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安定したメロディーを作る為の基礎知識【メジャースケール編】

2021年10月10日

メロディーの作り方

安定したメロディーを作る為の基礎知識【メジャースケール編】

音楽の中でも最も作り手の個性やセンスが反映されるパートがメロディーパートです。

直感的に作るのが得意で、メロディーセンスが良いと周りから言われるような人でも、何十曲、何百曲と制作をしていると、毎回似たようなメロディーになってしまい、マンネリ化してしまっている…と感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はメロディーバリエーションを増やせるように、理論的に安定したメロディーを作成する方法をご紹介します。

メジャースケール

実際にメロディーの作成方法に入る前に、基礎的な音程の仕組みについてお話します。

音の高さの相対的な関係値を「音律」と呼び、普段みなさんが耳にするような音楽は12分割して「1オクターブ」と呼ばれる音律が使われています。

12音階

正しく調律されたピアノの鍵盤を押すと、必ずCからBの12音のうちのどれかが正確に鳴りますが、鍵盤をランダムに弾いたとしても音楽的なメロディーとしては聴こえてきません。

つまり人が聴いて心地よいと感じる音として12音を鳴らすには、音律に含まれる高さの音を音楽セオリーに従って順番に、もしくは組み合わせて鳴らす必要があります。

この音楽セオリーとして重要な要素の一つとして「スケール」があります。

スケールとは?

スケールとはある基準となる音から順番に、昇順あるいは降順に並べた音のグループのことを指します。

まずは分かりやすいように、ピアノの白い鍵盤だけで作られるスケールについて考えてみます。ピアノの鍵盤には白鍵の白鍵の間に黒鍵が挟まれている箇所とそうでない箇所があります。

ピアノ 鍵盤


白鍵が隣同士になっている箇所は「半音」となり、黒鍵をまたぐ場合は「全音」となります。

C音を第一音目として音を並べると「全-全-半-全-全-全-半」という音の並びが出来上がり、この音の集合体のことを「メジャースケール」と呼びます。(一般的なドレミファソラシド)

CFEFGAB
Cメジャースケール

Cが第一音目となっているので、この場合はCメジャースケールとなります。

仮にD音を第一音目にもってくると「DEF#GABC#」となり、黒鍵を使用することになります。

音の「並び方」が重要

音の並び

まとめると、12音の中から7音を抜き出して、隣り合う二つの音が半音になる箇所と全音になる箇所があります。これら「全-全-半-全-全-全-半」という音の並びにすることでメジャースケールとして機能します。

例えばこれを5音抜き出して「全-全-全+半-全-全+半」という並びにするとペンタトニックスケール、「全+半-全-全-全+半-全」という並びにするとマイナーペンタトニックというスケールになります。

こういった音の数と音の並び方で様々なスケールが存在し、和音であるコードもこれらのスケールを元に作られます。

メジャースケールの音の役割

メジャースケールの構成音には一音目から七音目までの音の役割に応じて名前が付けられています。

①音目の「主音(トニック」は最も安定感のある音で、セクション終わりや楽曲の一番最後はこの音で締めくくることが多いです。

④音目の「下属音(サブドミナント)」は半音下の「中音(メディアント)」に強く引き付けられる傾向にあり、⑤音目の「属音(ドミナント)」に進みたくなる傾向もあります。

⑦音目の「導音(リーディングノート」は主音に強く進みたい特性のある音です。

これらは音の度数として表現されることもあり、このような音の特性を理解することで、より深いメロディー作成が可能になります。

実際の曲を使った例

ここからは実際に「きらきら星」をDAWのピアノロールを使って解説していきます。


このメロディーは①主音である「C」から出発し、⑤属音の「G」まで飛びます。5度音のドミナントはトニックの次に安定性があるので、メロディーの区切りや安定感を持たせたい場合によく使用されます。

その次に⑥下中音の「A」に上行しますが、下中音は安定した⑤属音に引き付けられる特性を持っているので、その次にまた「G」に戻ります。

他にも⑥下中音→⑦導音→①主音という流れもよく使われます。

3小節目の頭は④下属音の「F」から半音下の③中音である「E」に進み、そのあとは②「上主音」の「D」も不安定な音なので、安定の主音に解決しています。

緊張と緩和

緊張と緩和

安定と不安定という言葉を使っていましたが、メロディー構成としてはこの二つの要素を上手く組み合わせることが重要になってきます。

メロディーの締めくくりの部分や主張する音には安定した音を使うことで、解放感が得られ、一つのメロディーモチーフが終わった感覚をリスナーに与えます。

ただし安定感のある音だけでは退屈なので、間に緊張感のある不安定な音を挟むことで、全体でストーリーのあるメロディーとして機能します。

メロディーの作り方【音を外さない方法】

これらの音が持つ機能性はバックで流れているコードによって変動させることもできるので、コードとメロディーの関係性を理解しながら作ることができれば、より深いメロディーアレンジが出来るようになります。

まとめ

このように音がもつ役割を理解することで、「童謡」のような日本人にとって耳馴染みの良い、より安定したメロディーを作成することができます。

とはいえ、各音の役割を忠実に守って作るということは教科書通りの無難なメロディーになってしまう可能性もあるので、 作り手のセンスやコード、リズム、時にはルールを無視するという発想も大切になってきます。

特にジャンルによっては音の特徴やこういったルールに従わないメロディーのほうが斬新で新しいとされることも多いので、目当てとするジャンルの楽曲を聴いて、音使いを分析するというのも重要です。

以上、「安定したメロディーの作り方を徹底解説【メジャースケール編】」でした。

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