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自分でギターレコーディングする時にやりがちな5つのミス

セルフギターレコーディング

自分でギターレコーディングする時にやりがちな5つのミス

ギターレコーディングは、音楽制作者や個人のアーティストにとっても大切なスキルのうちの一つです。最近ではDTMやアンプシミュレーターソフトウェアを使って自宅で録音する方も増えてきているのではないでしょうか?

しかし、高品質なオーディオで録音したい場合は、繊細な作業になることもあり、いくつかの注意すべきポイントがあります。そこで今回は、ギタリストの皆さんに向けて、ギターレコーディングでよくある5つの間違いと、それを避けるためのヒントをご紹介します。

1. 作曲が不十分

録音するとき、何よりも大切なのは曲全体のクオリティです。高価な機材やテクニックは素晴らしいけれど、曲の構成やアレンジが不十分だと良い作品にするのは難しいです。

現在と昔を比べてみると、昔は機材品質やレコーディング技術が今ほど進歩していませんでしたが、名曲がたくさん生まれました。今はテクノロジーが進化していますが、過去の名曲は今もなお名曲です。

大切なのは高級な録音機材を持っているか、ギターの録音技術が優れているかではなく、楽曲が良いかどうかです。曲を録音する前に、デモを作って友達や家族に共有して意見を聞いてみましょう。

自作曲をプロクオリティに仕上げる為に必要な7つの要素

2. プレイ環境が悪い

プレイ環境を整えることで、良質なギターサウンドを録音することができ、曲の全体的な音質向上につながります。ここでのプレイ環境とは、ギターを演奏する部屋やスタジオの環境を指します。

この環境が良くないと、ノイズやエコー、共鳴などが発生し、ギターサウンドが不自然になってしまいます。具体的には、以下のような内容です。

  1. 音の反射を抑える
    部屋にカーペットや布を敷くなど、音の反射を抑えることで、ノイズやエコーを軽減することができます。
  2. ギターアンプの位置を調整する
    ギターアンプを部屋の壁に寄せたり、角に置くなど、アンプの位置を調整することで、部屋の共鳴を避けることができます。
  3. 環境音に注意する
    周辺の騒音やエアコンの空調の音、PCの動作音など、余計な音がマイクに入らないように環境音に注意しましょう。

以上のようなことに注意して、まずはプレイ環境を整えましょう。

3. マイキングが上手くできていない

自宅練習用のアンプからギター録音用のマイクを使って収音する方は、マイクをスピーカー前面のどの位置に配置するかで、キャプチャするサウンドに大きな影響があります。 

もちろん後からEQで音質を変化させることはできますが、そもそもの録り音を理想とするサウンドに近づけることで、より高品質なサウンドを得ることができます。

通常はマイクをグリルから1cm~3cm離して、スピーカーの中央と端の中間を指すようにします。マイクを数センチ動かすだけで音が変わります。 

マイキング

原則として、コーンの中心を狙うほど明るい音が得られますが、マイクをコーンの端に向かって動かすと徐々にマイルドな音色になります。マイクをアンプから遠ざけるとサウンドにエアー感が加わります。

スピーカーコーン

アンプのEQノブで調節する前に、マイクポジションによる音作りを色々試してみましょう。

さらに、追加でリアルなアンプサウンドをキャプチャする方法として、アンプを大きな部屋に設置し、なるべく大音量で鳴らし、マイクを数メートル話して壁や床の反射音と一緒に録音する方法もあります。

これにより複数の音が重なり合った微妙なフィルタリング効果が発生し、実際の空間にいるようなリアルなギターの音をキャプチャすることができます。

アンプに近づけたオンマイクと部屋鳴りを拾う為に少し距離をとったオフマイクの2つのサウンドを上手く混ぜ合わせることで、高品質なギターサウンドをキャプチャすることが可能になります。

以下の3つの方法がよく使われます。

クローズドマイク

マイクをスピーカーの近くに配置することで、最も簡単かつクリーンな音質で録れます。

ダイナミックマイクは音圧の高い音源を収音するのに適しているので、物理的にも可能な限りスピーカーに近づけて配置することができます。

アンビエントマイキング

マイクをスピーカーから離して配置することで、アンプだけでなく部屋の音の反射をより多く含んだサウンドを録音できます。

マイクはコンデンサーマイクの使用をおすすめします。感度が高いので、スピーカーから距離が離れていてもサウンド品質が十分に保たれます。

グリルから約30cmほど離して、マイクをスピーカーのどの部分に向けるかによって音色が変化するので、実際に確認しながら配置してみましょう。

クローズド&アンビエントのブレンド

クローズマイクとアンビエントマイクを上手くブレンドすることで、2つのポジションの良い部分をキャプチャすることができます

マイクを2本設置する場合は位相の問題が発生する可能性があります。これを回避する為に、3:1ルールを適用することで位相トラブルを最小限に抑えることができます。

※アコースティックギターを使ってマイキングする方は以下を参照ください。
アコースティックギターの4つの録音方法 | マイク&ピックアップの設置

4. ゲイン量の調節

ギターを実際に録音するとき、ゲイン量(入力音量)の調節を必ず行いましょう。ベストな状態でギター信号を取り込むためにレベルを最適化することは非常に重要です。

ゲインは機材ごとに調節する必要があり、例えばマイク、エフェクター、アンプシミュレーター、オーディオインターフェイス、DAW入力など、それぞれで適切に調整することで、最高の音質を得ることができます。

ゲイン量が音が大きすぎるとクリッピングが発生します。一度失われた波形は後から修正することはできません。逆に、ゲイン量が小さすぎるとノーマライズの段階でノイズも一緒に強調されてしまいます。

ゲイン量が大きすぎる場合…
ゲイン量が小さすぎる場合…

最適なゲイン量の決め方は、音量が大きくなりそうな奏法(カッティングやブリッジミュート等)を弾きながら適切なヘッドスペース(3dB前後)を確保して、波形がクリッピングしないレベルにまでゲイン量を上げることです。

5. チューニングを怠る

レコーディングの初めにはチューニングを忘れずに行うとは思いますが、テイクを重ねる場合は、こまめにチューニングを挟むことが大切です。

実際にあった経験として、難しいギターパートの録音を終えて、ミキシング段階に入ってからチューニングがずれていることに気づくことがありました。最高のテイクをもう一度録り直すのは難しく、メンタル的にも落ち込んでしまうことがあります。

※録音中に徐々に狂っていくチューニングに気付くのは難しいので、DAWのチューナーやクリップ式チューナーをつけっぱなしにする等して、こまめにチューニングを行う習慣をつけることが大切です。

まとめ

ギターレコーディングは個人でも比較的簡単に行うことができるようになりました。とはいえ、プロフェッショナルが存在する繊細な作業なので、セルフでやる場合にはいくつかのポイントに気を付けながら行いましょう。

まず、作曲が最も重要であり、クオリティの高い楽曲は高品質な録音につながります。プレイ環境を整え、マイクの適切なポジションを見つけることは音質向上に不可欠です。

続いて、ゲイン量の調節を行い、クリッピングやノイズを回避しましょう。そして、こまめなチューニングを怠らずに、録音中も狂っていないかをチェックしながら進めましょう。

これらのミスを避けることで、より高品質なギターレコーディングが可能になり、素晴らしい音楽制作に繋がることでしょう。

以上、「自分でギターレコーディングする時にやりがちな5つのミス」でした。


エレキギターレコーディングに役立つ7つのヒント

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