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自宅でボーカルレコーディングする時に気を付けたい5つのチェック事項

2023年11月29日

自宅 ボーカルレコーディング

自宅でボーカルレコーディングする時に気を付けたい5つのチェック事項

歌ってみた動画を制作する際に、専用の音楽スタジオを利用せずに自宅でボーカルレコーディングを行うという方も多いのではないでしょうか?

DAWや機材周りも便利になってきていることもあり、自宅でも十分ボーカルレコーディングを行うことは可能です。とはいえ、簡易的に自宅で録ったボーカルトラックでは、プロの音源と比べると少しチープな印象を受けてしまうこともあるかもしれません。

セルフの場合は機材はもちろん、歌う環境やDAWのセッティングも自分で行う必要があり、高音質な音源を求めている場合は、最低限の知識が必要になります。

そこで今回は、自宅でボーカルレコーディングする時に気を付けたい5つのチェック事項についてご紹介します。

自宅でボーカルレコーディングをする時に必要な機材

自宅でボーカルレコーディングをするにあたって、最低限揃えておきたい機材をご紹介します。

  • マイク
    マイクは大きく分けてダイナミックマイクとコンデンサーマイクがあります。ダイナミックマイクは、頑丈で信頼性が高く、高音圧にも対応できるため、ライブパフォーマンスやステージでの使用に適しています。コンデンサーマイクは、高い感度と広い周波数応答を持ち、細かい音の質感を捉えることができます。スタジオレコーディングやプロのボーカル録音に使用されます。
  • マイクケーブル
    マイクケーブルは、一般的にはXLRケーブル(またはキャノンケーブル)と呼ばれるものが使用されており、楽器に使用されるTRSケーブルに比べて、ノイズや外部干渉から保護する効果が高いのが特徴です。
  • DAW
    DAWは作曲ソフトのことです。マイクからの音声信号をデジタル形式で録音し、後で編集できるようにします。録音中に演奏のエラーやノイズが発生した場合、DAWを使用してそれらを修正できます。
  • オーディオインターフェイス
    オーディオインターフェイスは、ボーカル音声や楽器のアナログ信号をデジタル信号に変換し、コンピューターに取り込むためのデバイスです。
  • ヘッドホン
    自宅でボーカルレコーディングを行う際、自分の歌声を確認する為にモニター用ヘッドホンが必要になります。
    自分の声を正確に聴きながら歌う必要があるので、スピーカーだと音声がマイクから拾われてフィードバックが発生し、録音品質が低下する可能性があります。


1. マイクを立てる位置

マイクを設置するときには"部屋鳴り"を考慮して、なるべく反響音が少ないポジションを見つけることが重要になります。

部屋鳴りとは、部屋で歌った際に生じる反響音のことを指します。例えば、手をパチン!と叩いたときに反響する音が聞こえるはずです。吸音材を貼っていない場合、マイクをどこに設置しても壁や天井、床からの反射音が入る可能性があります。

具体的な対策方法としては、全方向の壁からできるだけ遠い位置で、部屋の中央で角に向かって斜めにマイクをセットすると良いでしょう。角でも音は反射しますが、音が溜まりやすいので残響音が短くなります。

また、単一指向性のマイクを使用する場合、その音が再度の壁や天井を伝って回り込んでくるため、部屋の天井、床、サイドの壁から反射する音に対してどのように対策を講じるかを考える必要があります。

2. 環境を整備する

マイクポジション以外にも、部屋の環境を整えることも反射音や反響音を軽減する為に大切です。注意すべきは、歌手の前方の角で反射して壁を回り込んでくる声、サイドの壁、天井、床からの反射音です。

通常は、音を吸収しやすい衣服、タオル、毛布、布団などを配置するのがおすすめです。ただし、部屋の中央にマイクを設置した場合は、壁に都合よく布類をかけるのは難しいかもしれません。

反響音対策として、ネットで調べてみるとクリエイターによって様々な工夫が施されており、例えば、ベッドの上に座って布団を被ってみたり、衣服のかかったクローゼットをボーカルブース代わりとして利用したりと様々です。

