【1,000円以下で出来る】アコースティックギターの音質を変える為の6つの方法
アコースティックギターの持つ洗練された生音は、弦の振動がブリッジボードからボディ全体に伝わって共鳴し、中の空気も振動することで、サウンドホールから音が外に出ていきます。
実際のところ、アコースティックギターの音質はギター職人の技に大きく依存していますが、いくつかの方法を実践することで音質を向上させることは十分に可能です。
エレキギターのようにゲインやEQを使って大きくトーンを変更することは難しいかもしれませんが、サウンドに納得がいかないからと新しいギターを購入する前に、低コストで実践できるアコースティックギターの音質改善策をいくつかご紹介します。
1. ピックを変える
アコースティックギターの音色は、ピックの素材や形状によって大きく変化します。
ピックを変えることでアコースティックギターの音色がどのように変化するかについては以下の通りです。
- ピックの素材: ピックは様々な素材で作られており、プラスチック、ナイロン、鋼、木材などがあります。素材によって音の響きや倍音の豊かさが異なります。例えば、プラスチック製のピックは鋭いアタックと明るい音色を持ちがちですが、木製のピックは柔らかなアタックと温かい音色を提供することがあります。
- ピックの厚さ: ピックの厚さは、弦に対する押さえ込みの影響や、弾く際のフレキシビリティに影響を与えます。厚いピックは力強い音を生み出しやすく、薄いピックは柔らかく繊細な音色を作り出す傾向があります。
- ピックの形状: ピックの形状も音色に影響を与えます。三角形、四角形、楕円形など、さまざまな形状が存在し、それぞれの形状によって音のアタックや音の広がりが異なります。
- ピックの表面加工: ピックの表面にテクスチャーや溝がある場合、弦との摩擦が増加し、よりグリップ力が強化されます。これにより、より明瞭なアタックやアーティキュレーションを生み出すことができます。
- ピックのテクニック: ピックをどのように持ち、どのように弦を叩くかも音色に影響を与えます。ピックの角度や弾く力によって、音の明るさや響きの変化が生じます。
以上の要素をピックを選ぶ際に考慮しながら選択してみましょう。
異なるピックを試してみることで、自分の演奏スタイルや好みに合った音色を見つけることができるはずです。
2. 弾く位置を変える
最も簡単に音色を変える方法は、ピッキングする場所を変えることです。
ピックを弦に当てる位置を、ブリッジ寄りにすればブライトなトーン、サウンドホール寄りにすれば丸みのあるトーンになります。
根本的な音色改善とはなりませんが、レコーディング中など「ここは丸みのある音が欲しい」といったような場面で効果的です。
3. ナットとサドルの変更
アコースティックギターの音色は、楽器の構造や部品の変更によっても大きく影響を受けます。ナットとサドルはその中でも重要な部分で、これらを変更することで音色が変化します。
ナットとサドルは、弦の振動を制御する役割を果たしています。ナットは弦がネックに接する最初の接触点であり、サドルはブリッジの上にある弦の支持点です。これらの部品の素材や形状の変更によって、弦の振動特性が変わります。
ナットとサドルの素材や硬さによって、弦の振動がどのようにギターのボディに伝わるかが変わります。これによってギターの共鳴特性が変化し、全体的な音色に影響を与えます。素材によって高音域や低音域の強調、倍音の増加など、さまざまなトーンの変化が可能です。
4. 弦の交換
弦の素材、ゲージ(太さ)、ブランドなどを変更することで、ギターの音色や特性に影響を与えることができます。
弦は通常、鋼製、ブロンズ製、フォスファーブロンズ製などの素材で作られています。これらの素材によって、音色やトーンが大きく変わります。例えば、ブロンズ製の弦は明るい音色やクリアな高音を強調し、フォスファーブロンズ製の弦は温かみのあるトーンを持っています。
弦のゲージもサウンドに影響します。太い弦はより力強い音や低音が強調されたサウンドが特徴です。反対に細い弦だと煌びやかな高音寄りのサウンドが特徴です。
5. サドルの高さ調節
アコースティックギターのサドルは、ブリッジの上にある弦の支持点であり、弦の高さを調整する役割を果たしています。サドルの高さを調整することで、ギターの音色や演奏性に影響を与えます。
サドルを高くすると、弦が弦響板に対して強く振動し、明るいトーンになる傾向があり、逆にサドルを低くすると、弦の振動が弦響板に対して少なくなり、暖かく柔らかなトーンが生まれやすくなります。
とはいえ、サドルの高さは音色以上に演奏のしやすさに影響を与えるので、音色と演奏感のバランスを見ながら調節しましょう。
6. トラスロッドの調整
トラスロッドは本来ネックの反りを調整するためのシステムですが、これを調節することでもサウンドの印象を変えることができます。
ロッドを回しネックにテンションを掛けると、トーンがややブライトになりサスティーンも伸びる傾向にあります。これはロッドがネック内部にテンションを与え、ネック全体が堅くなることでサウンドが変化します。
ただし、ネックが反り始めるほど動かすと弦高や演奏感に影響するので、ネックと指板が動かない程度にとどめておくことが重要です。
まとめ
アコースティックギターの音質を低コストで改善するための方法をご紹介しました。
ピックの選択や変更、弾く場所、ナットとサドルの調整、弦の交換、サドルの高さ調節、トラスロッド調整など、これらの方法を組み合わせて使うことで、好みの音色を実現できます。ただし、それぞれの変更がギターの音質に影響を与えるため、試行錯誤を通じて最適なバランスを見つけることが大切です。
エレキギターのような大幅なトーン変更は難しいかもしれませんが、新しいギターを購入する前に、これらの方法を試してみて、自分好みの音色を探求してみましょう。
以上、「【1,000円以下で出来る】アコースティックギターの音質を変える為の6つの方法」でした。