イコライザー(EQ)を使って不要な音をカットしよう
ミキシングや音声編集において、重要になるのがイコライザー(EQ)を使ったノイズの除去や不要な音のカット作業です。
※EQの基本的な使い方に関しては 【FL Studio】Fruity Parametric EQ 2の使い方 をご覧ください。
今回はオーディオやギターアンプについているような、音質変化を目的としたイコライジングではなく、不要な音を除去する為のマイナス方向のカットやピーク処理についてお話します。
不要な帯域をカットする
各楽器の不要な周波数帯域をカットするやり方です。
パラメトリックタイプのEQについている「High Pass」や「Low Pass」を使い、不要な帯域をすべてフィルターカットすることで、楽器間の住み分けを行います。
例えばバンド編成の場合、ギターやピアノの100Hz以下の音はほとんど必要ないとされているので、すべてカットすることでキック、ベースといった低音楽器の為にスペースを空けることができます。
また、スネアの胴鳴りの部分が150~250Hzの様々な楽器がひしめき合う場所にいて、抜けてこない場合には、Q幅を狭くしたノッチ処理を使い、ピンポイントで他の楽器をカットしてあげることでスネアが抜けてきます。
このようにそれぞれの楽器にとって重要な音域を見極めて、そこが他の楽器にとって不要である場合は思い切ってカットしてしまったほうが結果的によくなる可能性が高いです。
耳障りな音を探す方法
Q幅を細くしたトークンを持ち上げて、横にスライドさせることで耳障りなポイントを探します。
共鳴音のような、耳に刺さる不快な音なので分かりやすいと思います。
単体だとそれほど気にならなくても、楽器が重なり合うことで耳障りな音が目立つので、必ずやったほうがいい作業の一つです。
最近のデジタルシンセや音源サンプルはノイズが少なく不快な音も少ないのですが、オーディオ録音(ギターのマイク録りやボーカルのような生モノ)された音源は、かならず耳障りな音がいくつか発生しているので、複数のノッチ処理を行うこともあります。
ダイナミックEQ
ダイナミックEQとは、スレッショルド機能が搭載されたEQのことです。
分かりやすくいうと「指定した音量以上の音だけをカットしてくれる」とても便利なEQです。
ボーカルの「さしすせそ」の歯擦音の除去によく使われる「ディエッサー」エフェクトもダイナミックEQの一種です。
耳障りな音が一定の音量レベルを超えた瞬間だけを狙って除去することで、不必要な音の減衰を避けれるので、より高度なカット処理が可能になります。
サイドチェイン
更に高度なカット処理方法として「サイドチェイン」というテクニックを使用します。
サイドチェインを使用することで、例えばスネアが打ち込まれた瞬間にだけ対象となるトラックをカットするといったような、EQ処理を自動化することが可能になります。
少し設定が複雑なのでDAWごとにやり方が変わってくるとは思いますが、今回は筆者所有のFL Studioで説明します。
サイドチェインによるダッキングのやり方
まず、スネアのトラックに「Fruity Peak Controller」を挿し込みます。
続いて、カットするトラックに「Fruity Parametric EQ 2」を挿します。
カットする側のEQを開いて、スネアの周波数にトークンを合わせて、「Link to controlloer」を選択します。
Internal Controllerを「Peac ctrl - Peak」を選択。
続いて、Peak Controllerの設定です。
Peak部分のパラメーターの設定を以下のようにしてください。
カットする幅は「VOL」ノブで変更できるので、お好みに合わせて設定してください。
これでスネアアタックに合わせて、自動的にカットされるようになります。
サイドチェインのテクニックは色々と応用が効くので是非マスターしましょう。
以上、「EQ(イコライザー)を使って不要な音をカットしよう」でした。