DTM

ミックス品質を向上させる為の重要な5つの工程【DTM】


ミックス品質を向上させる為の重要な5つの工程について


ミックス作業を始めるにあたって、いつも感覚だけを頼りに闇雲に作業を進めていませんか?

ミックスのゴール地点は?最適なキックのボリュームやギターの配置、シンセコードの音色等、その都度感覚でやっていては毎回仕上がりがバラバラで、ミックス品質は向上しません。


今回はよりミックス品質を向上させる為の準備や心構えについていくつかご紹介します。


1. リファレンスを用意する

Referenceの画像


自分の理想的なサウンドを探して、リファレンス楽曲として用意することはミックスのゴール地点を見失わない為にも非常に重要です。

すべてをゼロから組み立てる、完全なオリジナリティにこだわる方をたまに見かけますが、まず自分より優れている人やプロの作品を参考にするというのは、どの分野でも当たり前に行われていることです。


自分の楽曲のハイハットの大きさが適切かどうか、ボーカルが埋もれ過ぎていたり、浮いてしまっているかどうかもミックス作業に没頭していると判断できなることもあります。

常にリファレンストラックをワンクリックで聴けるような状況で作業を進行するようにしましょう。


2. トラックの重要度

重要度の画像


ミックス内の多くの要素を重要度の高い順に並べます。

ミックススペースは容量が決まっていて、ボーカルもギターもキックもすべてを同じように聴かせることは不可能です。

なので重要な要素から順番にスペースを埋めていくように配置することで、トラック同士が干渉することなく、最終的な音圧も上げやすいというメリットがあります。

まずは作者自身が聴かせたいトラックをしっかりと把握しておくことが大切です。

なるべくスペースを無駄なく有効活用する方法としてパンニングやサイドチェインによるダッキングなど、多くのテクニックがあります。

ステレオ音像を大きく広げる為のミキシングテクニック。


トラックの重要度はジャンルや流行でも変化するので、常に最新ヒットチャートをチェックしたり、音楽情報を収集してトレンドを把握しておくことも必要です。

最近のエレクトロミュージックやPOPSの場合にはキックかボーカルであったり、HiphopやTrapといったジャンルではベースである場合がほとんどです。


3. 不要なトラックの削除

削除の画像


初心者の方がよく勘違いしていることの一つとして、「トラック数は多いほど良い」というものがあります。

トラックが多いこと自体は問題ではないのですが、上級者ほど「引き算アレンジ」を行っているということです。

何かあったときはトラックを足したりブーストするのでは無く、余計な音を削除したりEQを使ってカットするよにすることで濁りが解消し、結果的に良くなる場合が多いです。


EQ(イコライザー)を使って不要な音をカットしよう
濁ったミックスをクリアにするたった3つのこと【DTM】


プロのエンジニアやプロデューサーはまずは削除できる不必要なトラックが無いかをチェックするとも言われています。

トラック数が多く見えるプロデューサーも実はほとんどがオートメーショントラックのような補助的な役割のトラックである場合が多く、音源の数はそれほど多くありません。

先程のトラックの優先度を決める段階で、そもそも優先度の低いトラックは削除してしまうという判断もときには必要です。




4. 高品質な音源

loopmastersの画像


どんなに優れたミキシングテクニックよりも高品質な音源サンプル一つのほうが優秀です。

音源ソフトにも言えることですが、元である楽器やサンプルの音質が最終的な音源のクオリティに大きく影響します。

良い音源を使うことはミックス作業の大幅な短縮にも繋がるので、なるべく初めから予算をかけて良質な製品を手に入れましょう。

良質な音源サンプルは海外の大手販売サイトの「Splice」や「Loopmasters」をおすすめします。



5. 音量バランス

トラックの画像


トラックごとのボリュームの調整がミックスの基本中の基本であり、適切な音量レベルの設定がミックスダウン工程の9割を占めていると言われています。


リファレンストラックを使用して、すべてのトラックの音量レベルを重要度の順に設定するのですが、ここでも気を付けるべきなのが、ブーストさせるよりも、なるべくマイナス方向にフェーダーを動かしてスペースを確保することです。

例えば高音域が足りないと思ったら、ギターやシンセをブーストするのではなく、ベースやキックの低音を削ることで相対的に高音が抜けてきます。
それでも足りない場合に少しブーストしてみるといいでしょう。

スペクトラムアナライザの画像


次に気を付けるべきことが、重要なポジションの楽器は全体の音量バランスの指針となるので、一度決めたらなるべく動かさないようにしましょう。

例えばキックから音量バランスを取り始めたのに、あとになってキックが大きいからとフェーダーを下げてしまうと、トラック全体に影響を及ぼしてしまい、いつまでも音量バランスが決まりません。
なるべくトラック全体の中心となる楽器は-6~9dBの間ぐらいで固定してしまって、それを基準に他の楽器の音量バランスをとると上手くいきやすいです。


すべての音量バランスが整ったら一度モノラル状態にして確認してみると各トラックの音量差が聴き分けやすくなります。


まとめ


ミックス品質を向上させる為の重要な5つの工程について解説しました。

  1. リファレンスを用意する
  2. トラックの重要度
  3. 不要なトラックの削除
  4. 高品質な音源
  5. 音量バランス


この辺りを作業に移る前に準備して、常に意識しながらミックスすることで、最終的なトラックのクオリティも安定してくるかと思います。


以上、ミックス品質を向上させる為の重要な5つの工程【DTM】でした。


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