DTM

こもった音をクリアにするたった3つのこと【DTM】

2020年3月16日

クリアな画像

こもった音をクリアにするたった3つのこと【DTM】

自分の楽曲がプロの楽曲に比べるとなんだか濁って聴こえる・・・という経験はDTMerなら誰もが味わったことがあると思います。

プロの楽曲は楽器ごとの解像度が高く、手前に張り付くようにくっきり聴こえるのが特徴です。濁りを解消する為に複雑な手法を使っているわけでもなく、意外とシンプルなテクニックだけでもスッキリとした音像に仕上げることは可能です。

今回はミックスに明るさを与え、クリアな音源に仕上げる為のたった3つの方法について解説します。

1. 高音と低音のフィルタリング

フィルタリングの画像

一番簡単で効果的な方法がフィルターを使い、各楽器ごとの不要な低音や高音を取り除くということです。ミックス内の各楽器はそれぞれを住み分けし、スペースを奪い合うことなく配置する必要があります。

EDMのようないくつものサウンドを使用したり、多くのトラックをレイヤーする場合も同じです。

例えば、ベースを2本使う場合にも、片方はローエンド用のサブベースの帯域で、もう片方はローミッドのベースキャラクターを位置付けるポジションでしっかりとフィルタリングことで、それぞれのベースの役割を明確にします。

ローエンドベースの画像
ローエンドベース
ローミッドベースの画像
ローミッドベース

フィルタリング処理をすると楽器単体で鳴らした場合に弱々しいペラペラな音に感じることがありますが、楽器単体の音質よりも、常にミックスの全体を考えて判断することが重要です。

2. リバーブ処理

リバーブプラグインの画像

リバーブは音楽制作において空間感や奥行きを与えるための重要なエフェクトですが、誤った使い方をすると低音が飽和し、ミックス全体がにごってしまうことがあります。

この問題を解決するためのいくつかのポイントがあります。

低音楽器のリバーブ

SE的な使い方で、あえてキックドラムにリバーブをかける場合や特殊な演出を除いて、基本的には低音楽器にリバーブをかけることはあまり良くないとされています。

低音の持つエネルギーは強く、リバーブをかけると一気にミックス全体を濁らせてしまいます。
低音にリバーブをかける場合はDecayをかなり短くして、耳でわからないぐらいうっすらかけるのがコツです。

リバーブのフィルタリング

一つ目に説明したフィルタリング処理がリバーブにも効果的です。

フルレンジのリバーブ信号は単純に楽器をいくつも重ねた状態と同じことなので、しっかりと上下のフィルター処理をしないと音像がぼやけて、原音を奥に引っ込めてしまいます。

ほとんどのリバーブプラグインには「ローカット」のパラメーターが付いているので、しっかりとリバーブの低音はカットしましょう。

リバーブフィルターの画像


リバーブテール

リバーブのテール部分(残響音)が次に鳴る音に被ってしまうこともミックスを濁らせる原因になります。

例えばスネアにリバーブをかける場合には、しっかりとテールの長さを調節する必要があり、次にスネアが鳴るまでにはリバーブテールが消えていることが理想です。

ディケイパラメーターの画像

Decayタイムを適切にする為の計算式は以下の通りです。

60,000÷楽曲のBPM=4分音符の長さ


これを目安にスネアにかけるリバーブの長さを調節してみてください。

3. サンプルの重なりとスミアリング

現在の音源サンプルのクオリティは素晴らしいですが、正しく配置しないと濁りの原因となります。

特に最近よく使われる808系のサンプルを連続して使う場合に、しっかりとテール部分をカットして次のサンプルが鳴る前にカットする必要があります。

808が重なっている画像

次に、これもキックやスネアサンプルによくあることですが、一番パンチのある最大音量部分が後ろにズレてしまったりしている場合もあるので、しっかりと小節の頭に波形の最大部分が当たるように配置しましょう。

音の鳴り始めが遅れている画像
頭を揃えた画像

瞬間的なエネルギーを必要とする楽器にとって、トランジェント部分がズレてしまったり、他の音が重なってしまうことはあまり良くないです。

スミアリングとは位相によって起こる問題のこと

音源サンプルを使用する際の濁りの原因として、もう一つ位相の問題があります。

位相は、波形が時間的にどれだけずれているかを示すものであり、音の波形の波がプラス方向とマイナス方向で重なり合うと、相殺して打ち消し合ってしまいます。

波形の画像
波形の始まりが上方向に対して
波形の画像
波形の始まりが下方向の波形

例えば2つのキックサンプルをレイヤーする場合にトランジェント(音の立ち上がり)の部分の位相がズレていたりするとお互いを打ち消しあい、ミックス内で引っ込んでしまう可能性があります。

特に低音の波形は干渉しやすいので、基本的に音の波形はすべて上方向から始まるように揃えておくことで、スミアリングを回避することができます。

以上、濁ったミックスをクリアにするたった3つのことでした。


クリアで立体感のあるミックスの為の5つのリバーブテクニック

ミックス&マスタリングでやりがちな6つの間違い

※本サイトには、アフィリエイトリンクまたはプロモーション記事が含まれている場合があります。

人気記事

1

人気VSTプラグインソフトおすすめ12選【DTM】 これからDTMを使った作曲を始める方に向けて、人気のあるおすすめプラグインソフトをご紹介します。海外の最大手プラグイン販売サイト「Plugin Bo ...

2

EDMの作り方【DAWを使った打ち込み方法】 DAWを使ったEDM(エレクトロ・ダンス・ミュージック)の制作は、シンセサイザーのようなソフトウェアの操作、各種エフェクト関連、ミキシングテクニック等、覚 ...

3

ヒップホップビートの作り方【Beat Making】 世界の音楽シーンはHiphop一色となっており、最近では国内のHiphopシーンでも海外プロデューサーのType Beatを使用した楽曲が目立つよ ...

4

はじめてのギターエフェクター【最初に揃えるべきはコレ!】 エレキギターを購入した後に必要になるのが、ギターのサウンドを変化させる為の「エフェクター」と呼ばれる機材。ギターの音作りにおいて必須の機材では ...

5

オリジナル楽曲をサブスク配信する方法【Spotify、Apple Music】 何日もかけて完成した自分のオリジナル楽曲を、できるなら世界中の人に向けて発信してみたいと思いませんか?一昔前は個人が全国 ...

-DTM
-, ,

Copyright© TRIVISION STUDIO , 2024 All Rights Reserved.