【ビートルズ復活!?】ポール・マッカートニーがAI技術を使って「最後」の曲を制作
ポール・マッカートニーは、トレンドである「AIボーカル」のテクノロジーを使い、ビートルズの最後のレコード制作に活用し、今年の後半にリリースされる予定だということを明らかにしています。
BBCラジオのマーサ・カーニーとのインタビューによると、マッカートニーは、AIが古いオーディオからジョン・レノンの声を抽出し、楽器のバックグラウンドノイズを取り除くのに役立ったと述べました。
伝説の未発表曲「Now and Then」
この「最後」の楽曲は、ジョン・レノンが書いた楽曲で、1978年にニューヨークの自宅でデモテープが制作されました。1995年には、ジョン・レノンが生前に残したデモテープを基に、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの3人の残りのメンバーによって編曲されました。
この「最後」の曲は、本来であれば1995年にリリースされる予定であり、"Real Love"や"Free as a Bird"と並ぶはずの楽曲でした。しかし、バンドは「レノンのヴォーカルのクオリティが今ひとつだった」と感じていたようで"Now and Then"というタイトルのこの曲の制作を中止しました。
AI技術でボーカルの声を再現
最近話題となっている、AIボーカル技術の活用によって未発表曲が復活し、今年の後半にリリースされる予定だと述べています。
AIの使用を決めるターニングポイントとなったのは、ピーター・ジャクソンのドキュメンタリー「Get Back」の制作中で、編集者がコンピューターにビートルズの声を認識させ、背景の雑音から分離させるように訓練を進めたそうです。
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「私たちはジョンの声とピアノを手に入れましたが、それらをAIを通じて分離することができました。AIには"これは声です"と教えます。そして"これはギター"です。ギターの音を取り除いてください"と指示しました。」
「そこで、ジョンが持っていた最後のレコードを作成する際のデモ音源から、私たちはAIの力を借りてジョンの声を純粋に取り出すことができました。その後、通常通りにレコードをミックスすることができます。つまり、ある種の柔軟性が生まれたのです。」
AIボーカル技術の懸念
AIはジョン・レノンのボーカルを抽出する素晴らしい能力を持っていますが、AIのこの技術を他の用途に使用することには懸念があることをマッカートニーは認めています。
「私はあまりインターネットを使っていないのですが、人々は私にこう言います。"そうそう、ジョンが私の曲を歌っているトラックがあるよ"いいえ、それはただのAIですよと。」
「ちょっと怖いけど、AI技術にはワクワクするよ、だってそれは未来だから。それがどこにつながるのかを確認する必要がある。」
AI生成ボーカルによるトラブルと音楽界への影響についてでもご紹介したように、AIボーカルにおいての著作権問題や法的問題について等、まだまだ解決しなければいけない課題は多くあるので、今後も世界の音楽界の動きに注目する必要があります。
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