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DTM

マスタリングでの音圧の測り方について【LUFS】

2020年6月15日

音圧の画像

マスタリングでの音圧の測り方について【LUFS】

マスタリングで欠かせない工程の一つとして、音圧を上げるという作業があります。

マスタリングとは何か?基本的な5つのステップでも紹介したように、人の耳は大きい音ほど良い音と認識するので、なるべく楽曲全体を通して高い音圧が求められます。

しかしCDの時代とは違い、現在はどんなに音圧を上げてもSpotifyのような音楽配信サービスでは音圧を一定の値に修正されるので、最適なLUFS値を知ることが重要となってきます。

今回は楽曲の音圧を測定する方法と最適な音圧を見つける方法について解説します。

LUFSとは?

lufs

LUFSは「ラウドネスユニットフルスケール」の略で、楽曲の音圧を測定するための最新の単位です。

人間の聴覚特性に合わせて作られた規格で、等ラウドネス曲線で表されるような、周波数帯域による実際の聴感の違い(低音ほど大きなエネルギーが必要であったり)ということに合わせて作られているので、実際に普段のリスニング環境で感じる音圧感とのギャップが少ないのが特徴です。

※LUFS測定器としてiZotope社からリリースされている「Insight 2」が人気がありおすすめです。

RMSとLUFSとの違い

RMSの画像


LUFS規格が主流になる前は「RMS」という単位が長く業界標準として使われていました。

このRMSは人間の聴覚に合わせて作られていない為、実際に楽曲を聴いたときの音圧感とのズレが生じていました。

ローエンドのような人間の耳には聴こえにくい周波数帯の信号レベルが大きい場合においても、RMSレベルは反応して大きくなります。

これは実際のリスニングにおける聴感とのギャップを生みます。


現在もいくつかのラウドネスメータリングプラグインにRMSは使われており、DAWの標準メータリングツールとしてRMSを使用しています。


Integrated LUFS


Integrated LUFSは楽曲全体の平均音圧です。

プラグインを立ち上げながら楽曲を流し続けることで、常に音圧を測定し続けて平均値を表示してくれるので、楽曲を1曲流し切れば全体の平均音圧が測定できます。

integratedの画像


実際には瞬間的な音圧よりも、この楽曲全体を通した平均LUFS値が重要となってきます。

理由としては、SpotifyやApple Music等の主要ストリーミングサービスはラウドネスマッチングの値として、Integrated LUFSを採用しているからです。


音楽配信サービスのラウドネス値


今の各種音楽配信サービスにはラウドネスノーマライゼーションというシステムが組み込まれており、これが長いラウドネス戦争を終われせたといわれています。

ラウドネスノーマライゼーションとはLUFS/LKFSという単位を基準に、ある一定値以上の音圧の高い音源は自動で音量を下げるシステムのことです。


ある一定の値なのですが、現在ではほとんどの配信サービスで-14.0LUFSという値になっています。(SoundCloudなど一部例外もあります。)


つまり、-5.0LUFSの音圧の高い音源を作っても配信サービスにアップロードした時点で-14.0LUFSまで自動的に下げますよ~ということです。

単純に全体の音量を下げられてしまうので、音圧の高い音源を作るために失われたダイナミックレンジが犠牲になります。

ダイナミックレンジの画像
両方とも-14.0LUFSの音源です


上段が-14.0LUFSを狙って作成した音源で、下段が-5.0LUFSの音圧マシマシ音源が-14LUFSまで下げられた状態です。

波形を見てわかるように、多くのダイナミックレンジが失われた状態になっています。


最適な音圧の見つけ方


すべてを-14.0LUFSに合わせればいいのかと言われればそういうわけでもなく、多少のリミッティングされた「圧縮感」は必要です。

一昔前の正解はただ「音圧を限界まで上げればいい」だったのですが、今はジャンルごとに最適な音圧というのがあり、バラバラです。


一番手っ取り早いのがリファレンス楽曲のLUFSを測定するということです。

自分の作っているジャンルやお気に入りのアーティストの楽曲の音圧を分析して、見つけ出すのが確実です。

楽曲分析の画像


  • EDM : -6~-8LUFS
  • HipHop : -8~-11LUFS
  • Trap Beat : -12~-14LUFS
  • Rock : -7~-9LUFS
  • Metal Core : -4~-6LUFS


アバウトなので参考程度に。


今でもEDMやダブステップはDropセクションで瞬間的に-3LUFSとかもあります。

逆にLo-Fi HipHopのようなビート系だと-12~-14LUFSとかでまったくリミッティングされていない音源も多くあるので、やはりジャンルに合わせて楽曲全体のダイナミクス感をコントロールするのが重要です。

マスタリング用VSTプラグインおすすめ5選

各プラットフォームに合わせた音圧調整

meterplugs

先述したラウドネスノーマライゼーションにより、YouTube、Spotify、Apple Musicなどのストリーミングサイトでリミッティングされたミックスを聴いたときに、実際はどのように聴こえているかを判断するのも非常に重要です。

ほとんどの配信サービスで-14.0LUFSであると言いましたが、プラットフォームごとに多少数値が前後することもあり、実際にアップロードしてみると予期しない音量や音質の変化が発生することがあります。

理想はすべての配信先に合わせて、細かい音圧設定をしてエクスポートするしか方法はないのですが、最近は「Loudness Penalty」のような事前に各プラットフォームでどのように聴こえるかプレビューできるプラグインもあるので活用しましょう。


まとめ

最近ではマスタリングで音圧を上げる為にリミッティングするというよりかは、楽器全体を圧縮して統一感を出す目的で使用しているイメージです。

ビートのようなパーカッションとバッキングがほどよく分離しているのがいいのか、EDMのDropセクションのように楽器全体を一つの塊としてグルーブ感を出したいのか。

音圧を上げるという概念が無くなってきている今、音圧を上げたときのような質感を手に入れるためにリミッティングをかけるという考え方が正解に近いのかもしれません。


以上、マスタリングで音圧を最適化する方法【LUFS】でした。


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