バンドにおけるピアノ、キーボードアレンジの方法【バンドアンサンブル】
↑今回のブログ内容の音声配信です。
今回はソロのピアノではなく、バンドアンサンブル内におけるピアノやキーボードのアレンジやサウンドメイクについてお話していきます。
ピアノは使える音域がとても広く、ソロの場合はベースパートからメロディーパートまでを一人でこなせる非常に優秀な楽器なのですが、色々な楽器が入り混じったアンサンブル内ではその音域の広さがマイナスに働いてしまうこともあります。
何も考えずにピアノ単体で綺麗に聴こえるように演奏してしまうと、ギターやベース、ましてやボーカリストにまで悪い影響を及ぼすこともあるので、しっかりとバンドに最適なアレンジを加える必要があります。
担当する音域
まずはピアノが全体のどこの音域を担当するのかという住み分けを行いましょう。
先ほども言いましたが、ピアノやキーボードは使える音域が非常に広いので、編曲の段階で周りの楽器に合わせて、ある程度絞り込む必要があります。
逆にドラム、ギター、ベースというのは使える音域というのがほとんど決まっていて、ピアノと違い選択肢の幅は狭くなります。
一般的にはギターとベースの周波数帯域をみて、そこに被らないようにピアノを配置するのがもっとも好ましいです。
あとはピアノを主体とするのか、伴奏的なポジションで後ろで鳴っていてほしいのか、様々な要素を考えてピアノ・キーボードが担当する音域を絞り込んでいきましょう。
ピアノの住み分け方法
他の楽器との兼ね合いを意識しながら、ピアノのボイシングを決めます。
ピアノの左手はベースの上、ギターの下あたり、右手はギターの上辺りを意識してボイシングを組んでいきます。
実際はここまで極端にはなりませんが、イメージとしてはこういった感じです。
ただ役割的にもギターとおいしい帯域が被ることが多いので、前後(ボリューム)で調節したりもします。
少しぐらいは音が被ってしまってもOKです。
まったく被らないようにすると極端なアレンジになってしまったり、自由度が無くなります。
バンドは譲り合い精神が大事なので、ベースとギターもピアノのためにスペースを空けてあげると結果的に良くなりやすいです。
特に高音よりも左手の低音側(ベース側)を意識してフレーズを作っていきましょう。
高音よりも、低音側のマスキングのほうがアンサンブルにとっては良くないので、ベースは低音に任せてしまったほうがいいです。
EQを使ってカット
電子ピアノの場合EQやフィルターを使ってさらに細かく整えます。
DAWの場合は目視で音を調節できますが、バンドの場合はスタジオ内の音を耳で聴いて調節していきます。
大体のセオリーとしては
- ベースの為に100~200Hz辺りからハイパス
- ボーカルの帯域を少しカット(人によりますが大体500~2kHzぐらいの間)
- ベースとギターの間の300~400Hz周辺をブースト
- ギターのちょっと上、4~6kHz辺りをブースト
もちろん設定値は一概には言えませんが、この辺りを意識して調節するとスッキリして、聴かせたいおいしい部分がブーストできます。
耳だけで判断するのは経験も必要ですが、慣れるまではスマホアプリの「スペクトラムアナライザー」を使用するのをオススメします。
こちらの記事内で紹介しているので、気になる方はご覧ください。
左手でリズム、右手でハーモニー
ドラムやベースのグルーヴを感じ取り、ピアノの左手側はなるべくそれに合わせます。
「ルート+オクターブ」の形や「ルート+5度」を意識して作ると安定します。
音域が低すぎてベースと被っているなと感じたら、ルートはベースに任せて転回系のボイシングの形にしたりしてアレンジを加えます。
左手ができたら次に右手側です。
右手はコードを弾いたり、メロディー担当です。
バンドアンサンブルにおいては、クローズドボイシングで、帯域が上下しないように気を付けることで、他の楽器とのマスキングを回避しやすくなります。
このようにオンコードの形にすることで、なるべく帯域が上下しないアレンジを取り入れます。
→シンセコード作成時のテクニック【EDM】
まとめ
バンドアンサンブルにおいてのピアノアレンジでした。
- 担当する音域を決める
- 他の楽器との住み分け
- EQ等のエフェクトを使用して処理
- 左手でリズム、右手でコード
これらを意識してアレンジを行うことで、バンド内でもスッキリとしたピアノアレンジが可能になります。
ピアノだけではありませんが、バンドアレンジのコツはしっかりと他の楽器のことも考えてアレンジや音作りすることが大切です。
単体で作るよりも自由度はなくなりますが、各楽器の苦手な部分は補ったり、得意な部分はゆずりあったりして、チームプレイで最高のバンドサウンドを奏でましょう。
以上、「バンド内のピアノ、キーボードのアレンジ方法【バンドアンサンブル】」でした。
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