GoogleのAI作曲ツール「MusicLM」が一般に向けてテスト版を公開中
Googleが開発したAI搭載の「MusicLM」は、文章で書かれたプロンプトをもとに自動で音楽を生成することができるツールです。
MusicLMは現在、Googleによる各種AIテクノロジーのテスト場である「AI Test Kitchen」を通じて、一般に向けて公開テスト中です。
例えば、「ディナーパーティーにぴったりのソウルフルなジャズ」や「歪んだギターリフをバックにしたヒップホップビート」といったテキストプロンプトを入力するだけで、2つのバージョンの曲を瞬時に作成してくれます。ユーザーは2つのトラックのうちどちらが良かったのかを投票することができ、これによってモデルの改善に役立つデータをGoogleに提供することができます。
楽曲のスタイルを細かく指定
MusicLMは、口笛やハミングのメロディーも希望のスタイルに変換することができます。単にメロディーを指定するテキストプロンプトと一緒に曲を入力するだけで、ピアノソロやギターソロなどの再生方法も指定することができます。これにより、作曲アイディアを形にするプロセスをAIに任せることができます。
GoogleのSimon Doury氏は、このテクノロジーを紹介するビデオの中で、バックトラックを生成したいミュージシャンにとって、このツールが非常に役立つ可能性があると述べています。「たとえば、あなたがドラマーで、何か演奏したいと思ったら、ただテキストをタイプするだけでトラックが手に入ります」と彼は説明しています。
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膨大な音楽モデル搭載
「ユニークな曲を生成できる実験的なテキスト音楽モデル」と説明されるMusicLMは、500万のオーディオクリップ(約280,000時間の音楽)と、本物のミュージシャンによって記述された説明を含む5,500の音楽クリップの追加データセットでトレーニングされました。
各キャプションには、ジャンル、雰囲気、楽器の種類など、音楽の要素について説明する複数の文が含まれています。このツールは今年の1月に初めて学術論文でプレビューされましたが、チームは当初「現時点ではモデルをリリースする予定はない」と語り、著作権で保護されたデータが含まれるなど、このツールによってもたらされる倫理的な課題についても警告していました。
ブログ投稿によると、Googleはミュージシャンと協力して、クリエイターが開発プロセスの一環としてMusicLMをどのように活用できるかを学ぶワークショップを主催しています。
MusicLM
URL : https://blog.google/technology/ai/musiclm-google-ai-test-kitchen/