音楽理論は作曲に必要なのかということについて
「音楽理論は没個性の原因や感性の邪魔になるから必要ない」
「音楽理論は作曲において必要不可欠である」
このふたつはよく議論に上がることがありますが、これから作曲を始める方やDTMをやろうと思っている人からすれば、結構気になる部分ではありますよね。
結論から言うと。
学ばなくても作曲はできるが、学んだ方が有利。
だと筆者は考えています。
数学でいう公式に近いものがあり、音楽にもある程度のセオリーや原則的なものは存在するので、音楽理論を学ぶことで作曲のスピードと、作曲の幅は間違いなく広がります。
音楽の偉大なる先人たちが
と、後世に伝えてくれているのにそれを無視するのは、もったいないと思うのです。
勉強が苦手なら、とことん耳を鍛えるべき。
勉強したくない気持ちはよく分かります。
「理論」とか言われるだけで拒絶反応が出てしまうものです。
結局のところ、音楽理論は
人が音を聴いてどう感じるかを理論立てたもの。
例えば
1度と5度が完全協和音で、1度と短2度は不協和音なんてことは理論立てて説明されなくても耳で聴けばすぐわかります。
↑これはさすがに極端ですが
この伴奏に対してこのメロディーはなんか合ってない気がする。。。
ぐらいは絶対にわかるようになります。
一般的に世に出回ってる音楽のほとんどが音楽理論に沿った音楽なので、日々たくさんの音楽を聴いて、多くの音楽をインプットすれば自然と耳が鍛えられて、理論が身に付きます。
耳で聴いて「なんかこの響き気持ち悪いな~」と感じたのなら、その音は大体音楽理論でいう不協和音です。
まずは作りたいジャンルの音楽を良く聴いて、そのジャンルで使われてる音に耳を慣らすことが大切です。
どんな音楽をどんな風に作るのか
ジャンルと作曲法によっても音楽理論の必要度合いは変わってきます。
現代のPopsをアコギで鼻歌まじりで作りたいのなら、理論は学ばなくても作れます。
コード進行を調べるぐらいで十分です。
DTMでデジタルミュージックの制作を考えているのなら、今の作曲ソフトにはコードやスケールをわかりやすく表示してくれる機能が付いていますし、Hiphopとかだとループ素材を張り付けていくだけでも一曲完成します。
ジャズとかクラシック音楽を作ろうと考えているのなら、勉強しないと厳しいんじゃないかと思います。セオリーが多く、使ってるコードも複雑です。
一概に「絶対必要!」「いらない!」ではなく、自分のやりたい音楽ジャンルを考えて、音楽理論を学ぶ気がないのなら音楽理論が必要ないジャンルを選ぶ、という選択肢もあります。
筆者が音楽理論を学んで感じたメリット
ここで筆者自身が音楽理論を学んだことで、役に立ったことをいくつかまとめます。
1.作曲が行き詰まった時に、役に立つ。
サビに向かって盛り上がる良いメロディーが思い浮かばない。。。
もっと切ない感じの展開にしたいのにアイデアが思い浮かばない。。。
作曲者なら誰しもが経験することだと思います。
そういった時に音楽理論は力を発揮します。
2.マンネリ化を解消してくれます。
何十曲も制作していると、どうしても制作者の癖が出てしまい、楽曲の展開やメロディーラインが似たものになってきてしまいます。
理論的にアレンジの引き出しがたくさんあるというのは強みになります。
3.作業の効率アップ
単純に作曲スピードが上がります。あと、変なところで悩んだりして、無駄にエネルギーを消費しなくなるので、集中力も持続します。
4.イメージの伝達がラクになる。
例えばバンドのリハーサルや楽曲制作依頼でクライアントからの注文など。
「サビに入るところで一回音を止めて、サビに入ったらバーン!っていう感じでいこう!」
「サビ入りの2拍手前でブレイクして、サビ頭はオープンコードの白玉でお願い。」
バンドマンならわかると思いますが、この文言の差はでかいです。
まとめ
個人的な意見としては、作曲をしていくのならコード理論だけでもいいので勉強することをオススメします。そこから先のことは、作りながら同時進行で覚えていけばいいです。
筆者の場合は嫌々勉強したというよりかは、「もっとクオリティの高い楽曲を作りたい!」と強く思った時期があって、その時に意欲的に勉強しました。無理して学ばなくても音楽を続けていれば必然的に音楽理論が必要となる時が来ると思っています。
こちらの内容はYouTubeにて配信もしてるので合わせてご覧ください。
アニメ調で物凄く分かりやすく解説してくれている書籍もあるので、参考にしてみてはいかがでしょうか?