転調のやり方【曲のキーを変更する方法】
転調は楽曲にメリハリとスパイスをつけるための効果的なテクニックです。
楽曲が進行していく中でリスナーに刺激を与える方法はたくさんありますが、上手に曲の途中でキー変更することは、単調な進行に退屈してきたリスナーを再び楽曲の中に引き戻す効果があります。
そこで今回は色々な転調のやり方をご紹介します。
転調について
本題に入るまえに、まず転調について少し触れておきます。
冒頭に言ったように楽曲の中でリスナーに刺激を与える為に効果的であることは間違いないですが、実際に転調がよく取り入れられていたのは80年、90年代の頃です。
現在のメインストリームとされる音楽ジャンルではアレンジの手法として「転調」が行われることは非常に少なくなってきているので、場合によっては「少し古臭い手法」と思われてしまう可能性もゼロではありません。
とはいえ本来音楽制作において、そういった流行りモノや時代の流れをくみ取ること自体も、人によって様々な価値観があることだと思うので、制作スタイルを考慮して必要だと感じたのなら積極的に取り入れてみましょう。
意味の無い転調は避ける
転調を使う前になぜ転調をするのか?を考えることは重要です。
- キーを上げて楽曲を盛り上げる
- 雰囲気を変える
- メロディーの音域を調整
- 男女のデュエット
のような転調による目的がはっきりとしている場合には効果的ですが、なんとなくキーを変更したり、アレンジの一環として転調を頻繁に行うのはあまりよくありません。
ここぞという時に使って、リスナーの意識を惹く為のサプライズ感を演出しましょう。
転調のやり方
それでは実際に転調のやり方について解説していきます。
転調には様々なやり方が存在し、なんの前振りも無くいきなり目的のキーに飛ぶ楽曲だってあるし、転調前にどんなコードを挟もうがやりようによっては目的のコードに落ち着くことはできます。
今回はなるべくスマートに「お!カッコいい転調だな」と思われるような、自然にキーを変更するための方法をいくつかご紹介します。
1. susコードを使う
一番簡単な方法が「sus4」を使った転調で、sus4を使えばすべてのキーに転調することができます。
susコードはメジャー、マイナーを決定付ける3度の音が省略されたコードで、通常は完全4度または長2度に置き換えられますが、4度の「sus4」を使うことのほうが多いです。
sus4を転調後のキーとなるコードの前に配置するか、ドミナントコードの前に配置するだけです。
上の画像のように、CメジャーキーからAメジャーキーに移行する場合は、AのドミナントコードであるE7の前にEsus4をはさむといった具合です。
2. ドミナントモーション
ドミナントモーションとはダイアトニックコードの中のV7→Ⅰへの強い流れのことで、ドミナントであるV7はトニックⅠへと進みたくなるという性質を転調に活用します。
先ほどの一番最後の部分、すべてが強進行の非常に強いケーデンスとなるので、転調に活用するときには新しいキーのドミナントコードを事前に配置することで、次のキーへと向かう流れを作ります。
ドミナントモーションを用いる場合は強い進行感が生まれるのでsus4が無くてもスムーズな移行が可能です。
3. 共通するコードを探す
上記2つに比べると少し難しくなりますが、2つのキー間での共通コードを見つけることでスムーズな転調が可能になります。
例えば、現在Gメジャーキーで進行していたとして、Dメジャーに転調したいとします。
そこで使われるコード群は
Gメジャー | G Am Bm C D Em F#dim |
Aメジャー | A Bm C#m D E F#m G#dim |
となり「Bm D 」が共通コードとなります。
C→Aに転調する場合に共通コードの「Bm」をきっかけにしてドミナントコードE7の流れでAに転調。
このように共通コードを上手く利用することでも、スムーズな転調が可能となります。
まとめ
転調のやり方について解説しました。
- susコードを使う
- ドミナントモーション
- 共通するコードを探す
これら3つを組み合わせることでさらに自然に目的のキーへと移行することが可能になります。
以上、「転調のやり方【曲のキーを変更する方法】」