【ワンランク上の空間表現】リバーブエフェクトの3つのテクニックの5つのテクニック
リバーブエフェクトは、DTMで音楽制作するときに欠かせないエフェクトで、デジタル音楽に実際の空間音響を再現することが可能になります。
→クリアで立体感のあるミックスの為の5つのリバーブテクニック
今回は少し独特で新しい効果を生み出す3つのリバーブテクニックをご紹介。
1. ミッドサイドリバーブ
M/S処理とは通常左と右に分かれたステレオ信号を中央と両サイドに分けて処理する方法で、リバーブ信号はM/S処理において優れた効果を発揮します。
左右に広げたリバーブ信号のサイドのみのリバーブレベルを上げることで信号の幅が広がり、リバーブがキックやベースの「マッドゾーン」に入らないようになります。
このテクニックを使用すると、中央にパンされたボーカルはリバーブが適用されませんが、別でボーカル用のリバーブを使用することで解消できます。
リバーブMS処理のやり方
- リバーブのAuxトラックを作成し、MS処理エフェクト(Voxengoのフリーエフェクト「MSED mid-side encoder」がおすすめ)を挿します。
- リバーブ信号をAuxトラックに送る。
- MSEDの場合はエンコードモードでMS処理をする。
- ポストリバーブMSEDをデコードモードにする。
- デコーダーで中央の信号レベルを下げて、リバーブがサイドから鳴るようにする。
サイドを完全に分離させるのもいいですが、ディケイ時間を調節してミッドよりもサイドのほうが長くなるように設定することで、より自然なニュアンスになります。
2. ブルーミングリバーブ
このリバーブエフェクトは、リバーブ信号の発生を遅らせることで、時間の経過とともに信号が跳ね返ってきます。
プリディレイの効果と似ているようですが、かなり遅れて跳ね返ってくるのが特徴的です。
使用する場所は限られますが、音源ソースのトランジェントの邪魔をしたくない場合などに有効です。
ブルーミングリバーブのやり方
- 同じ種類のリバーブを2つ挿し、バスへのセンドを作成します。
- ウェット信号のみバスへ送り、メイントラックにドライサウンドを送ります。
- ウェット信号の位相を片方だけ逆転させます。
- 片方のディケイを少しずらして調整します。
極性が反転しているため、同じ設定のリバーブは相殺し合ってキャンセルされますが、微妙に異なるディケイタイムにより、徐々に相殺力が無くなり、ブルーミング効果を発生させます。
3. ダッキングリバーブ
ダッキングリバーブを使用することで、リバーブをフレーズ間のスペースに制限することができ、リバーブ信号が原音に被ることが無くなります。
今回の場合はスネアが打ち込まれる瞬間にリバーブエフェクトのレベルが下がることで、トランジェントが濁るのを避け、深いリバーブの中でもパンチのあるスネアヒットを入手できます。
このテクニックに必要なのは一般的なサイドチェインによるダッキング効果とエキスパンダーのようなダッキングを実行できるプロセッサーだけです。
ダッキングリバーブのやり方
- リバーブ信号をバストラックに送ります。
- バストラックにサイドチェイン効果のあるエフェクトを使用。
- 音源ソースをダッキングトリガーになるように設定する。
DAWごとにダッキングの簡単な設定方法は異なるので、普段使用しているやり方でサイドチェインの設定を行ってください。
→サイドチェインコンプレッションの重要性とテクニックについて
まとめ
リバーブエフェクトの3つのテクニックについて解説しました。
- ミッドサイドリバーブ
- ブルーミングリバーブ
- ダッキングリバーブ
一般的なリバーブに比べると少し特殊な効果を得られるリバーブテクニックです。
さらに特殊な効果を得たい場合にはフリープラグインの「Valhalla Super Massive」を使うと、プリセットに様々なリバーブの種類が入っているのでおすすめです。
以上、「【ワンランク上の空間表現】リバーブエフェクトの3つのテクニック」でした。