますが、音楽ジャンルの移り変わりとリスニング機器、テクノロジーの進化でどんどん音の重心が下がってきているので、現在の音楽環境にはあまり合いません。
昔は50Hzより下の音域を上手く再生できるリスニング機器は少なく、重要視されていませんでしたがHiphop,Trapブームとオーディオ機器の進化によって環境は大きく変化しました。
今だと125Hzをピークにするよりも40~60Hz辺りにピークを持ってくるように設定すれば、良い感じにマッチするかと思います。
まとめ
イコライザーを使って重低音にする為のおすすめ設定をご紹介しました。
高性能なリスニング機器になるほど、イコライジングをフラット(真ん中)に近づけると理想の音質を得られやすいです。
イコライザーによる低音ブーストは本来再生されていない低音を無理矢理持ち上げる行為なので、品質を重視するのならプロ仕様ヘッドホンのような、そもそもの低音再生能力が高い再生機器を使用することをおすすめします。
以上、「イコライザーを使って重低音にする為のおすすめ設定【リスニング用】」でした。