サブベースとは?現在のサブベースの使い方について
サブベースとはベースよりも更にオクターブ下(35~70Hz)で鳴るベースのことで、ローエンドを補強する目的で使われています。
シンセサイザーを用いる場合、倍音のないサイン波と呼ばれる波形を使い(歪みを付加して倍音を生成することもあります)60Hz周辺の超低音域を扱うので「ブーン」という胸に響くような聴感で、聴くというよりかは「感じる」のほうが正しい表現です。
ここまでの低い音域になると、ある程度の低音再生能力のある音響機器や音量を必要とするため、正しくリスニングするのが難しいのですが、この辺りは別の記事でも詳しく説明しているので合わせてご覧ください。
現代音楽のサブベース
今までは低音を補強する目的で使われていたサブベースですが、現代の特に海外の音楽シーンではサブベースをメインとして扱うようになってきました。
HiphopやTrap等のようなジャンルでは「808ベース」と呼ばれる徐々に減衰するベースを用いるのですが、これもサブベースの一種です。
※0:07から808ベースの超低音が聴けますが、ヘッドホンか低音再生能力の高いスピーカーでリスニングしないと正しく再生されません。
作曲者によってはうっすらオクターブ上の音域を混ぜたり、サチュレーションをかけて倍音を付加して、一般的なリスニング環境に合わせてサブベースを認識できるようなテクニックを使用しているアーティストもいます。
現在808ベースといってもかなりの種類の音源サンプルが存在し、キックとセットになったサンプルやあらかじめ音程の定められたサンプルもあり、それらを利用することで簡単にクオリティの高いローエンドを獲得することが可能になりました。
808ベースのサンプルをお探しの方はWave Alchemy「808 Drums」をおすすめします。
サブベース音源プラグイン
SubBoomBass 2
簡単なサブベースの作り方として、サブベースに特化したプラグインソフトを使用するという選択もあります。
SubBoomBass 2は、重低音サウンドで定評のあった旧バージョンに、新しい波形の追加、Karplus-Strongシンセシスの採用、GUI(グラフィカル・ユーザーインターフェイス)の改良、パラメーターを自在に操るXYパッドなど、新しい機能を搭載し、バージョン2として生まれ変わった、重低音域に特化したソフトウェア・シンセサイザーです。
Dirigent
いままで耳にしたことのない新しい重低音サウンドは、ダンスミュージックはもちろん、現代のあらゆるスタイルの音楽に最適です。
サブベースの作り方
サブベースの作り方は非常に簡単です。
基本的にはどのシンセサイザーでもいいので、オシレーターをサイン波に設定します。
発声数は「1」にしてモノラルセンターで出し、好みに合わせてサチュレーション(歪み)で補強します。
あとはノートの打ち込み時に気を付けることなのですが、
例えば「F→G→C→Am」
のようなコード進行だった場合にCで一気に音域が上がってしまい、サブベースが急に前に出てきてしまうことがあります。
実際には音量は同じなのですが、人間の耳が感知しやすい音域に上がることで急に大きくなったと錯覚します。
そもそもこのようなコード進行にしないようにしたり、「C→Am」に変換したりする工夫が必要になります。
ボリュームオートメーションを書くという方もたまにいますが、音量の大きいクラブで鳴らした場合にしっかり低音が再生されるため、逆に音量バランスが崩れて聴こえます。
サブベースを扱う場合、再生機器の性能によって低音の聴こえ方がかなり変わるので、聴き手のリスニング環境に合わせて作成するのが難しくなるというデメリットがあります。
まとめ
スマホのスピーカーや低価格のイヤホンでは、まだうまく再生されないサブベースですが、現代の音楽プロダクションにおいてサブベースは必須の要素です。
実際には聴こえていなくても音の厚みとして感じることができるので
「プロの楽曲と比べて自分のトラックはなんだかスカスカな感じがする・・・」
という方は今回の記事を参考にサブベースを導入してみましょう。
以上、サブベースとは?現在のサブベースの使い方についてでした。