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【DTM】ミックス中にやってはいけない5つの間違い

2023年4月11日

ミックスマスタリング ミス

【DTM】ミックス中にやってはいけない5つの間違い

ミックス作業は、音楽制作において非常に重要な工程です。しかし、作業を行う上でいくつかの間違いを犯してしまうことがあります。

例えば、ミックスの過剰処理エフェクトのかけすぎ、マスタリングにおける過剰な音圧上げ等、さまざまな要因が考えられます。

これらの間違いに気付けないまま作業を進めると、結果的に音質を悪化させたり、品質の低い楽曲になってしまう可能性があります。

今回は、ミックス中にやってはいけないいくつかの間違いについてご紹介します。

1. 音圧の上げ過ぎ

音量

ミックス&マスタリングの大きな間違いの一つとして、「音量を上げすぎること」があります。

楽曲をいかに大きく聞こえるようにするかは、音楽制作において重要なテーマの1つですが、音圧を上げ過ぎることで音質を損ね、ミックスバランスが大きく崩れる原因にもなります。

人の耳は大きい音ほど「良い音」と認識する傾向にあるので、実際はリミッティングのかけ過ぎでミックスが破綻していても、音圧を上げることで簡単に迫力のあるカッコいいサウンドと思わせることができます。

その為、CDの時代では、市販音源の音量を限界ギリギリまで上げるために、リミッターやマキシマイザーを使用し、パツパツになるまでブーストされた「海苔波形音源」が主流でした。

海苔波形と呼ばれています。

現在のYouTubeやSpotify等のストリーム配信では「ラウドネスノーマライゼーション」が働くので、どんなに音量を上げても一定の音量まで下がるように自動的に最適化されます。

音量を上げすぎて失われたダイナミクスは回復しないので、ストリーミングごとの最適な音圧値に合わせる必要があります。

2. エフェクトをかけすぎる

エフェクトに頼る


各種エフェクトプラグインは、音の質感や空間表現を変化させることができる大変重要な要素の一つです。しかし、適切な量や種類を選ばないと、音楽のクオリティを下げてしまうことがあります。

以下は、エフェクトを挿しすぎることのデメリットです。

  1. 音の解像度が低下する
    ディレイやリバーブのような空間系エフェクトを掛けすぎると、音の輪郭がぼやけてしまい、細かいニュアンスや立体感が失われてしまうことがあります。
  2. 音が不自然になる
    EQを使って加工しすぎると位相トラブルが生じたり、コンプレッサーを使って過剰に圧縮しすぎると、音がフラットになってしまい、ダイナミクスが失われてしまいます。

そもそもの元の音が良くないと、いくらエフェクトプラグインを使って加工したところで「根本的な音質向上」は見込めません。

基本的にミックスは音を整える作業です。元の音が良ければ、必ずしも各トラックすべてにEQ、コンプ等をかける必要はありません。

3. 低音が飽和している

各楽器の不必要な低音をカットすることは非常に重要で、この作業を怠るとミックス全体を濁らせ「泥ミックス」の原因にもなります。

ローエンドの処理は曲全体のバランスを取る上で非常に重要な役割を担っています。低音が十分に鳴っていないと、曲が軽くなり、聴き手に十分なインパクトを与えることができません。しかし、低音を過剰に強調しすぎると低音が飽和してしまい、さまざまな不具合が生じます。

音がこもっているとか、音の抜けが悪いと思ったら高音をブーストするのではなく低音をカットすることで理想のミックスに近づけることができます。

キックとベースを綺麗にミックスする為の6つステップ

4. パンニングを誤った方法で使う

パンニングは、ステレオフィールド内で音源の位置を左右に配置することで、音像を広げたり、音の分離を良くするための重要なツールです。

しかし、すべての楽器を左右に大きく広げると、音のバランスが崩れ、聴き手にとって不快感を与えてしまうことがあります。

原則として低音は中央に、高音に向かうにつれ左右に広げる逆三角の形が理想的なミックスとされています。

ステレオ音像

例えばキックとサブベースをセンターに置き、ミッドベース、シンセサイザーの高域部分やシンバル等の金物を大きく広げるといった具合です。

また、重要度の高いトラック(ボーカル、キック、ギターソロ等)は、なるべく中央に配置するようにすることで、より空間を立体的に使用することができます。

ステレオ音像を大きく広げる為のミキシングテクニック

5. 長時間作業する


ミックスの確認で耳を使って判断することは重要なのですが、人間の耳は長時間同じ音を聴き続けているとリミッターがかかり、音の感知力が平均化される性質があります。

クラブやライブハウス、パチンコ屋など、大きな音のする場所に入場した直後はとても大きな音に聴こえますが、10分もその空間にいると耳が慣れてしまいます。

これと同じことがミキシング作業中にも起こるので、耳だけを使ってバランスをとるとだんだんと偏りが出てきてしまうので、作業が長時間に及ぶ場合は、定期的に休憩を挟みながら行うようにしましょう。

また、「スペクトラムアナライザー」を使って聴覚と視覚の両方を使いながら、確認する方法もおすすめです。

スペクトラムアナライザー
音を視覚で確認できる「スペクトラムアナライザー」

最終的なミックスバランスの確認は、時間を置いて耳を休ませてから行うようにすることで、正しい音質バランスをチェックすることができます。

まとめ

ミックス中にやってはいけない5つの間違いは以下の通りです。

  1. 音圧の上げ過ぎ
  2. エフェクトをかけすぎる
  3. 低音が飽和している
  4. パンニングを誤った方法で使う
  5. 長時間作業する

上記の内容は、結果的に音質を悪化させたり、クオリティの低いトラックになってしまう可能性があるものです。

製作している音楽ジャンルや、スタイルによってミックス&マスタリングの方法も大きく変化するので、自分の音楽に合った正しいミキシング方法を学ぶことも大切です。

以上、「【DTM】ミックス中にやってはいけない5つの間違い」でした。


音楽制作におけるミックスとは?基本的な7つの手順

音楽制作に役立つ10のミックスヒント【DTM】

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