ヒップホップ&トラップビートで使われている10のコード進行
ヒップホップやトラップ系のトラックで使用されているのコード進行は、マイナーキーの2~4つほどのコードのループで構成されていることが多いです。
メロディー、ハーモニーよりも、リズム楽器とラップによるグルーヴ感を重要視しているジャンルなので、マイナーコードによるダークな雰囲気を演出しつつ、808ベースやキックが心地良く鳴るキーに設定されています。
今回はヒップホップやトラップミュージックでよく使用されている10のコード進行をご紹介します。
1. Cm-Gm-G#-Fm
ハーモニックマイナースケールを使ったコード進行になっているので、暗くて不気味な雰囲気が漂います。
コードチェンジの途中のクロマチックな動きも、さらに楽曲に緊張感を与えるスパイスになっているので、怒りやパンチの効いたラップとの相性は抜群です。
再低音がFになるように調整されており、Fノートはクラブのような大箱で再生したときに最も良い低音感が得られる音域です。
2. D-E-B
少し明るい印象のコード進行です。ダイアトニックの動きで力強さを感じさせ、タイトなフローでも存在感のあるサウンドを作り出します。
ストリングスやシンセやオルガンのような明るい楽器と合わせるとより効果的です。ドローンスタイル(音程の高低差が少ない)ベースとの相性もいいです。
3. Gm-Em-C#m
アンセム的な壮大さを持ちつつもミステリアスで、ナイトライフや暗い街角をイメージさせるムーディーな進行です。
808ベースと一緒に、シンセアルペジオやストリングス系の楽器で演奏すると、素晴らしいサウンドが得られます。
4. C#m-G#m-C#m-G#m
シンプルな2コード進行で、トニックとドミナントを繰り返すので非常に汎用性が高い進行でもあります。
使用する楽器によって、ダークでムーディーな雰囲気にも、ハードでアップビートな雰囲気にもすることができ、少し刺激が欲しい場合はベースラインで遊びを加えると、素晴らしいサウンドになります。
5. Fm-Eb-Cm
チルアウトやメロディックな曲調に合うコード進行で、エモーショナルな歌詞を持つ楽曲に最適です。
ピアノ、オルガン、ストリングス系の楽器を使うことで素晴らしいサウンドを鳴らすことができ、ゆったりとしたハーフタイムのビートに合います。
6. Gm-F-Cm-D
マイナーキーでありながらも、少し前向きでポジティブな印象を持ったコード進行です。
奇妙な雰囲気を持つハーフスピードエフェクトをかけたダークピアノや、ディレイをかけたアルペジオシンセによく合います。
7. Dm-C-Dm-C
ジャズテイストな雰囲気を持ち、ヒップホップでもよく使用されているコード進行です。
オールドスクールなヒップホップでよく聞くような、2つのコードをスタブで繰り返してアクセントを付けるようにすることで、素晴らしいサウンドを得ることができます。
トラップ系のシンセ、ベースライン、ドラムともよく合います。
8. F#m-D-C#-D
このコード進行は速いテンポでも、ゆったりとしたテンポでもどちらにも合う進行です。
メジャーコード部分が半音階でコードチェンジしているので、独特の奇妙な雰囲気が特徴です。
9. F#m-A-D
マイナーキーでありながらも、大きい音域さとメジャーコードを強調したコード進行です。
アンセム調の曲と相性がよく、ドローンベースにもよく合い、アップビート、ダウンビートどちらのスタイルでも使える汎用性の高い進行です。
10. Em-B-Em-F#
シンプルな構成ですが、トラップミュージックでよく使われている進行で、今回のリストの中で最も汎用性の高いコード進行の1つです。
スローテンポからミディアムテンポ(90~140BPM)のビートで、各コードを1~2小節キープするように使うと効果的です。
まとめ
トラップ、ヒップホップで使われているコード進行を10パターンご紹介しました。
効き馴染みのない進行だったり、少し不気味な雰囲気が漂う進行が多いですが、ダークで攻撃的な雰囲気を出したいときには最適です。
キーを変更することもできますが、808ベースの再低音に気を付けるようにしてください。
以上、「ヒップホップ&トラップビートで使われている10のコード進行」でした。