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リバーブの種類とその効果について

2020年1月26日

リバーブ効果

リバーブの種類とその効果について

音楽や録音の世界では、空間の響きや反響を再現するエフェクトとして「リバーブ」がよく使用されており、音楽や音声の録音、映画の音響効果など、幅広い分野で使われています。

リバーブにはいくつかの種類があります。たとえば、ホール、スタジオ、チャンバー、プレート、スプリングなどがあります。それぞれの種類によって、反響の長さや深さ、色合いが異なります。また、デジタル技術の発展によって、多くのリバーブエフェクトがソフトウェアでデジタル実現されるようになりました。

リバーブの必要性

リバーブとは空間で起こる「残響音」のことで、カラオケのエコーを想像してもらうと分かりやすいと思います。

自然界で残響音がない音は存在せず、普段生活しているときに聴こえる音には、必ずどこかに跳ね返った音も一緒に混ざって聴こえています。

デジタル上の音源サンプルやシンセサイザーのみで作られたサウンドのように、残響音がまったく無い状態だと違和感を感じてしまうこともあるので、それを避ける為にもリバーブの付加は重要になってきます。

一言でリバーブと言っても、ルーム、ホール、プレート等、種類やそれによるリバーブの効果も様々です。

室内における残響音の2つの要素は以下の通りです。

初期反射 (early reflection)
室内では、直接音が聞こえたあと数 ms から 100 ms くらいの間に、条件によっては、壁、天井、床などからの数十個の反射を他の音から分離して聞くことができる。これが初期反射である。部屋の形状が直方体であれば、 1 回反射は 6 個だけだが、より複雑な形状・または家具などがある部屋では反射音の数が増え、また壁などで複数回反射した音も聞こえる。初期反射は直接音とまとめて、ひとつの流れの音として認知されるという

後期残響 (late reverberation)
直接音が聞こえてから 150 ms 以上過ぎたころには、音は多数回反射し、反射音の数も増えているため、もはや個々の音を区別して聞くことはできない。また、音は等角反射するだけでなく、壁・天井などでも散乱されるため、残響の構造はさらに複雑になる。これらによって構成されるのが、後期残響である。このような後期の残響は、方向・位相がランダムで指数関数的に減衰する音によってモデル化される。後期残響は直接音とは異なる系統の音として認知されるという

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


これらの違いにより、リバーブの種類によって使用用途も変わってくるので、リバーブをかけるトラックに対して最適なリバーブを使うことがミックス品質向上に繋がります。

それでは、リバーブの種類とその効果についてお話します。


リバーブの効果について

リバーブの効果は、音をより自然なものにするだけでなく、深みや広がりをもたらすため、音の空間的な位置づけをより明確にする役割も持ちます。

リバーブを上手く使うことで、音の密度や奥行きを調整し、よりダイナミックな音を作り出すことができます。ここからは、代表的なリバーブの種類と、その効果についてご紹介していきます。

Room Reverb

ルームリバーブ

ルームリバーブとは、寝室やリビングぐらいの広さの空間で起こる残響音です。より自然なリバーブ効果が得られるのが特徴で、部屋の大きさ、形状、壁の材質や床材、天井の高さなどによって、反響音の種類や量が異なります。

ルームリバーブは、使用頻度は一番高く、普段生活している中で一番よく耳にするであろう残響音なので馴染みやすいこともあり、音楽の演奏や録音、映画の音響効果などにおいて、自然な空間感覚を表現するために頻繁に使われます。

Decay(音の減衰)は短くて初期反射は大きいタイプの密度の濃いリバーブなので、EQ等での低音処理は必須です。ドラムや弦楽器との相性が良いです。

Chamber Reverb

チャンバーリバーブ

チャンバーとは、小さな部屋や箱のことを指します。録音スタジオなどに設置された音響室内にある小さな部屋を使ってチャンバーリバーブを作り出すことが一般的です。

チャンバーリバーブは、ルームリバーブと比べて、反響音の長さが短く、明瞭で精密なエフェクトが得られます。また、ルームリバーブと異なり、部屋の特性に依存せずに均等な反響音を作り出すことができます。そのため、音楽のレコーディングにおいて、歌声や楽器の音色を引き立てる効果があります。

Decayは短く、初期反射の大きめのサウンドですが、非常にクリアで整ったリバーブ成分が特徴で、濁りの少ない明るい音色がします。ボーカルやリードギター等のトラック内の主役的なポジションに適応されることが多いですが、癖が少ないので万能型のリバーブともいえます。

Hall Reverb

ホールリバーブ

ホールリバーブとは、コンサートホールや劇場など、大きな空間で反響音を生み出すリバーブエフェクトの一種です。

より大きな空間で反響音を生み出すため、反響音の長さが長く、豊かで広がりのあるエフェクトが得られます。ホールリバーブは、オーケストラや合唱団の演奏、歌手や楽器の演奏録音などに頻繁に使用されます。

Dacayや初期反射は遅く、やや遅れてから密度の濃いリバーブ本体が跳ね返ってくるイメージです。壮大な雰囲気の楽曲やオーケストラサウンドにはピッタリなリバーブです。

