エレキギターミキシング上達の5つのテクニック
ミックス作業に入る前に、もととなるギターの音質を向上させることも非常に重要です。
そもそものギターの録り音が悪いと、いくらミックステクニックを使ったところで音質向上は見込めないので、
・エレキギターの音作りの極意!【脱初心者】
・ギターの抜ける音作りについて【ギター歴15年が語る】
この辺りの記事を参考に、しっかりした音作りを心がけましょう。
では、ミックス内でエレキギターをより効果的に聴かせる為に、基本的なギターミキシングのやり方について解説します。
1. 不要な音域をカット
エレキギターにとって重要な音は中域に多く含まれています。
低音域はベースとの過度なマスキングの原因にもなるので、ギターやベースのサウンドキャラクターにもよりますが、約80~150Hzからハイパスフィルターでカットすることで、低音楽器の為のスペースを空けます。
反対に高音域側も6~7kHzより上は不要な倍音やノイズ成分が多く含まれている為、カットしてしまったほうが良い結果が得られます。
2. イコライジング処理
ギターのサウンドキャラクターによって「おいしい」ポイントがどこかに存在するので、そこをブーストすることで他の楽器に干渉せずにギターサウンドを前面に押し出すことができます。
メタル系のブリッジミュートを多用する曲の場合はズンズン響くポイントであったり、カッティングギターの場合はピッキングのパーカッシブな音を強調することで、より個性的なギターサウンドを表現することが可能です。
反対にカット処理でボーカルと被るポイントやベースやピアノ、シンセ等にゆずることも重要です。
3. コンプレッション
必要に応じてコンプレッサーをかけて音量を均一化します。
ディストーションやファズ系の激しい歪みを加えている場合、それ自体がコンプレッションの役割を果たしているので、さらにコンプで潰す必要はありません。
一般的なコンプレッションが必要なギターサウンドは
- クリーンのアルペジオ
- カッティングギター
- 少ない歪みのバッキングギター
- 単音のリードギター
- ギターソロ
この辺りの奏法を使う場合はコンプレッサーで圧縮することで、より安定したサウンドを得ることができます。
4. 適切な歪み量
適切な歪み量というのはギタリストにとって永遠の課題です。
DTM的にいうと、歪みというのは「サチュレーション」と同じで音に倍音を付加するエフェクトです。
倍音が足りないとペラペラした迫力のない音になり、過度に歪ますと音の芯やコードの分離感がなくなり、何を弾いているのか分からない状態になってしまいます。
ジャンルによっても歪みの量はさまざまなので、一概に「これぐらいの歪み量がいい。」ということは言えませんが、自分のやりたい音楽のリファレンス(参考となる音源)を聴いたり、スペクトラムアナライザーを見ながら適切な歪み量を判断することが大切です。
5. ダブリング
ギターをダブリングすることで、左右に広がるワイドな音像を作ったり、「音の壁」を作ることができます。
一番簡単で、もっとも効果が高いのが同じテイクを2本とり、それぞれを左右にパンニングするというテクニックです。
この方法はもっとも一般的で、色々なロック音源で聴くことができます。
もう一つの方法はトラックを複製、もしくはディレイを使ってダブリングする方法です。
トラックを複製する場合、そのまま2つのトラックを左右に振るとセンターに配置されてしまうので、40ms以内で少しだけトラックをズラします。
ディレイを使う場合はドライ音を左に100、40ms以内のディレイ音を右に100振ることでダブリング効果が得られます。
以上、エレキギターミキシング上達の5つのテクニックでした。