自宅でのミックス作業に最適なモニターヘッドホン12選
最近は自宅でミックスからマスタリングまで完結することや、個人で活動しているプロデューサーやトラックメイカーも増えてきました。
スタジオや自宅のDTM環境でミキシングを行う場合には、原音再生能力と音の解像度の高いモニタースピーカー、もしくはスタジオ用ヘッドフォンが必要です。
今回は主に自宅で利用するのに最適なプロユース使用のヘッドホンを5つ紹介します。
ミックス用ヘッドホンの選び方
ミックス用のヘッドホンは、正確な音の再生ができることが非常に重要です。しかし、市場にはさまざまな種類のヘッドホンがあり、選び方に迷ってしまうこともあるかもしれません。
ミックス用ヘッドホンを選ぶ際に考慮すべきポイントは以下の通りです。
1. 周波数特性
周波数特性とは、帯域ごとにどの程度再生する能力があるのかということです。フラットでニュートラルな周波数特性を持つヘッドホンを探すと、ミックスをより正確に確認することができます。
2. クローズドバック型orオープンバック型
クローズドバック型は、ノイズの多い環境での使用に適しており、低音再生能力に長けている機種が多いです。オープンバック型は、音が外に漏れやすいですが、より自然で明瞭、かつ正確な音質が得られるためスタジオエンジニアに好まれています。
3. 装着感
耳を挟み込む「側圧」の強さは非常に重要です。ミックス作業は長時間に及ぶことがほとんどなので、長く装着しても快適なものを選択しましょう。
4. 耐久性
ヘッドホン本体の耐久性です。機種によってはイヤーパッド部分が交換可能だったり、ケーブルが交換できるものもあります。
5. 価格
もちろん価格が上がるほど高品質なヘッドホンではありますが、音楽制作はヘッドホン以外にもたくさん予算がかかります。特に最初は、自分に合った手頃な価格帯のものを選ぶことをおすすめします。
Beyerdynamic DT 770 Pro
- 優れた原音再生能力
- 海外でベストセラー
- 高い遮音性
海外のスタジオエンジニアやミュージックプロデューサーに人気の高い、ベストセラー製品「Beyerdynamic DT 770 Pro」
原音再生能力が非常に高く、低域から高域までバランスのとれたサウンドを出力してくれるので、サウンドエンジニア向けのシビアなミックス&マスタリング作業に最適です。
手頃な価格帯なので、レコーディングスタジオやホームユースにもおすすめです。
audio technica ATH-M50X
- 高い海外シェア率
- 取り回しが楽なのでDJにも人気
- ミキシングに最適
こちらも海外のレコーディングスタジオでのモニターヘッドホンとして高いシェアを誇る「Audio Technica ATH-M50X」
クローズドバックヘッドフォンは、バックグラウンドノイズをブロックするのに役立つため、音の解像度が非常に高く、音の細部まで聴きわけることが可能です。
筆者はこちらのヘッドホンを使用しております。過去にレビュー記事も書いているので参考にしてみてください。
→AUDIO-TECHNICA ATH-M50xBT 購入レビュー
Sennheiser HD 650
- 多くの賞を受賞
- 音漏れが気にならないのなら最高品質
- オールマイティーな性能
ドイツの音響機器メーカーであり、プロフェッショナルから支持されているゼンハイザー社の「Sennheiser HD 650」
一般リスニング用として使用されることが多い機種ですが、その音質の高さからホームスタジオや個人のプロデューサーに人気があります。
オープン型ヘッドホンになっており、ミッドレンジからハイにかけてのクリアさが特徴で、クラシックやオーケストラ系のサウンド再生に非常に長けています。
Beyerdynamic DT1770 PRO
- バランスの取れた可聴範囲
- ボーカルに強い
- 音密度が高め
DT 1770はミキシング用に特別に設計された、可聴スペクトル全体で非常にバランスが取れたヘッドホンとしてエンジニアから支持されています。
ミッドレンジには位相シフトがないため、繊細なミックス作業に不可欠な明瞭さが得られます。頭の周りに展開されたサウンドステージは、左から右、前から後ろ、立体的なオーディオソースを隅々にまで提供します。
DT 1770ハイインピーダンス設計であるため、最大限の音質を得る為にはある程度ドライブする必要がありますが、音が詰まった激しいジャンルであってもリバーブテールから、サチュレーションやクリップによる繊細なノイズまで、シグナルチェーンが供給できるものすべてを再生します。
Focal Listen Professional Studio Headphones
- ニュートラルなサウンド
- 万能型ヘッドホン
- パーツ交換可能
Focal Listen Professionalsは、ハイエンドスピーカーでも著名な"Focal"のプロフェッショナル仕様のスタジオヘッドホンです。
リスニング用とミキシング作業の両方に最適で、精緻かつ全帯域に渡ってニュートラルなサウンドになるよう制動されたトーンは、万能型ヘッドホンとして人気があります。
音質は、原音に忠実でありながらも、パンチの効いた低音、伸びのある豊かな中音、煌びやかなクリアな高音を備えています。
