DTM

音圧を上げる為の3つの要素について【DTM】

2020年9月23日


音圧を上げる為の3つの要素について【DTM】


音楽界の音圧競争、いわゆるラウドネス戦争は終わったように見えますが、ジャンルによってはいまだに冷戦状態が続いています。

特にEDMのダブステップのような攻撃的な音楽では、強く圧縮感のあるサウンドがいまだに好まれています。

そこで、今回は音圧を上げる為のテクニックについてお話していきます。


音圧を上げるには


結論からいうと、音の面積を増やすことで音圧は簡単に上げることができます。

音の面積


そもそも「音圧を上げる」とはどういうことかというと、

  • 低い音から高い音まで満遍なく音が出力されている
  • 音量が0dBに張り付いている状態
  • 人の耳が認識しやすい音を持ち上げる

これら3つをクリアすればリスナーが「大きい音」と感じることのできる、音圧が高い音源を作り出すことができます。


1. 低音から高音までを綺麗に鳴らす


低音から高音までEQ(イコライザー)を使用して、パズルのように各楽器を組み合わせていけば音圧を上げることができます。

EQ(イコライザー)を使って不要な音をカットしよう

例えばドラム、ベース、ギター、ボーカルの4つの楽器の場合に、ベースとギターの処理を行わずにそのまま出力した場合、すぐに300Hz周辺がピークに届いてしまい、他の帯域を持ち上げることが難しくなります。

音圧が上がらない状態


実際はここまで極端ではありませんが、原理としてはこういうことです。

このパターンでいうとギターの低音をカットしたり、他の楽器の300Hz周辺をカットするなりして、なるべく全体の周波数帯域を平坦にすることでさらに全体の音量を持ち上げることができます。

音圧を上げれる状態



2. 音量が0dBに張り付いている


人間の耳は瞬間的な音量よりも、持続する大きな音のほうが「音圧がある」と感じます。

例えばキックやスネアのような瞬間的なボリュームの大きい楽器よりも、ギターの「ジャーン」といった持続性のある音が大きい方が有利だということです。

瞬間的な音量


こういった場合には、一般的にはコンプレッサーを使用してドラムといった打楽器のピークを圧縮することで音圧を稼ぐことができます。

コンプレッサーの基本的な使い方


ただやりすぎるとトラックのトランジェントが奪われて、パンチの無い"のべ~"っとした音源になるので注意が必要です。

この打楽器のアタックを奪うというのが、音圧を上げることの最大のデメリットです。
2020年現在はドラムのトランジェントを奪わない音源がトレンドなので、ここはしっかりとした判断が必要となります。


3. 人の耳が認識しやすい音域を知る


人の耳は2~4kHz周辺の音域を一番敏感に聴き取ります。

ホラー映画の女性の悲鳴をイメージしてもらえれば分かりやすいかと思いますが、この周辺の周波数は本能的にも敏感に反応します。


ここに重要な楽器を配置することで音圧を稼ぐ場合には非常に有利になります。

逆にここが薄いと他の周波数帯域がしっかりと詰まっていても、なんだか奥に引っ込んだようなハリのないサウンドになってしまう原因にもなります。


配置する楽器の例として、ボーカルであったり、ギターロックの場合にはギター、EDMのような電子音楽の場合はシンセサイザーを配置します。

なるべくこの「一番おいしい音域」にはジャンルを特徴付けるような楽器を配置しましょう。


まとめ


音圧を上げる為の3つの要素についてはこちら。

  1. 低音から高音までを綺麗に鳴らす
  2. 音量が0dBに張り付いている
  3. 人の耳が認識しやすい音域を知る

これら3つの要素を意識しながらミキシングを行うことで、手前に張り付くような音圧の高い音源を作ることができます。

過度に圧縮してダイナミクスを無くしすぎるのも良くないので、音圧上げもほどほどにするように心がけましょう。


以上、「音圧を上げる為の3つの要素について【DTM】」でした。

今回の内容はYouTubeでも解説しています。



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