DTM

パラレルコンプレッションの使い方

2020年2月2日

パラレルコンプレッションの画像

パラレルコンプレッションの使い方


今回はパラレルコンプレッションの使い方について説明します。

別名ニューヨークコンプレッションとも呼ばれ、キックやベース、ボーカルといったパートによく使われるミキシングテクニックの一つです。


ダイナミクスを上方修正するテクニックで、ドライ信号とコンプで圧縮したウェット信号を並列処理することで、元の音源のダイナミクスを維持したまま、コンプレッションされたエネルギーを付加することが可能になります。


※少し難しい内容なので、コンプについてまだそこまで詳しくないという方は、まずはコンプレッサーの基本的な使い方を合わせてご覧ください。


パラレルコンプレッションの原理

コンプレッションの原理の画像


人間の耳は瞬間的な大きい音量よりも、小さい音が大きくなることには敏感です。

例えばキックにパラレルコンプを使う場合、ドライ信号による豊富なダイナミクス感は残しつつ、強く圧縮してサウンドのボトム部分を残したウェット信号をレイヤーすることで、瞬間的に大きいアタック以外のキックドラム全体の「鳴り」を増強します。

ドライ信号のみ
パラレルコンプレッション加工


アタック感はそのままで、キック全体が図太く鳴っている感じが分かるかと思います。


パラレルコンプレッションの設定方法


具体的にDAW上での設定方法なのですが、そのままのドラムのドライ音源とコンプでかなり強めに圧縮したウェット信号を用意します。

圧縮した画像
上段ドライ、下段ウェット


ウェット信号のコンプ設定値の大体の目安としては以下です。

・RATIO > 6:1
・ATTACK > 0.1~5ms
・RELEASE > 250ms
・GAIN REDUCTION > 15~20dB


アタック早めで、かなりがっつり潰しちゃって大丈夫です。


次にそれぞれのオーディオ音源をレイヤーするのですが、2つのボリュームバランスとEQ処理が重要になります。

圧縮しているとはいえ、同じドラム音源を2つ重ねることになるので、EQを使って不要な部分をしっかりとノッチ処理しないと耳障りな音が目立ちます。

EQの画像


キックの場合大体3~6kHzの間に不要な音が混ざっていることが多いです。


パッチ機能


DAWによってはパッチ機能が搭載されているものもあるので、利用すると設定がとても楽になります。

筆者が使用しているFL Studioの場合「Patcher」というプラグインエフェクトを使用すると

パッチの画像


このように、ギターのペダルボードのようにプラグインエフェクトを並列で繋ぎ合わせることができるので便利です。



以上、パラレルコンプレッションの使い方でした。


ギター用コンプレッサーの正しい使い方

【やってはいけない】リバーブエフェクトの5つの間違った使い方

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