エレキギターの「エフェクター」って何?正しい選び方とセッティング方法について
エレキギターのエフェクターとは、音楽に特殊な効果を加える装置のことです。エフェクターは、ギターの音をユニークで多様なスタイルにカスタマイズするのに役立ちます。
エフェクターにはさまざまな種類があり、それぞれが異なる音響効果を提供します。エフェクターを選ぶ際は、自分の好みや演奏スタイル、音楽ジャンルや好きなアーティストのサウンドを参考に選ぶことが大切です。
今回は、エフェクターで得られるさまざまな効果と、選び方についてご紹介します。
エフェクターとは?
エレキギターで使うエフェクターは、ギターの音に特殊な効果や変化を加えるための装置です。これらのエフェクターは、ギタリストが音楽表現をより多彩にするために使用されます。
→エフェクターとは?その歴史と音作りに役立つ豆知識
代表的なエフェクターの種類には以下のようなものがあります。
- オーバードライブ/ディストーション
ギターアンプの歪みを増幅させ、パワフルなロックやブルースの音色を作り出します。 - ディレイ
音に遅延を加え、エコー効果を生み出します。リズムや空間感を演出するのに役立ちます。 - リバーブ
音に残響を加え、広がりや深みを与えます。スタジオやコンサートホールのような響きを再現することができます。 - コーラス
ギターの音に微細なコーラス効果を加え、豊かな響きや厚みを生み出します。 - ワウペダル
フットペダルを踏むことで、音のフィルター効果を調整し、ワウワウ音や特殊なトーンを作り出します。
このほかにも様々なエフェクターがあり、用途によって使い分けることで、より多彩なサウンドを鳴らすことができるようになります。
効果が同じであっても、メーカーや製品によって全く異なるサウンドであることがほとんどなので、実際に購入を考えている際は、YouTubeやメーカーの公式サイトで視聴してみることをおすすめします。
エフェクターの選び方
実際にエフェクターを購入する際には、考慮すべきいくつかの重要なポイントがあります。
演奏スタイルや音楽ジャンルに合わせてエフェクターを選ぶことは基本ですが、そのほかにも機能性や予算等、様々な要素を確認することで、自分に合った最適なエフェクターを見つけることができます。
以下は、エフェクターを選ぶ際に考慮すべきポイントです。
- 演奏スタイルと音楽ジャンルに合わせる
自分が演奏したい音楽スタイルやジャンルに合ったエフェクターを選ぶことが重要です。ロックやブルースではオーバードライブやディストーションが一般的ですが、ジャズやポップスではクリーンなサウンドを重視する場合もあります。自分の音楽的な目標や好みに合わせてエフェクターを選びましょう。 - 試奏して確認する
エフェクターを選ぶ前に、実際に試奏してみることが大切です。自分のギターとアンプでエフェクターを使用してみて、どのような音が出るかを確認しましょう。音色や操作性に満足するかどうかを判断するために、複数のエフェクターを試して比較すると良いでしょう。 - 予算を考慮する
エフェクターの価格帯は幅広く、高価なものから手頃なものまでさまざまです。予算を考慮しながら、自分に合ったエフェクターを選びましょう。価格が高いからといって必ずしも良い音が出るわけではないので、性能と価格のバランスを考えることが重要です。 - 機能性を考慮する: エフェクターは楽器と同様に長く使われるものです。将来的に音楽スタイルや演奏スキルが変化するかもしれませんので、柔軟に対応できるエフェクターを選ぶことも考慮してください。多機能なエフェクターであれば、拡張性やアップグレードの可能性を持っています。
- 専門家の意見やユーザーレビューを参考にする: エフェクターに関する情報はインターネット上に豊富にあります。ギタリストや専門家のレビューや意見を参考にすることで、自分に合ったエフェクターを選びやすくなります。また、楽器店のスタッフに相談することもおすすめです。
よく分からないまま色々購入してしまい、無駄に予算を削らないためにも事前に下調べをして、必要な情報を知っておくことは大切です。
最初は何を買えばいいの?