壮大なサウンドが得られますが、過剰にリバーブ音を追加するとミックス全体がぼんやりとしてしまい、音が聞き取りにくくなるため、適度な量で調整することが大切です。

Cathedral Reverb

カセドラルリバーブ

カセドラルリバーブとは、大聖堂や大きな教会などで反響音を生み出すリバーブエフェクトの一種です。

ホールリバーブと同様に、大きな空間で反響音を生み出すため、反響音の長さが長く、豊かで広がりのあるエフェクトが得られます。しかし、ホールリバーブとは異なり、カセドラルリバーブは、教会のような建物の形状や素材によって特有の反響音が生み出されます。

カセドラルリバーブの反響音は、壁や柱、天井の張り方、ガラスの種類など、教会の内部構造によって異なります。カセドラルリバーブの反響音は、大きな空間で反響するため、音量や音の明瞭さが失われがちですが、その代わりに、豊かで厚みのあるサウンドが特徴です。

カセドラルリバーブは、教会や大聖堂のような建物で演奏される音楽や合唱の録音に頻繁に使用されます。


Plate Reverb

プレートリバーブ

プレートリバーブは「メカニカルリバーブ」とも呼ばれ、板状の共鳴体を使って反響音を生み出すリバーブエフェクトの一種です。プレートリバーブは、1950年代に開発され、当時のスタジオ録音において、人気の高いエフェクトの1つでした。

プレートリバーブの共鳴体は、鉄やアルミニウムなどの素材で作られた長方形の板で、スプリングリバーブとも呼ばれます。プレートリバーブは、音を板の上に送り込み、板が振動して反響音を生み出すことでエフェクトを実現します。

プレートリバーブは、反響音の長さが長く、豊かで温かみのあるサウンドが得られます。また、板の振動によって微細な位相差が生じるため、空間感のある広がりのあるエフェクトを生み出すことができます。

プレートリバーブは、特にボーカルやギターなどの楽器の録音に頻繁に使用されます。


Spring Reverb

スプリングリバーブ

スプリングリバーブとは、スプリングを使って反響音を生み出すリバーブエフェクトの一種です。スプリングリバーブは、プレートリバーブと同じメカニカルリバーブの一種で、1950年代に開発され、当時のスタジオ録音において、人気の高いエフェクトの1つでした。

スプリングリバーブの共鳴体は、スプリングを巻いた箱型の筐体で、サウンドを箱に送り込み、スプリングの振動によって反響音を生み出します。スプリングリバーブは、リバーブエフェクトの中でも比較的短い反響音を生み出すため、明るいサウンドを演出することができます。

スプリングリバーブは、特にギターアンプなどで頻繁に使用され、特有のサウンドがあります。ノイズを拾いやすく、 バネで振動を伝えるため特有の共振特性があり、正直あまり良い音とはいえませんが、現在ではこの「バネっぽさ」が独特のサウンドキャラクターとして多く使われいます。

Convolution Reverb

コンボリューションリバーブとは、実際の音響空間を録音したIR(インパルス・レスポンス)ファイルを用いて、その空間のリバーブを再現するデジタルリバーブの一種です。

インパルス応答ファイルは、短い音や音を鳴らした時に生じる空間の反響音を、マイクで録音してデジタルデータとして保存したものです。音響空間をサンプルとして実際に記録し、分析して周波数プロファイルを作成するのでいわゆる「空間シミュレーター」ともいえる装置です。

コンボリューションリバーブは、実際の音響空間の反響音を非常に正確に再現することができます。たとえば、有名な音楽ホールや教会などの空間のリバーブを再現することができます。また、コンボリューションリバーブを使用することで、演奏にリアルな空間演出を加えることができます。

Gated Reverb

ゲートリバーブとは、リバーブエフェクトにおいて、音が完全に消えた後にリバーブ効果が切れるのを防ぐために使用されるエフェクトの一種です。ゲートリバーブは、リバーブエフェクトに対してゲート効果を加えることにより、余韻の持続時間を調整することができます。

通常、リバーブエフェクトは音源の音が止まった後も続いているため、次の音源が入ってきたときに余韻が重なり、音がぼやけたり歪んだりすることがあります。ゲートリバーブを使用することで、このような問題を回避することができます。

特徴としては自然減衰で音量がゼロになる前に、テールを遮断するノイズゲートを通過させることで、リバーブによる音の被りや濁りを最小限に減らすことが可能になります。

スネアやドラムキットのような楽器に最適で、次の音が鳴る手前でリバーブを消すことで、ドライサウンドの邪魔をすることなく、深いリバーブをかけることも可能です。

まとめ

リバーブは、音を空間に反射させることで生じる自然な余韻を再現するエフェクトです。リバーブは、音源の特性に合わせて様々な種類があります。

リバーブは、音に立体感や深みを与え、空間感を表現するために必要不可欠なエフェクトです。リバーブの種類によって、生み出すサウンドの特性が異なるため、音源やプロジェクトのニーズに応じて選択することが重要です。

適切に使用することで、リバーブは音楽制作における重要な要素となり、プロフェッショナルなサウンドを生み出すために欠かせないエフェクトの一つとなっています。


以上、「リバーブの種類とその効果について」でした。


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