全体の43%は再生数10回以下?ストリーミングプラットフォームでほとんどの楽曲は再生されていないというデータを発表
ストリーミングサービスの普及により、新譜だけでなく過去のカタログ作品もほぼ無限に聴くことが可能になりました。
SpotifyやApple Musicなどのプラットフォームでは、毎日大量に新曲がリリースされ、膨大な曲数が公開されていますが、エンターテインメント業界向けにデータを提供しているLuminate.comによると、ほとんどの楽曲が再生されていないと発表されています。
Luminateは、音楽の聴かれ方を調査し、Billboardチャートにもデータを提供している企業です。先日公開した2023年のまとめデータによると、全体1億8400万曲の中で再生数が10回に満たなかった曲が7950万曲も存在していると発表しました。さらに驚くことに、全体の25%にも及ぶ4560万曲が2023年に一度も再生されなかったとのデータも公開されています。
10億再生は0.000005%
一方で、昨年リリースされた曲の中で10億再生を突破したのはわずか10曲だけで、2023年に100万再生以上ストリーミングされた曲は33万9410曲で、全体のわずか0.18%となります。膨大な曲数が公開されており、聴く側からするとリスニング候補が無限にあるようにも思えますが、実際に聴かれているのは全リリースのトップ数%のみという現実です。
新規アーティストには厳しい現状
データを見てみると、特に無名のアーティストや新生クリエイターの場合、ストリーミングプラットフォームから人気を獲得していくのはまだまだ厳しいという印象を受けます。以前から、一部のストリーミングプラットフォームに対して、再生によるロイヤルティの分配の仕組みや、プラットフォーム自体の構造に批判の声も多くありました。
これを受けて、昨年の11月にはSpotifyがアーティストに支払うロイヤルティの基準を見直すと発表し、「過去1年間で1,000回以上再生された楽曲のみがロイヤルティ配分の対象になる」とのポリシーを公開しました。これにより多くの額をアーティストに還元するための施策と説明しています。
音楽でも動画プラットフォームが主戦場?
ストリーミングプラットフォームも一部の動画プラットフォームのような、新規であっても数千回は再生されるようなリコメンドの仕組みや、その中でエンゲージメントが高ければ徐々にフォロワーを獲得していけるようなアルゴリズムがあれば、新規アーティストでも参入のチャンスがあるように思えます。
実際に、ミュージシャンによってはYouTubeやTikTokにアップロードする方が重要だと捉えている方も多いのではないでしょうか?音楽以外の映像であったり、コンテンツに付随する形で音楽をリーチしたりと、アイディア次第でバズやバイラルヒットを狙うことができる可能性は高いでしょう。
Luminate | 2023 Global Music Year-End Webinar
https://luminatedata.com/reports/yearend-music-industry-report/
SpotifyがAIによるDJ機能で強化!ChatGPTのテクノロジーを使用
音声もショートの時代!?Spotifyがショート音声プラットフォーム「Logcast」と提携