エフェクターはエレキギターの音作りにおいて必須の機材ではありますが、様々な音楽メーカーからたくさんのエフェクターペダルが販売されており、初心者の方にとってはどれを買えばいいのか悩みどころだと思います。
ここから、個人的に思う「最初に揃えるべきエフェクター」をいくつかご紹介します。
1つ目 : 高品質なチューナー
エレキギターを正確な音程にチューニングすることは、音楽の基本です。高品質なチューナーは、ピッチや周波数を非常に正確に検出し、ギターの弦を正しい音程に調整することができます。
これにより、他の楽器やバンドメンバーとの調和が生まれ、クリアで鮮明な音色を得ることができます。ペダル式のチューナーであれば、ライブ演奏時にも便利なツールとして機能します。
ギターチューニングの正しいやり方でも説明していますが、万能タイプ、エレキタイプ、アンプラグドタイプとありますが、おすすめは「エレキタイプ」のチューナーで、非常に高性能な製品が多く揃っているのでオススメです。
→【2022年最新】高品質なギター用ペダルチューナーおすすめ8選
2つめ : 歪みエフェクター(オーバードライブ・ディストーション)
チューナーの次に重要度の高いエフェクターが、オーバードライブやディストーションと呼ばれる「歪みエフェクター」です。歪み系のエフェクターもギタリストのエフェクターボードに必ず一つはある、鉄板エフェクターです。
綺麗なギターサウンドから、いわゆるロックっぽい激しく歪んだサウンドにするために必要な機材なので、これを購入しないとエレキギターの醍醐味を味わえません。
歪みエフェクターを使うことで、音楽的な表現力を大幅に拡張することができます。歪みエフェクターを使用することで、パワフルなリフやソロ、エモーショナルなフレーズを演奏することが可能になります。
※歪みの仕組みについて詳しくしりたい方はこちらの歪み(オーバードライブ、ディストーション)が音楽に与える効果をあわせてご覧ください。
ギターアンプにもドライブ機能がついている場合がほとんどですが、エフェクターごとの固有のサウンドキャラクターを目的に導入するギタリストも多いです。
→【2023年最新】ギター用ディストーションエフェクターおすすめ12選
3. 空間系(リバーブ・ディレイ)
続いてもギタリストにとって必須のエフェクターである「空間系エフェクター」です。ディレイやリバーブといったいわゆる部屋の「鳴り」を再現するエフェクターで、分かりやすいところでいうとカラオケのエコーがそれにあたります。
小さな部屋にいながらにして、大ホールでライブをしているかのような壮大なサウンドを再現することが可能になるのでギターソロやリードフレーズでも迫力を出すために良く使われます。
※空間系エフェクトについて詳しく知りたい方はリバーブの種類とその効果についてをご覧ください。
→リバーブエフェクター おすすめ 5選【ギター用】
定番のエフェクターブランド
どの製品を購入すれば迷っている場合は「定番のエフェクターブランド」から探すという方法もあります。
定番のブランドであれば、長い歴史と信頼性を持っています。信頼あるブランドは、品質管理に厳格であり、高品質な製品を提供するために常に努力しています。
エフェクターブランドは色々ありますが、以下は定番として知られる人気ブランドです。
- BOSS
BOSSは非常に信頼性の高いエフェクターブランドであり、ギタリストであれば知らない人はいない程の知名度を誇ります。特にコンパクトなサイズや耐久性の高さで知られており、多くのプロフェッショナルギタリストから支持を受けています。 - TC Electronic
TC Electronicはデジタルエフェクトの分野で高い評価を受けているブランドです。デジタルディレイやリバーブ、モジュレーション効果など、多彩なエフェクトを提供しています。音質のクオリティや機能性の高さが魅力です。 - STRYMON