【歌ってみた】自分で歌声を綺麗に録音するのに役立つ7つのヒント

マイクに毛布が触れないように気を配ったり、無理な体勢を強いられるので、シンガー自体のパフォーマンスが低下する可能性もあるので、気持ちよく歌える環境に整えましょう。

クローゼット録音
クローゼットをボーカルブースとして利用する


3. 録音前のノイズ対策

部屋の外の環境音が入ってこないように窓とカーテンを閉め、それでも外が騒がしい場合には、厚めのカーテンを2重にしたり、窓際に毛布をかけたりすると効果的です。

その他にも、音の発生する電化製品のスイッチをできる限り切る必要があります。例えば、デスク上のモニタースピーカーの電源を落としたり、コンピューターの冷却ファンの音。冷蔵庫などが近くにある場合は「ブーン」という低温が壁を伝ってしまう可能性があるため注意しましょう。

さらに、空調のノイズを避けるためにエアコンの電源を切り、スマホは常に電波を送受信しているので、可能であれば機内モードにするか、電源を切ることをおすすめします。

4. ポップノイズ対策

ポップシールド

ポップノイズとは、マイクに向かって息を吹くことで発生する、いわゆる「ボフ」という音のことです。息が直接マイクに当たるのを避けるためには、通常"ポップガード"を使用します。また、息が真正面からマイクに当たらないように、マイクの角度を変えて息を流すのも効果的な方法です。

それほど高価のものでもないので、購入をおすすめしますが、予算をかけたくない場合にはハンガーにストッキングを張ったもので代用することも可能です。

マイクとの距離を一定に保つ

ポップガードのもう一つの役割として、もう一つはマイクに近づきすぎることによる「近接効果」を防ぐ役割も持っています。近接効果は簡単に言うと「音源がマイクに近づけば近づくほど、低音域が強調される」という現象です。

ポップシールドとマイクの距離を調節することで、低音量のコントロールが可能なので、ボーカル本人の歌声が持つ低音とのバランスを考えながら距離を調節しましょう。

一部のマイクには、ローカットスイッチが搭載されている製品もあります。これをオンにすると、本来不要とされる低音域を事前にカットすることができます。ただし、そのローカットがトリオットの音質に影響を与える可能性があることを認識しておくべきです。


5. DAWのセッティング

実際に録音する際には音声信号がクリップしないようにするために、まずはインターフェイスの入力レベルを設定します。(マイクに近づきすぎたり、感情的に声を張り上げるような場面を想定して、信号レベルのピークを約-6~-10dBFSにすることをおすすめします。)

続いてDAWのバッファサイズを設定します。数値を小さくするほどレイテンシーと呼ばれる音の遅延は最小限に抑えることができますが、PC能力を必要とします。

CPUの性能を考えてレイテンシーの問題とCPU限界を超えてグリッチする可能性を考えて、最適なバッファサイズに設定しましょう。 

その他にも、歌いやすいように最適なモニターレベルの調節や、レコーディングセクションの開始前にピアノを鳴らして歌い始めのピッチ補助を付けたり、音程が不安定になりがちな部分にガイドメロディーを制作したりと、自分の歌いやすいように編集できるというセルフならではの利点もあります。

まとめ

自宅でボーカルレコーディングする時に気を付けたい5つのチェック事項は以下の通りです。

  1. マイクを立てる位置
  2. 環境を整備する
  3. 録音前のノイズ対策
  4. ポップノイズ対策
  5. DAWのセッティング

通常のレコーディングではプロのエンジニアがやってくれますが、セルフレコーディングの場合は、すべてのセッティングやノイズ対策に関しても自分で行う必要があります。

自分の歌いやすい環境を作って、よりエネルギッシュなテイクを録れるならそういった方法を取ることもありますし、ノイズが乗っていても最高のテイクが録れた場合には、プロの現場であっても採用されることもあるので、環境に合わせて柔軟に対応することも大切です。

以上、「自宅でボーカルレコーディングする時に気を付けたい5つのチェック事項」でした。


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