AKG K712 Pro
- 豊かな音響性能
- 広い音場
- 快適な付け心地
K712 Proは、オープンバック設計かつ、10Hz~39.8KHzまでの幅広いオーディオ周波数範囲を備えているため、非常に豊かな音響性能を提供します。
独自のハウジング構造を採用いるため、目の前で演奏を聴いているかのような広い音場と、音の定位、奥行きを正確に再現します。
耳全体を覆う大型のイヤーパッドは低反発素材が採用されており、長時間のモニターでも快適な着け心地をキープすることができます。全体は滑らかなベロア素材で、上質な肌触りを提供。
Rode NTH-100
- 高いコストパフォーマンス
- クールなデザイン
- 幅広いクリエイターに人気
NTH-100は、革新的なデザインとクリアで忠実なサウンドを持ち、ミキシングだけでなく、音声録音、映像制作、動画配信やゲーミングなど、あらゆるコンテンツ制作に最適なプロ仕様のオーバーイヤーヘッドホンです。
マイク市場で有名なRODEですが、マイク以外の音声機器の製造にも注力しており、最近ではライブ配信やポッドキャスト向きのオールインワン配信ツール「Rode Caster Pro II」をリリースし、NTH-100は同社の最初のヘッドフォンとして注目されています。
また、RODEは手頃な価格帯で高品質な製品を提供することで知られており、このモニターヘッドフォンもコストパフォーマンスを重視して製造されています。
Sony MDR-CD900ST
- 国内の大定番
- 解像度の高さ
- 低価格
国内においては圧倒的なシェア率を誇る「Sony MDR-CD900ST」
音楽をやっていなくても、ご存知の方は多いのではないでしょうか?
音の解像度や原音再生能力は高いですが、1989年発売のレトロタイプの製品であるため、現在のデジタル主流な音響環境よりは、アナログタイプを得意としています。
ロックンロールや、ポップミュージックを作るときに最適です。
audio-technica ATH-R70X
- フラットな音質
- 高い定位再現性
- ストレスのない付け心地
プロ使用のモニタリング、普段のリスニングからゲーミングヘッドホンとしても活躍している「audio-technica ATH-R70X」
音の解像度はもちろん、空間再生能力に優れており、音の位相感の把握にも最適です。
比較的ニュートラルなサウンドですが、やや低音再生能力に長けているので、EDMやHip-hopのベースミュージックのミックスにも役立ちます。
Sony MDR-7506
- レコーディングにも最適
- バランスの取れたサウンド
- 低価格
業務用のモニターヘッドホンとして、高音質・高耐入力を実現。CD900STと同じくレトロタイプのオーバーイヤーヘッドホンとして、バランスの取れたサウンドを提供します。
クローズドバック設計のおかげで、スタジオの主力製品として人気があり、レコーディング中にオーディオ音声が漏れるリスクを下げます。
オーディオ ケーブルは取り外しできなかったり、作りもプラスチック製でややチープな印象を受けますが、ビルド品質を気にしなければ、レコーディング&ミックスに適したバランスの取れたサウンドです。
Shure SRH1540
- 信頼性の高さ
- クリアで広い音像
- 快適な装着感
マイクロフォンをはじめとするプロオーディオ機器の製造を行う「Shure」による、信頼性の高いスタジオ用ヘッドフォンです。
プレミアムモデルのこの「SRH1540」はユーザーの期待を裏切らず、優れた音響性能、快適な装着性、長い耐久性を誇り、プロフェッショナルなオーディオファンを満足させます。
クリアで広大なサウンドステージと、最高の快適さと遮音性を提供する為の、アルカンターラレザーイヤーパッドを備えています。
Sennheiser HD 800 S
- 最高の音声品質
- ニュートラルなサウンド
- 高価格
予算を気にせず、最高の音声品質を求めている方にはこの「HD 800 S」が最適です。
ゼンハイザーがこれまで蓄積してきた技術をフルに投入し、新たな到達点を目指した特別なモデルHD800。その後継モデルであるHD800Sはオリジナルモデルを凌駕する卓越のサウンド再現力
オープンバックヘッドフォンの為、非常にニュートラルなサウンド特性を持っており、ボーカルやリード楽器が正確に聞こえる優れたミッドレンジレスポンスを備えています。高音域も非常にバランスが取れており、耳障りになることはありません。
まとめ
自宅でのミックス作業に最適なヘッドホンを8つご紹介しました。
- Beyerdynamic DT 770 Pro
- audio technica ATH-M50X
- Sennheiser HD 650
- Sony MDR-CD900ST
- audio-technica ATH-R70X
- Sony MDR-7506
- Shure SRH1540
- Sennheiser HD 800 S
この中でも特に音漏れが気にならない環境なら「Sennheiser HD 650」をおすすめします。
有名音響メーカーであるSENNHEISER社の最上級モデルで、圧倒的な音質を誇ります。
以上、自宅でのミックス作業に最適なヘッドホン12選でした。