DTM

ステレオ音像を大きく広げる為のミキシングテクニック

2020年1月7日


ステレオ音像を大きく広げる為のミキシングテクニック


時間をかけて作った自作曲をミックスして書き出した時に、音が中央に集まっていたり、奥に引っ込んだように聴こえたりしていませんか?

有料のプラグインソフトを購入する前に、ステレオ音源にいくつかのテクニックを加えるだけで音像を広げることが可能です。


今回はプロの音源の様な、ワイドな音像にする為のミキシングテクニックをいくつか紹介します。


パンニング


PANは左右のスピーカー間の音像定位をコントロールすることができ、音像を大きく広げる為に一番効果を発揮するツールです。

基本的には低い音ほど中央に、高い音ほど左右に広がっていくような逆三角形のイメージでパンニングすると、より良いパンニング効果が得られます。


ドラムキット

ドラムキット


まず音楽の基盤であるドラムキットをしっかりとパンニングすることです。


多くの場合、実際にドラマーがスローンに座った時のドラムキットの配置のようにPANでキットを振っていくか、逆にステージ側の観客目線でPANを配置するパターンがあります。

実際にドラムセットに向かい合った時、ハットをやや左に、タム類は左から右へと流れるようにパンニングしていきます。

キックスネアは大きなエネルギーを必要とします、必ずセンターに配置しましょう。

クラッシュシンバル類の金物はなるべく左右に大きく振ります。
ホワイトノイズに近い周波数帯域なので、大きく広げることで音の隙間をカバーしてくれる効果もあります。


マイナーテクニックとして、シェイカーのようなパーカッションをパンニングオートメーション(自動化)を書いて、高速で左右に振ることでステレオ感を広げるテクニックもあったりするので気になる方は試してみてください。




ベース


ベースも基本的にはセンター配置であることが多いですが、EDMやベースミュージックのようなジャンルでは、100Hz以下のサブベースの帯域は中央に、100~400Hzぐらいまでのミッドベースをやや広げるといったテクニックも使用されています。


FL Studio付属のMuximusのようなマルチバンドコンプレッサーやizotope OZONEの帯域ごとのステレオイメージを操作できるプラグインが必要となりますが、もしリファレンスのような音像イメージにならない場合には、試してみる価値はあります。


エレキギター

エレキギター


エレキギターの場合、バッキングギター2本を左右限界まで広げて「音の壁」を作るというテクニックがあります。

1本をコピーして左右に振ってもモノラルになるので、必ず2テイク録音するか、タイミングかピッチを微妙にずらすようにしてください。


単一のリードギターの場合、やや左右に振るか、30ms以下のショートディレイを逆サイドに振ることでステレオ感を演出することができます。


シンセサイザー

シンセサイザー


一番音像イメージを操作しやすいのがシンセサイザーです。

発声数を2以上にして、デチューンさせるだけで左右に大きなステレオイメージを演出することが可能です。

この辺のテクニックは別記事でも紹介しているので合わせてご覧ください

【DTM】SuperSawサウンドの作成方法


※シンセサイザーによっては、もとから左右に100広がるような設定になっているので、さらにステレオイメージャーのプラグインで広げると位相のバランスが崩れる場合があるので注意してください。



ボーカル

ボーカル


主役のボーカルは必ずセンターに配置します。

部分的に音像を広げたい場合、ディレイやリバーブの空間系を使って広げることが可能です。


具体的なテクニックとしては、リバーブのウェット信号のみを大きく広げたり、ピンポンディレイで左右に振ったりすることが多いですが、300Hz以下のウェットはローカットすると音がこもるのを防げます。

マイナーテクニックとしてモノラルリバーブを2本挿し、それぞれを右100左100に振り分けます。左右で違うリバーブ効果(例えばプレートとホール)を適応することで、より広いステレオ効果が得られます。




まとめ


すべてを広げるのではなく、冒頭でもお話したようになるべく逆三角形になるように音を配置していくのがコツです。

場合によっては左右で打ち消しあうということもあるので、たまにマスタートラックをモノラルに切り替えたりしながらミックスすることをおすすめします。


今回の内容についてYouTubeでも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。




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