STRYMONは高品質なエフェクトペダルを製造しているアメリカのブランドで、特にディレイやリバーブ効果において評価が高いです。豊かで自然なサウンドを実現するための革新的なテクノロジーを採用しており、プロミュージシャンからの支持が厚いです。 - Electro-Harmonix
Electro-Harmonixは幅広いエフェクトペダルを提供している老舗ブランドです。特にオーバードライブやファズ、ディストーションといった歪み効果において名高く、その独特な音色と個性的なデザインが特徴です。 - MXR
MXRはコンパクトで使いやすいエフェクトペダルを展開しているブランドです。特にフェイザーやコンプレッサー、ディストーションといったクラシックなエフェクト効果において高い評価を受けています。その堅牢な製造品質と豊かな音色が人気です。
これらのブランドはエフェクター市場で長い歴史と信頼性を持っており、幅広い種類のエフェクターを提供しています。
ただし、最終的な選択は個人の好みや演奏スタイルによって異なる場合があるので、試奏や自身の要求に合ったエフェクターを選ぶことを忘れないようにしましょう。
エフェクターのセッティング方法
ギター用エフェクターを正しく使用するためには、アンプとギターの両方に接続する必要があります。
エフェクターはギターとアンプの間にセットすることで、ギターからの音声信号がアンプから出力される前にサウンド変化させ、エフェクト効果を最大限に発揮することができます。
エフェクターをギターとアンプに接続するには、通常は2本のシールドケーブルを使い、エフェクターを複数個繋げるときにはパッチケーブルと呼ばれる短いケーブルを使用します。
手順としては以下の通りです。
- アンプの電源が切れていることを確認してください。
- ギターシールドをギターに接続します。
- 反対側をペダルの「入力」側に接続します。
- 2本目のギターシールドでペダルの「出力」側に接続します。
- 次に、反対側をアンプの「入力」に接続します。
一つのエフェクターを繋ぐ場合はこれでOKですが、複数のエフェクターを繋いだり、効果の違いエフェクターを繋ぐ場合には、繋ぐ順番に気を付ける必要があります。
→ギターエフェクターの正しいつなぎ方
複数のエフェクターを繋げる場合
複数のエフェクターをアンプやギターに接続する場合には、パッチケーブルを使ってエフェクターとエフェクターを繋ぎ合わせた「エフェクトチェーン」を作成する必要があります。
エフェクト同士を接続するときは15~30cmほどの短いパッチケーブルを使用することで、配線をスッキリとさせて、音の劣化も最小限に抑えることができます。
一つ目のエフェクターには通常のシールドを使ってギターに接続し、エフェクトチェーンの最後のエフェクターからアンプに接続します。
エフェクターの電源
エフェクターは電池駆動できる機種もありますが、基本的にはアダプターを使って電源を供給するのが一般的です。
ほとんどのコンパクトエフェクターは9Vバッテリーで駆動しますが、エフェクターが多くなってくると電池切れが発生したりと、電源の管理が大変になるのでパワーサプライユニットを使用して、まとめて電源供給します。
その他にも、ミニバージョンのエフェクターを使用している場合は、内部にバッテリーが搭載されていないので9VDC電源アダプターが必須となります。
まとめ
エフェクターは、ギターサウンドを豊かにし、個性的な音色を作り出すために使用されます。
しかし、適切なエフェクターの選び方とセッティング方法は重要です。今回の内容参考にして、エフェクターの種類や効果、音楽ジャンルに応じた選び方、正しいエフェクターセッティングにより、ギターサウンドの可能性を最大限に引き出し、独自のサウンドを手に入れることができます。
購入する際は、自分の好みや演奏スタイル、音楽ジャンルや好きなアーティストのサウンドを参考にして、実際に店舗で試奏してみることも大切です。
以上、「エレキギターの「エフェクター」って何?正しい選び方とセッティング方法について」でした。