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【すぐに使える音楽理論】平行調のコードを借りて楽曲を盛り上げる!

2024年7月5日

【すぐに使える音楽理論】平行調のコードを借りて楽曲を盛り上げる!

曲を作るときには、意図的かどうかに関わらず、必ず特定のキーで作業することになります。例えば、「Eマイナーで書こう」と決めることもあれば、コードをランダムにつなげてみたら特定のキーに合致していた、ということもあるかと思います。

各キーには、そのキーの親スケール(音階)の7つの音から派生した7つのコードがあります。これらはダイアトニックコードと呼ばれ、多くのヒット曲で使われている定番のコードです。しかし、ダイアトニックコードだけを使うと、曲の表現が制限される可能性があります。

そこで、借用コードというテクニックを使ってみましょう。借用コードは、現在作業しているキーと平行するキー(ルート音が同じキー)からコードを借りてくる方法です。例えば、EメジャーとEマイナーは平行調の関係にあり、Eマイナーのコードを借りてEメジャーの曲に変化をつけることができます。

このように借用コードを活用することで、マンネリ化したコード進行に新鮮味を加えたいときに役立つテクニックです。

ダイアトニックコードの理解

ダイアトニックコードとは、特定の調の主音(ルート)から構成される音階(スケール)内の音のみを使って作られたコードのことです。例えば、Cメジャーのダイアトニックコードは、Cメジャースケールの音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)のみを使って構成されます。

どの長調においても、ダイアトニックコードは、Ⅰ-Ⅱm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅶm♭5と表記されます。このローマ数字で表すコードを「ディグリーネーム」と呼び、度数を表す際によく用いられます。

これをCメジャーキーに当てはめた場合、ダイアトニックコードはC、Dm、Em、F、G、Am、Bdimになります。これだけでも組み合わせによっては数千通りのコード進行を生み出すことができますが、使用できる基本コードが7つだけなので、音楽的に美しい響きを求める場合の自由度はそれほど高くありません。


マイナーダイアトニックコード

Cメジャーのコード進行に「借用」できるコードの選択肢を見ていきましょう。メジャーキーのダイアトニックコードとは異なり、ナチュラルマイナーキーのダイアトニックコードは、 Ⅰm-Ⅱm♭5-Ⅲ-Ⅳm-Ⅴm-Ⅵ-Ⅶという異なるパターンになります。

これは、ナチュラルマイナースケールの各音に3度ずつ積み重ねてできるトライアドコードです。このパターンに従うと、Cマイナーキーのダイアトニックコードは、Cm、Ddim、Eb、Fm、Gm、Ab、Bbとなります。

借用コードは、ほとんどの場合平行調となるマイナースケールから取られます。マイナーキーのコードをメジャーキーのコードと一緒に使用することができます。

例えば、Cメジャーの曲を作曲している場合は、Cマイナーのコードから借用することが可能で、逆に、Cマイナーの曲であれば、Cメジャーのコードを組み合わせて使うことができます。

実践的な使用例

Cメジャーの代表的なコード進行である I - Ⅵm - Ⅳ - V (C - Am - F - G) を例に実際に試してみましょう。このコード進行にCマイナーキーから借用したコードを組み込むことで、より個性的な響きを作ることができます。借用可能なコードは、Cm、Ddim、Eb、Fm、Gm、Ab、Bb です。

Cマイナーキーで使える代替コードを探してみましょう。メジャーキーで作曲する際、ナチュラルマイナーキーからよく借用されるコードはIVm、VI、VII、そしてジャズっぽい雰囲気を出すならⅡm♭5がおすすめです。

ここでは、Fコード(IV)をFm(Ⅳm)に置き換えて、C - Am - Fm - G というコード進行にしてみます。これだけで楽曲の雰囲気がガラリと変化するのが分かるかと思います。

別の例として、I – Ⅲm – Ⅱm – V進行に基づいたコード進行を見てみましょう。Cメジャーキーで考えると、C – Em – Dm – Gとなります。このとき、Ⅲmコード(Em)とⅡmコード(Dm)の間の移行をスムーズにするために、借用コードをパッシングコードとして使用することができます。

Cナチュラルマイナーの調和の中で、Ⅲ度のコードであるEbメジャーコードを挿し込むこともできます。この場合のEbは、EmコードとDmコードの間を半音ずつ下降するパッシングコードとして最適です。

このEbメジャーコードは第1転回形であるため、ルート(根音)であるEbがコードの中央に配置されます。

7thコードとさまざまな転回形コードを使用したバージョンです。より複雑なボイシングで借用コードを使用し始めると、楽曲の表現力が格段に向上します。また、ここではVコードにG7→Db7トライトーンの巧妙な変化があり、あるコードを、ルート音が元のコードからトライトーン (6半音) 離れた別のコードに置換します。


まとめ

借用コードは、楽曲に深みと複雑さを加えるための強力なテクニックです。平行調のコードを借りることで、ありふれたコード進行に新鮮味を与え、楽曲をより魅力的にすることができます。

ダイアトニックコードの理解を深め、マイナーキーのコードをメジャーキーの曲に、またはその逆を組み込むことで、楽曲の表現力を高めることができます。

ぜひ、この記事で紹介したテクニックを参考に、楽曲制作に借用コードを取り入れてみてください。音楽がより豊かで深みのあるものになるはずです。

以上、「【すぐに使える音楽理論】平行調のコードを借りて楽曲を盛り上げる!」でした。


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