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DTM

キックドラムが抜けてこないときに改善するべき6つのポイント

2020年5月24日

キックドラムの画像


キックドラムが抜けてこないときに改善すべき6つのポイント


以前、バスドラムのミキシングテクニック【Rock Kick】でもお話したようにキックドラムはミキシングにおいて最も重要なパートです。


特にEDMやHiphopのようなジャンルではボーカルよりもキックドラムがメインとされることが多く、ミックス内では一番大きく鳴るように、他の楽器よりも手前に配置しなければいけません。

初めははっきりと聴こえていたキックも、トラックが増えてくるにつれてなんだかこもって聴こえたり、パンチが無くなって抜けてこないといった経験はありませんか?


今回はそのような場面で必ず役にたつ、キックドラムが抜けてこないときに改善すべき6つのポイントについて解説します。


1. ボリューム

ミキサーの画像


もっとも基本的なことですが、単純にボリュームを上げるだけで解決することもよくあります。

キックのボリューム感が邦楽と洋楽では全然違うので、普段邦楽をメインで聴いている人からすれば「こんなにキック大きくていいの?」と思うぐらいに海外はバチバチにキックが鳴っています。


ミキサーのボリュームフェーダーはキックが一番大きく鳴っていますか?
海外の音源を参考にして、思い切ってフェーダーを上げてみましょう。



2. サチュレーション

サチュレーションの画像


サチュレーション=歪みです。

ギターに使用されるオーバードライブやディストーションと原理は同じですが、キックの場合は音質が激しく変化しない程度の微量の歪みを加えます。


同じ音量でもサチュレーションをかけてブーストされたキックは倍音が付加されて音圧が増します。

ローミッドからミッドにかけての「人の耳が認識しやすい帯域」が自然にブーストされることで、実際の音量感以上に手前にキックが抜けてきます。

サチュレーション無し
サチュレーション有り



3. 高音域が足りていない

キックの周波数の画像


キックサンプルによっては高音域がまったく出ていないサンプルも存在します。

最近のHiphopやTrap系のサンプルパックによくあるキックサウンドなのですが、ビート系のリズム楽器主体の上物が少ない音楽だからこそ通用する音質なので、EDMのようにシンセが大きくなっているジャンルだと埋もれてしまいます。


単体で聴くと低音が豊富でカッコいいサウンドに聴こえるんですが、アンサンブルだとしっかりと高音域をブーストしないと抜けてきません。

低音が豊富なキック


高音域を付加する方法としてもっとも一般的なのが、2つのキックを重ねる「レイヤー」です

上のサンプルの場合だと600Hz以上が弱いので、アタック成分が豊富に含まれたキックを探して重ね合わせます。


EQフィルターを使用して2つのキックの高音成分と低音成分に分けてから重ねると綺麗に二つのキックが鳴ります。

低音キックの画像
高音キックの画像


高音を重ねたレイヤーキック



4. トランジェント

トランジェントの画像


トランジェントとは波形の頭の部分に一瞬だけ発生する高振幅のことです。

キックでいうとビーターがバスドラムを叩いた瞬間に生まれる瞬間的な大きなエネルギーのことです。


特に打楽器においてはこのアタック部分に生まれる瞬間的なエネルギーがもっとも大事なので、コンプレッサーで潰してしまわないように気を付ける必要があります。


「Transient Shaper」と呼ばれるプラグインを使用してアタック部分のみをブーストすることで、簡単にパンチのある抜けるキックサウンドが手に入るので試してみてください。

海外の大手プラグイン販売サイト「Plugin Boutique」で頻繁にTransient Shaperのセールが行われているので、タイミングが良ければ1000円台でも購入できるのでチェックしてみてください。



5. ローエンドマスキング

ローエンドマスキングの画像


キックの低音部分がベースと被ってしまっていて音像が濁ってしまっているパターンです。

キックが最大限鳴るように、ベースとキックを上手く住み分ける必要があるのですが、ローエンドミックスは非常に難易度が高いです。


ローエンドについては別記事でも詳しく解説しているので合わせてご覧ください。

実際にベースとキックを上手く住み分ける方法は色々ありますが、次の項目のサイドチェインによる「ダッキング」を使うのが一般的です。


6. ダッキング

ダッキングの画像


ダッキングとはキックが鳴った瞬間にだけ特定のトラックのボリュームを下げることができる、非常に便利なテクニックです。

どんなにトラックを重ねてもキックが鳴った瞬間にだけキック以外の音量を下げることで、キックの為のスペースを空けることができ、いつでもキックを最大限に鳴らすことができます。


ボリュームオートメーションを書いたり、専用のプラグインを使ったり様々な方法でダッキング効果を得ることができますが、サイドチェインコンプレッションの重要性とテクニックについてでもお話したようにエレクトロ系ミュージックにおいては必須のテクニックなので、必ずマスターしましょう。


まとめ


キックドラムが抜けてこないときに改善するべき6つのポイントについて解説しました。

  1. ボリューム
  2. サチュレーション
  3. 高音域が足りていない
  4. トランジェント
  5. ローエンドマスキング
  6. ダッキング


これらをチェックして改善すれば間違いなく手前に張り付くような抜けるキックになります。

これでもまだ抜けてこないという場合にはキックサンプル自体が良くないということが考えられるので、違うサンプルを試してみましょう。


以上、キックドラムが抜けてこないときに改善するべき6つのポイントでした。


今回の内容をYouTubeでも詳しく解説しているので、ご覧ください。



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